ご挨拶
この度、一般社団法人日本看護倫理学会第18回年次大会を、2025年5月17日(土)~18日(日)に神戸国際会議場にて開催させていただくこととなりました。本学会は、2008年に神戸で設立され、神戸で開催された第1回年次大会に発起人として携わらせていただいてから、早くも18回目の年次大会となります。学会が成人を迎える年に再び神戸で年次大会を開催できますことに心より感謝申し上げます。
第18回年次大会のテーマは 「利他」の倫理 としました。
日本人の気質や文化として象徴される「おもてなしの心」に根差しているのは「利他」の精神だと思います。私たち日本人にとって当たり前のこととして扱われ、あまり意識されていないのかもしれない「利他」とは何かを考える2日間にしたいと思い、企画委員会で様々な企画を準備して皆様の参加をお待ちしております。
「利他」とは、一般的に「自分を犠牲にして他人に利益を与えること。他人の幸福を願うこと」と説明されています。正に、災害等で人々の生活が危機的状態に陥った時に救済に向かう看護師達や新型コロナ禍で最前線に立ち続けた看護師達のことを想起させます。看護者は、他者の健やかな生活を支援し、ケアの対象者に希望を与えることを業としています。そして看護者は、ケア提供者から心理的報酬を受けて自己の心理的豊かさを高めることができる素晴らしい職業だと思います。しかし、組織の管理者の1人として、看護の仕事が個人の自己犠牲が前提であってはならないとも考えています。
今後ますます厳しい局面を迎える「少子高齢化」および「労働人口減少」の問題。多様な国籍、人種、宗教、性、等への向き合い方。デジタル技術の進化による生活の変化。様々な側面で私たち看護職が「利他」の心を社会に示すことにより、私たちの専門性と社会的価値を認知いただく必要があると思います。
2025年はEXPO2025関西万博が開催されますので、宿泊施設が大変込み合うことが予測されます。お早目に神戸にお越しになるご準備をお願いしたく、演題募集期間を早めに設定させていただきましたので、どうぞよろしくお願いします。
皆様にお会いできること、共に語り合えることを楽しみにしております。
日本看護倫理学会 第18回年次大会
大会長 ウイリアムソン 彰子
神戸大学医学部附属病院 副看護部長