論文化のコツ

 私なりに考える、集計表を用いた二次分析研究を論文化まで高めるコツを書いていきたいと思います。

まずは、リサーチクエスチョン

  「大学院に行ったほうがいいでしょうか?」と聞かれることがある。大学院に行くことは目的ではない。あくまで手段である。あなたの目的(何でしょう?)を達成する手段として、大学院に行くことが適切だと思われるのなら、行ったほうがいいんじゃないかな?
 これと同じで、集計表を用いた二次分析は、あくまで手段であり、目的ではない。集計表を用いて何か研究ができないか、とか、論文が書けないだろうか、なんて姿勢ではダメで(仮に頑張って論文の形にできたとしても、魅力に欠ける論文になるんじゃないかな)、これを知りたい、明らかにしたい、そのための手段として、データを用いて分析を行う、という姿勢は大切だと思っている(注1)。まずは、リサーチクエスチョンである。

臨床よりも公衆衛生寄りの、リサーチクエスチョン

 リサーチクエスチョンが大事とはいうものの、臨床に直結するようなものは、集計表を用いた二次分析では、おそらく無理である。個票データとは異なり、個々の患者の背景因子で調整することはできないからである。できることは、せいぜい、年齢や性を調整して、集団と集団を比較することくらいである(たとえば、県民データと全国平均の比較、患者集団と全国民の比較など)。そのため、臨床よりもやや公衆衛生っぽいリサーチクエスチョンが適している。

研究の限界を許容できるか?

 どのような研究にも、研究の限界は必ずある。集計表を用いた二次分析では、個票データを用いた二次分析よりも、一般に、研究の限界は多い。もし、それが、許容できないレベルと思われたら(おそらく査読者やエディターも同様に考えるだろうから)、論文化は厳しいだろう。そのような研究を本当に行う意義があるのか、考えたほうがいいと思う。時間がもったいないよ。だって、人生はあなたが思うほど長くないと思うから。

統計解析のスパイス

  ただ単純に、集計表にある数字を足したり引いたりしただけでは、なかなか論文にならないと思う。せめて性年齢で調整するだとか、信頼区間を計算するだとか、統計解析の香りが欲しいところである。(まだ途中です)

ExcelやPython

(まだ途中です)

脚注

(注1)この姿勢は、集計表を用いた二次分析に限ったことではないけど。ちなみに、本来ならば、集計表ではなく、個票データが広く使える世の中になればいいと思っている。