本研究振興基金は、脳血管障害(脳卒中)に対する研究を振興するため、国の内外を問わず、すぐれた研究者に重点的な研究費助成及び補助を行なうことを目的とする。
衆知のように、脳血管障害とガンの両疾患は、我が国の死亡原因の首位を争うものである。しかし、ガンの研究に対する社会的関心は頓に高まりつつあり、その研究者も既に膨大な数に達しつつある。これに反し、脳血管障害の研究の重要性はややもすれば看過されがちであるとしても決して過言でない。
しかも、脳血管障害の研究においては、その成因、予防、治療、社会復帰のいずれも複雑な問題を内包し、基礎研究、臨床研究、或いは社会医学的研究のいずれも極めて忍耐強い努力を研究者に要求するものである。
この公益信託基金の委託者美原博は、既に財団法人脳血管研究所及び付属美原記念病院を設立し、多年に亘り脳血管障害の成因、診断、治療、社会復帰等の研究に努力を重ねてきたのである。しかしながら、この疾患の研究はもとより一研究組織のよくする所ではない。従って、美原博、国の内外を問わず、より広い規模において、この疾患の研究に立ち向かう英知を育成する必要を痛感し、この疾患に取り組むすぐれた研究者に重点的に研究費助成及び補助を行なわんと決意したのである。
玄に、公益信託美原脳血管障害研究振興基金を設立し、研究を奨励し、医学の進歩と人類の福祉に貢献することを念願する所以である。
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