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ごあいさつ

ご挨拶

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2023年春のご挨拶

 

てんかんは脳神経疾患の中でも罹患数がもっとも多い疾患の一つであり、どの年齢層でも発症する可能性があり、どの年齢層にも患者さんがいます。罹患率は0.5〜1%で、世界にはおよそ5千万人の患者さんがいます。てんかん発作は脳の神経細胞群の異常な電気的発火による神経症状であり、電気的発火に巻き込まれる脳の部位によってさまざまな発作症状を呈します。疾患としてのてんかんは、てんかん発作を繰り返して起こす性質を脳が獲得した状態を包括的に述べる病名です。

てんかんの原因は画像検査や顕微鏡検査で見える脳病変によるもの、遺伝的素因によるもの、感染、代謝異常、自己免疫によるものなどさまざまです。てんかんは発作による直接の負担だけでなく、精神運動発達、認知機能、心理的状態、社会生活などさまざまな負担をもたらす可能性があります。てんかんは適切に診断し、適切な治療を行うことで対処可能な疾患です。およそ70%の患者さんは適切な抗てんかん発作薬の服用を続けることで発作を予防することができます。残りの患者さんの一部は、手術治療によって発作を無くしたり、軽減したりすることができます。

 しかし、てんかんの適切な診断や治療、そしてその知識や情報が十分に行き渡っていない問題も世界で指摘されており、日本も例外ではありません。世界保健機関は2022年5月の総会でIntersectoral Global Action Plan on Epilepsy and Other Neurological Disorders (IGAP 2022-2031)を採択しました。受けられるはずの適切な治療が受けられないtreatment gapの問題を世界で解消することが大きな目的です。2022年からの10年間に世界各国が保健医療の重要課題としててんかん対策を推進し報告することが求められています。

一般社団法人日本てんかん学会は、これまでおよそ50年にわたり学術団体としててんかん対策に取り組んできました。疾患に関する学術活動の他、てんかん専門医の研修や認定、診療ガイドラインの発出、てんかん専門研修施設の認定に加え、2021年から包括的てんかん専門医療施設の認定を開始しました。これはてんかんに関連するすべての診療領域を網羅して最先端の高度診療を提供する施設を、各都道府県一施設に限定することなく純粋に診療の内容で認定を行うもので、いわば先進的なてんかん対策を担うものです。

現代のてんかん学について、国内外の最先端の研究内容について情報交換し、研究の発展を促すことは、学術団体として最も重要な任務の一つです。世界に発信できる研究を支援するとともに、海外で開発された最先端診療技術の導入が滞ることのないような取り組みも日本てんかん学会の重要な役割です。また、適切な抗てんかん発作薬や手術治療へのアクセスは言うまでもなく、てんかんやてんかんとの鑑別が問題となる諸疾患の適切な診断や包括的なてんかんケアの提供体制などでは、国の地域てんかん診療連携推進事業や、さらに当事者団体の日本てんかん協会とも協同しながら取り組んでいるところです。

日本てんかん学会はこれからも、てんかん学、てんかん診療、てんかんの包括的ケアの進歩と向上のために確実な活動を続けてまいります。皆様のご協力とご理解をよろしくお願い申し上げます。

2023年4月

日本てんかん学会理事長
 川合謙介


2021年日本てんかん学会理事長就任のご挨拶

2017年11月~2021年新年 理事長あいさつ

 

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