2006-06-02
以前に書いた文章では「スタチン治療は脳出血に直結しない」としたが、訂正が必要である。
リピトール®80mgを用いて、強力な脂質降下療法を行い、LDLコレステロールを38%減らしてみせたSPARCL(The Stroke Prevention by Aggressive Reduction in Cholesterol Levels)の結果が発表になった。対象は一過性虚血発作か脳梗塞の既往のある患者で、虚血性心筋梗塞を扱った、今までの患者と背景が異なる。日本の現状に近いとも言える。
総じてみれば、全脳血管事故はHR0.84で16%抑制できた。成功と言える。
非致死性の脳卒中は減らなかった。致死性の脳卒中はHR0.57と著明に減少し、脳梗塞もHR0.78で予防可能であった。しかし、低脂質血症で脳出血例が多いという報告[Eastern Stroke and Coronary Heart Disease Collaborative Research Groupなど]を忠実に再現して脳出血がHR1.66と増えてしまった。
すべてを含めれば利益が多く、脳だけではなく心臓も保護できるので有用であるが、強力な脂質降下療法には、抗凝固治療や抗血小板治療と同様に、出血のリスクを内包する事を、肝に銘じる必要がある。健全な血管を保つ意味でも1次予防の重要性が示唆される。
日本でもスタチンと脳卒中再発の治験が進行中である[J-STARS]。日本で行われた1次予防試験であるKLISでは虚血性心疾患のみならず、脳梗塞の予防効果が確認されている[Sasaki et al. Reduction in Serum Total Cholesteroland Risks of Coronary Events and Cerebral Infarction in Japanese Men]。女性が主体のMEGA studyでは脳梗塞と頭蓋内出血を併せた脳卒中は予防出来なかった(17%減、p=0.33)
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死んだ子の年を数えればセリバスタチンの副作用で終了となったRESPECTも知りたかった。
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