働きかけをすると内服が6割から9割に上がりました。その後薬剤師さんからの働きかけを止めるとまた6割に服薬遵守率が下がってしまいました。働きかけを続けた群では血圧が6.9mmHgさがりましたが、止めた群での血圧の降下は1mmHgの低下に留まりました。コレステロールは最初の低下が持続しました。
香港で薬剤師さんが患者さんに電話を掛けました。2年間で38名(17%)対照の方が亡くなったのに対して、電話でいろいろ御世話をした人は25名(11%)しか亡くならず、相対リスク0.59(95&信頼区間0.35~0.97, p=0.039)でした。独居の老人で内服の数が多い、脂質降下剤を処方されていないのと服薬遵守率が死亡の危険因子であった。内服率が0-33%だと死亡の危険が2.87倍、33-67%だと1.61倍でした。
H17.12/13
薬を毎日飲むのは面倒である。一品と云わず、10種類も呑むと、どれか一つ欠けても判らなくなる。Candesartan(ブロプレス®)をつかった心不全の治験CHARMのサブアナリシスが英国の医学誌ランセット[vol366 Num 9502, p2005]に掲載された。80%以下の服薬尊守率で実薬よりも、偽薬をきちんと呑んでいた患者さんの方が、入院率も生存率も成績が良かった。
これは、カンデサルタンを呑むのが悪いのではない。
他にも併用している色々な薬も呑み忘れているであろうし、生活習慣も含めて、改善の意欲や実行度が低いと、治療の効果が上がらないという事である。
もっとも、参加している人種では黒人で服薬尊守率が低く[35% vs 11%]、そのような人種差の影響も否定出来ない。
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