会長挨拶
髙橋 尚人(東京大学医学部附属病院 小児・新生児集中治療部)
このたび、第69回日本新生児成育医学会・学術集会を2025年(令和7年)11月13日(木)~15日(土)の3日間、パシフィコ横浜会議センター(横浜市)で開催させていただくことになりました。11月14日(金)~15日(土)に東京大学医学部附属病院新生児集中治療室看護師長の柘植美恵会長が担当する「第34回日本新生児看護学会」との合同開催となります。
公益社団法人日本新生児成育医学会は新生児医療を担う日本小児科学会の分科会として、現在会員数2,600余名を擁し、60年以上の歴史と伝統を誇っています。本学会の前身の未熟児新生児研究会の第8回は1964年11月に東京大学小児科の高津忠夫教授が会長として主催しており、今回は61年ぶり2回目の東京大学の主催となります。本学術集会には新生児医療に従事する小児科医を中心とした約1,200名の医師の参加が、新生児看護学会学術集会にも看護師を中心に約1,200名の参加が見込まれています。
本学術集会では「激動の社会の新生児医療~未来への勇気と希望~」をメインテーマに掲げました。現在、世界は気候変動、災害、戦争、感染症、少子化、生命倫理的問題、情報化社会における社会的分断や偽情報の拡散など、世界規模で大変困難な時代を迎えています。このような状況にあって、次世代を担う子どもたちのいのちの誕生の喜びと家族や社会での子育ての幸せは、大袈裟な意味でなく世界の平和や再統合に貢献する領域と思っています。そこで、今回の学術集会では新生児医療の枠を超えた一流の方々のお話をお聴きして未来への勇気を得たいと思っています。そのほかにも、最先端の研究と医療について多く学ぶ機会を持ちますので、ぜひご参加の予定をよろしくお願いいたします。
開催概要としては現地対面開催と後日のオンデマンド配信のハイブリッド方式とし、口演を中心としながら一部ポスター発表も行います。また国際化を見据えて、なるべく多くの方に英語発表の機会を持っていただきたいと考え、新たに英語口演の枠を広く設けます。特に若い方々には挑戦していただきたいと思います。現地での活発な討論と後日の配信を楽しみにしている皆様にご満足いただける学術集会としたいと思っています。全国からの多くの皆様方のご参加を心からお待ち申し上げます。