穿頭術
局所麻酔を用いて行う脳神経外科の代表的な手術手技です。
慢性硬膜下血腫や脳室内出血等の頭蓋内に貯まった液体を抜く目的や一部の組織を生検する目的で行う神経内視鏡手術や定位脳神経手術で用いることが多い方法です。頭皮内に部分剃毛後2〜3cmの皮膚切開を行い、その中心に穿頭器という手術道具を用いて約1.5cmの穴を頭蓋骨に開け目的の手術を行います。手術後頭蓋骨の穴は人工物で再建したり骨の削り屑を再充填したりすることがありますが、再建なしでもいずれ骨形成がおきます。
この手術は主に外傷後しばらくたってから生じる慢性硬膜下血腫(頭部外傷の項参照)の治療に用いられます。穿頭した後に、硬膜を切開し、中の血腫を吸引するとともに、生理食塩水にて血腫腔を洗浄するという手術です。この他、穿頭術は、脳室に脳脊髄液がたまる水頭症の場合にドレナージという管を脳室内へ留置したり(図1)、脳室から腹腔内へ脳脊髄液を逃がしてやるシャント手術において、シャントチューブを脳室内へ挿入する水頭症の項参照)ために行われる他、神経内視鏡手術における内視鏡を頭蓋内へ挿入するための「穴」をつくるために行われます(神経内視鏡手術の項参照)