この度、土橋一重先生の後任として日本小児脂質研究会運営委員長を拝命しました埼玉医科大学小児科菊池透でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。
本研究会は、先天代謝、内分泌、肥満、栄養、循環器、動脈硬化など多領域の小児科医、内科医、栄養士、基礎医学研究者などの多職種の研究者・臨床家が小児の脂質代謝というキーワードのもとの参集しております。学術集会では、小児の脂質代謝を様々な切り口からみた研究成果が発表され、とても熱い議論が繰り広げられます。そして、終了後の懇親会では、同じ分野の研究・臨床をしている仲間同士、熱く語りあい、親睦を深めております。その語り合いのなかで、新たな研究・臨床課題が見つかることも少なくありません。
本研究会の主に課題は、家族性高コレステロール血症などの原発性脂質代謝異常、先天代謝異常症に関連する脂質代謝異常、小児肥満症、小児内分泌疾患、腎疾患などに伴う二次性脂質異常症などの病態・診断・治療です。特に、家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体は、無治療の場合、壮年期で心血管疾患を発症するリスクが高い疾患です。しかも、約300名に1名と頻度が高く、スタチンによる治療が有効であり、小児生活習慣病予防健診で発見し、早期に介入することで、予後を劇的に改善させることが可能です。本研究会では、日本動脈硬化学会と連携し、本疾患に関する啓発活動を推進する所存です。
会員各位におきましては、益々のお力添えをお願いしたく存じます。また、本学会の活動に賛同していただける方の学会への入会をお待ちしております。よろしくお願い申し上げます。最後に、脂質異常をもった小児・思春期および若年成人が幸せな人生過ごせることを祈念し、ご挨拶とさせていただきます。