腎移植患者様へ
カリニ肺炎流行について

移植患者さんにカリニ肺炎が散発しております。
免疫抑制剤を内服している移植患者さんは感染し易いため、予防が必要です。
通常、移植手術後1 年間はカリニ肺炎の予防のための薬剤(バクタ錠)を内服していただいていましたが、既に中止された移植後経過の長い患者さんにも予防をお勧めします。定期受診日に申し出下さい。下記の予防薬を処方いたします。

薬剤名:バクタ
内服方法:月・水・金曜日の 朝1 錠
(週に3 回のみの内服ですが、移植腎機能により更に減量します)
内服期間:3 ヶ月
対象者:移植患者さん全員
※処方の都合上、処方箋では1 日3 錠12 日分と実際の服用と異なった記載がされています。
上述の内服方法で薬を内服すれば、3ヶ月分の薬が1 回の処方でお渡しできます。
内服方法を間違えないようにお願いします。

【カリニ肺炎の原因菌】
ニューモシスチス‐カリニは正常な上気道の中では害を及ぼすことなく生存しているありふれた微生物です(一般人でも20%ほどが保菌している常在菌です)。この微生物が肺炎を起こすのは、癌(がん)や免疫抑制療法などのために体の防御機能が低下した場合だけです。
当然、腎移植患者さんのような免疫抑制下では、肺炎として発症する可能性があります。

名古屋第二赤十字病院 移植外科 打田和治
増子記念病院 移植外科 植木常雄
移植コーディネーター 山上孝子