金喰いガラパゴス
−日本には本来の意味での医薬分業など存在しない−

●オーストラリア・英国に見る本来の医薬分業:
売薬利権も予防接種利権も手放した(というより元々持っていない)医師会
「オーストラリアでは医者は薬を売りません」
 これはシドニーで開業なさっているDr David Torii(鳥居泰宏先生)にお目にかかった時の最初の言葉である.日本で長らく精神疾患の診療を受けてからシドニーにやってきた日本人のほとんどが,多種類の向精神薬を処方されていることに悩まされ続けてきた鳥居先生の言葉は,日本の医師が持っている売薬利権について改めて考える機会となった.日本には医薬分業などそもそも存在しない。

日本で「医薬分業」と称しているのは,売薬利権を「調剤権」という名にすり替えた「金喰いガラパゴス」に過ぎない医師会と殴り合う度胸もなく,患者から収奪するだけの薬剤師会よ!恥を知れ!!「日本型」(エセ)医薬分業を巡っての,空虚な押し問答

「調剤権」=ロボットでもできる仕事に27倍もの手数料をふっかける金喰いガラパゴス医薬分業薬局調剤料は院内の27倍、諮問会議で民間議員資料 コンビニより多い薬局数も指摘、リフィル処方推進 キャリアブレインマネジメント 2019/4/17) 

●調剤以外に薬剤師がやるべきことは山とあるのに,若くて有能な人材にそれをやらせようとしない.教育・人材育成を放棄した薬剤師会の爺どもよ!恥を知れ!!調剤は伝統芸能なのか? 腰抜け薬剤師会

●一方、薬局でのワクチン注射に象徴される、本来の意味での医薬分業は、患者・医師双方の負担を軽減する。→小泉進次郎のコメント

医者は処方箋を出すだけで,薬を売るのは薬剤師.これが本来の医薬分業である.その意味で,いまだ日本には医薬分業は存在しない.一方,英国や,英国のNHSと同様の保険制度を採っているオーストラリアでは,この本来の医薬分業が徹底している=売薬利権は薬剤師にある.そのため,つまり売薬利権が薬局があるがゆえに,薬局と医師会の間で,薬局での看護師によるインフルエンザワクチン注射を巡ってバトルが起こっている.(*注1) 

●本来の医薬分業を推進するためには,こうして医師会と殴り合う度胸が必要だ
そうして初めて患者も役人も政治家も応援してくれる.もちろん私も微力ながら応援する..なのに,薬剤師会の腰抜け爺どもは調剤利権にしがみつくだけで,患者のために何もせずに金だけふんだくっている!!恥を知れ!恥を!!

患者が薬局で買ったインフルエンザワクチンを,その場で注射してもらえる「サービス」に対して,「病歴聴取のための個室もアナフィラキシーショックへの対応もできない薬局での注射は,プライバシー保護の観点からも医療安全の観点からも好ましくない」と,オーストラリア医師会が「懸念を表明した」という記事である.医師が売薬利権・予防接種利権を握っている日本では全く考えられない紛争である.

Doctors versus chemists in war over flu shot.The Daily Telegraph April 28, 2012
"At Priceline Pharmacy a qualified nurse immuniser can vaccinate you or your entire family in store without the need for a prescription - $30 is all it takes, no prescription required," the website says."
"The AMA has a lot of concerns with pharmacies offering vaccinations," said Dr Hambleton. "There is no privacy. Patients need to be made aware of possible side effects and discuss their medical history. What private room can a pharmacy offer a patient?"

オーストラリアにおける地域薬局の活動については,下記の総説がよくできているので,お勧め.
The impact of clinical services provided by community pharmacies on the Australian healthcare system: a review of the literature. Journal of Pharmaceutical Policy and Practice 201811:22. https://doi.org/10.1186/s40545-018-0149-7

*注1 これは2012年の記事だが,この問題はその後もくすぶり続けているようであり,少なくとも2017年の秋の時点でも,オーストラリア医師会は,薬局でのインフルエンザ注射は「好ましくないsecond best option」としている.→AMA say getting a flu jab at the pharmacy is a 'second best option' The Canberra Times 17 April 2017 医師会が如何なる懸念を表明しようと,患者にまともな医薬品リテラシー,リスク・ベネフィットバランスを持っていれば,診療所で発行された処方箋を持って薬局に行き,購入したワクチンを持って,また診療所まで行って注射してもらうような面倒な真似は決してしないだろう.つまり薬局でのインフルエンザワクチン注射は無くなるどころか当然のサービスになっているはずである.

一方,NHSのご本家英国では,たとえば大手薬局チェーンのBootsはNHSでflu jabが打てる.さらに高齢者の介護をしている人なら無料!とまで堂々と宣伝しているが,何の問題にもなってない.Bootsのようなドラッグストアだけではなく,ASDAやTESCOのような,店内に薬局を持っているスーパーマーケットでも接種が受けられる.

●日本におけるイカサマ医薬分業:処方権・調剤権とやらは,共に患者からの搾取である
処方も調剤も金輪際,権利ではない。患者に対する義務である本来の意味での権利を持っているのは患者の方だ。それも「薬を購入する権利」である.何しろ金を払うのは患者の方なんだから.それに対して医師が持っているのは薬を売って収益を上げる利権に過ぎない.問題の本質は,バルサルタン問題に象徴される売薬利権を「処方権」と偽装している医師会と,その偽装を許している腰抜け薬剤師会にある.(調剤権と処方権の格差の元凶は薬剤師会にあり) 

医者を増長させた売薬利権
本来は,医師にも薬剤師にも薬を売って儲ける権利などない.何となれば,薬を造ったのは製薬企業だからだ.そしてその審査をしたのは国だからだ.医師には処方箋料,薬剤師には薬剤指導管理料があれば十分だ.売薬利権による収益は,本来企業と国庫に入るべきなのである.そもそも,やれ処方権だ,やれ調剤権だと偉そうなことを言いながら,お医者様も薬剤師様も自分が売った薬で何か不都合が起こっても,一切責任を取らなくてもよろしい仕組みさえあるではないか.副作用被害救済制度

売薬利権が医者を増長させた何よりの証拠が,「薬害」である.スモンを生んだのも,イレッサの副作用を大量に作り出したのも,売薬利権である.「薬の専門家」を自称するお医者様達が,「副作用の無い素晴らしい薬」として売りまくり,副作用被害が拡大した.ところが,「薬害」に関して,「市民団体」はただの一度も医師会にも薬剤師会にも喧嘩を売ったことはない.マスメディアも市民団体も製薬企業と役所だけをつるし上げ,処方したお医者様達にも,もちろんお医者様の言う通りに調剤した薬剤師にも,何のお咎めもなかった(*注2).

売薬利権の最大の害は,市民だけではなく, 医師・薬剤師からも,医薬品リテラシーの芽を摘み続けることである.製薬企業の営業社員からちやほやされて悦に入っているお医者様は,起訴独占権を持つが故に司法記者からちやほやされて悦に入っている検事同様,裸の王様そのものだ.最も重大な問題は,この売薬利権問題が,肝心の薬の購入者であり,支払基金を支えている納税者でもある,患者,市民に全く周知されていないことである.

*注2:ただし,それは「市民団体」やマスメディアに個人の責任追及はしないという良心があったからではない.単に刑事裁判では,組織を被告にできないからだ.だから,血友病 HIV/AIDS問題では徹底的に役人,医師個人をつるし上げたのだ.

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自民・小泉厚労部会長、予防接種「病院に行く必要があるのか」 Medifax digest 2019年3月13日

自民党の小泉進次郎厚生労働部会長は9日、地元の神奈川県横須賀市で開かれた学術集会で長堀薫・横須賀共済病院長と対談し、医師の働き方改革でタスクシフト(業務移管)が論点になっていることに触れながら、海外では薬局で予防接種を実施している例もあるとして、「本当に予防接種まで病院に行かなければいけないのか」と問題提起した。この冬のインフルエンザの流行にも言及し、感染症の患者もいる医療機関に予防接種のために健康な人が訪れれば、感染リスクが高まるとも指摘した。
小泉氏は、医師の働き方の現状について「ものすごい長時間労働の方がいる」と問題視。医師の負担軽減に向けて課題となっているタスクシフトとは「医師にしかできないことを医師に、看護師・薬剤師ができることは看護師・薬剤師で」という意味だと説明し、もっと取り組みの余地があるのではないかとの認識を示した。
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真の医薬分業=売薬利権の委譲=処方箋発行と売薬利権の分離は,ポリファーマシーと医療費を共に抑制する
ポリファーマシーも医療費も医師の診療行動によってドライブされた結果である.その診療行動に影響する最強の要因は診療報酬である.国民医療費に占める薬剤費の割合が2割強であることを踏まえると,真の医薬分業となる,薬剤師への売薬利権の委譲は,ポリファーマシーと医療費を共に抑制することになる.なんとなれば,高い薬をたくさん売ろうという動機付けが医師の頭の中から消失し,フォーミュラリ−に沿って処方するようになるからだ(*注3).これは世界的に見れば,決して画期的なことではなく,オーストラリアはもちろん,ニュージーランドでも,英国でも,伝統に行われてきた,本来の医薬分業である.

*注3:なお,日本が盲目的にお手本にする合衆国では,日本と同様に医師が売薬利権を持っていたのだが,こちらは彼の国特有のえげつないそろばん勘定,つまり,保険会社が指定するフォーミュラリに反した処方に対しては支払いを行わないことによって,医師から売薬利権の旨味を奪う作戦が展開され,それなりの効果を上げているようである.→アメリカ発:処方への影響力を失った医師と4割減のMR

日本型医薬分業の解説
翁百合 医薬分業政策の評価と課題 JRIレビュー Vol.11,No.30(2015年11月25日):日本型の医薬分業を表面的に論じるだけで,売薬利権とその委譲については全く触れていない.
川渕孝一 日本の医薬分業は本当に患者のためになっているのか (日医総研ワーキングペーパーNo27, 2001年6月):著者が今世紀初頭から一貫して「患者のためになっているのか?」を問い続けていることがわかる。医薬分業に関する議論がどのような経緯で始まったのかを知るために非常に役立つ論説である。下記は抜粋。
『日本薬剤師会は、「患者負担金の増加」や「二度手間」のデメリットを上回る医薬分業のメリットがあるとしている。それは、@多剤投与に由来する相互作用や 重複投与を“かかりつけ薬局”として責任を持ってチェックし、事故発生を未然に防げること、A氾濫する医薬品情報の中から、それを服用(使用)する患者が 適切な情報提供を受けられること、の2つである。しかし、これらは果たして病院薬剤師が提供できないサービスなのだろうか。院外処方せんのどこを見ても病名コード等は書かれていないが、開業薬剤師は病名なしでどうやって患者に適切な情報提供をできるのだろうか。むしろ、病院薬剤師の方が院内システムにアクセスしやすいので個々の患者の病歴と薬歴の一元管理ができるのではないだろうか。』
川渕孝一 医薬分業における規制の見直しについて 2015年03月12日 規制改革会議 公開ディスカッション(医薬分業)

「日本型」(エセ)医薬分業を巡っての,空虚な押し問答
本来の意味での医薬分業を理解していない人々によって空虚な押し問答が繰り返されている.馬鹿馬鹿しいこと,この上ない.時間の無駄!!

四面楚歌の「金喰いガラパゴス」医薬分業 2019年5月1日
医薬分業は失敗、「一定程度は院内処方に回帰を」  日医・中川副会長 2019年2月4日
敷地内薬局「圧倒的に好評」‐薬剤師会の反対には不快感 2018年10月10日
「医薬分業自体を見直す時期」、中川日医副会長 m3.com 2018年7月25日
日本医師会ら「医薬分業の検証を」“薬機法”部会で保険医療への厳しい意見が相次ぐ 薬局新聞 2018年4月18日
中川日医副会長、「医師の処方権と薬剤師の調剤権、全く違う」日薬大会での健保連幸野氏の講演、問題視 2016年10月19日

ロボットに調剤報酬を払えば済むこと
AIが医者の診断に取って代わる時代である.調剤なんてとっくの昔にロボットがやっているはずのこと.
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【大阪府薬】藤垣会長、調剤報酬への影響を懸念‐非薬剤師業務の通知で  薬事日報 2019年4月11日 (木)
大阪府薬剤師会の藤垣哲彦会長は8日の定例会見で、厚生労働省が2日付で発出した非薬剤師業務の考え方を整理した通知について「歓迎している薬剤師と、そうでない薬剤師が半々くらいではないか」と感想を語った。否定的な見解としては、調剤料の引き下げなど調剤報酬に影響することが懸念されるという。

通知では、薬剤師の目が届く場所で医薬品を取り揃える行為は「差し支えない」とするなど、非薬剤師の基本的な業務の考え方が明示された。それによって非薬剤師を現場で活用しやすくなると歓迎している声がある一方、調剤報酬への影響を懸念する声もある

【都薬】非薬剤師業務の動向注視‐石垣会長、対人業務特化で期待感
 薬事日報 2019年4月18日 (木)
東京都薬剤師会の石垣栄一会長は12日の定例会見で、2日付で厚生労働省医薬・生活衛生局から、薬剤師が調剤に最終責任を持つことを前提に薬剤師以外の者が行うことができる業務の基本的な考え方を整理した通知が発出されたことに言及。通知をきっかけに、非薬剤師ができる業務が制限なく増えることにならないよう注視していく必要性を強調した。

今回の通知について、石垣会長は「われわれ個店の薬局から見ると、より対人業務に特化した対応ができるのではないかという期待感がある」とした一方で、「この通知によって非薬剤師ができる業務というものが制限なく増えるきっかけにならないよう注視しなくてはならないと思っている」とも述べ、「喫緊の検討課題ということで役員会で議論する」との考えを示した。
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四面楚歌の「金喰いガラパゴス」医薬分業
眺望 医薬街道 病院前の景色「まだ」変わっていない 医薬経済 2019/5/1 近藤正觀
 塩崎恭久厚生労働相(当時)は15年、門前薬局の乱立に業を煮やし「病院前の景色を変える」と豪語したが、まだまだその景色は変わっていないのが現実だ。4月10日の政府・経済財政諮問会議で民間議員4人は「新経済・財政再生計画の着実な推進に向けて(社会保障制度改革)」と題した提言で、20年度診療報酬改定に関し、調剤報酬にターゲットを絞った指摘をしている。(中略)
 この景色を変えるためには荒療治が必要になる。諮問会議では「調剤基本料は役目を終えた」「調剤技術料はサービスの価値の如何を問わず費用を補填」する仕組みになっているなど厳しい意見が出た。
 患者はなぜ分業が必要かを深く知らないし、薬局の付加価値も実感していないのではないか。医療機関でもらっていた薬剤を薬局でもらうようになったくらいの認識ではないか。
 国家財政が逼迫するなか、医療費は適正に抑えるべき項目となる。このなかで調剤薬局は患者の治療や健康への付託に寄与する役割を果たす時期がきている。単に処方箋に記載された薬剤を調剤すればいいという調剤薬局は不要だ。処方箋に疑義があれば、積極的に医師に意見すべきだ。
 諮問会議の資料には、院内処方と院外処方の比較例が示されている。診療所の高血圧・糖尿病・不眠・胃炎の28日処方の例では院内の320円に対し、院外処方は3450円で、約10倍となる。多額となる理由は「調剤料の2400円」が大きい。薬局は調剤技術料とは何か、どうして院外処方は費用が高くなるのか、説明責任がある。今の医薬分業はコストパフォーマンスが低過ぎて、患者は分業のメリットを感じていない。患者の話をよく聞き、併用する薬剤の情報を聞き出し、患者の健康寿命に貢献する薬局像が求められる。
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医薬分業は失敗、「一定程度は院内処方に回帰を」  日医・中川副会長 日刊薬業 2019/2/4
日本医師会の中川俊男副会長は、厚生労働省の厚生科学審議会・医薬品医療機器制度部会が取りまとめた医薬分業に関する報告書についてじほうの取材に応じ、あらためて「一定程度は院内処方に回帰すべきだ」と主張した。薬局の調剤関連技術料が2兆円近いことに対し、現在の薬局が果たしている役割にそれほどの「価値はない」と断じ、医薬分業は失敗しているとの認識を示した。その上で、医療機関の薬剤師がチーム医療の中で果たす役割は大きいとし、調剤を含む院内での薬剤師業務に「(調剤から)財源を充てるべきだ」と語った。

診療報酬の改定財源(医科1:調剤0.3)で、調剤に対する配分自体が「高い」とし、その点を変更しないのであれば、その中から院内調剤に財源を充てるよう提案した。医薬分業を進めることで医療機関の薬剤師が「より輝く」はずだったが、現状ではそうなっていないと指摘。所属に関係なく全ての薬剤師が評価される仕組みにすべきだとした。その方が国民の理解も得られるとの見解も示した。
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敷地内薬局「圧倒的に好評」‐薬剤師会の反対には不快感 国立大学附属病院長会議 薬事日報 2018年10月10日
■国立大病院長会議が調査
国立大学附属病院長会議は5日、敷地内薬局の設置状況を調査した結果、4国立大学病院で設置されていることを公表した。設置準備中と検討中を含めると16大学に上り、国立大学病院の約3分の1の敷地内に薬局が設置される可能性があることが分かった。同会議の山本修一常置委員長(千葉大学病院長)は記者会見で、患者アンケートから「圧倒的に好評をいただいている」と述べ、日本薬剤師会などからの反対論には「政府が認めた規制緩和に沿っていることであり、法に触れることはやってない。なぜ怒られるのか分からない」と不快感を示した。
敷地内薬局の設置は、政府の規制改革会議による答申を受けて、薬局の経営の独立性確保を前提として、2016年10月から解禁されたもの。今回、同会議が各大学における設置状況を調査したところ、千葉大学、新潟大学、島根大学、滋賀医科大学の4大学病院で敷地内薬局が設置されていることが分かった。敷地内薬局の設置を準備中の大学病院は6病院、検討中の大学病院も6病院あり、これらを含めると、国立大学病院の約3分の1に敷地内薬局の設置が広がる可能性がある。
また、千葉大学病院の敷地内薬局を利用した患者に対し、今回の規制緩和についてアンケート調査を行ったところ、敷地内薬局の設置を「良い」と回答した患者が98.8%に上り、敷地内薬局を利用した理由については「病院の近くにあるから」が83.5%と最も多く、次いで「たまたま目に入ったから」10.6%となり、「体調が悪い時、天気が悪い時など近い方がありがたい」などと利便性を感じていることが明らかになった。
こうした状況に対し、日本薬剤師会などは国立大学病院における敷地内薬局の設置に反対姿勢を示しているが、山本氏は「敷地内薬局は、患者さんにとって利便性が圧倒的に高い」と強調。「政府が認めた規制緩和に沿って設置しているのであって、法律に触れることはやっていない」と反論した。
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日本医師会ら「医薬分業の検証を」“薬機法”部会で保険医療への厳しい意見が相次ぐ 薬局新聞 2018年4月18日
医薬分業は瀬戸際に立たされている。平成30年度第1回目の医薬品医療機器制度部会が厚労省で開催された。いわゆる販売制度改正の見直しを行うために開催された同部会であるが、予想外の保険医療の議論が沸き上がった。検討テーマに薬局・薬剤師のあり方が盛り込まれ、日本医師会が門前型医薬分業に対して意見したことにより議論は白熱。冒頭のコメントは患者団体の委員が発言したもので、調剤報酬改定では調剤バッシングが峠を越えた印象にあるなか、まだまだ業界への逆風は厳しいことを薬局・薬剤師が認識する必要がありそうだ。部会は7月を目途に論点整理を行い、年内に取りまとめる。

●数十分間に及んだ想定外の議論
厚労省で開催された平成30年度第1回『医薬品医療機器制度部会』。議題は(1)医薬行政をめぐる現状と課題(2)医薬品製造販売業者等が行う医薬品等の販売に関する情報提供の適正化についての2テーマが設定され、さらにここから個別検討項目が挙げられた。

(1)では「改正法の施行後5年を目途とした検討」が掲げられ、これに関連して「革新的な医薬品・医療機器等への迅速なアクセス確保・安全対策の充実」「医薬品・医療機器等の適切な製造・流通・販売を確保する仕組みの充実」「薬局・薬剤師のあり方・医薬品の安全な入手」の3項目を各論テーマとした。

ところが、あまりに広範囲に及ぶ検討内容であるため、委員からは検討に向けた説明を求める場面が冒頭にあった。これに対して厚労省及び座長は、今後具体的に議論するために幅広い意見を提示してもらうことを求めた。
このような方針を受けたことで、日本医師会は薬局・薬剤師のあり方について具体的な主張を行った。
中川俊男委員(日医副会長)は医薬分業で調剤薬局チェーンが莫大な利益をあげ、株式で利益を還元していることについてどのように考えるのかなどといった問題提起をしながら、「患者は分業のメリットを感じておらず、制度稼働当初に掲げた理想とかけ離れた現状になっている。制度を大局的に議論することが必要ではないか。営利企業である大手調剤チェーンが莫大な利益を得て、内部留保を毎年蓄えていく状況の中で、表面的なきれいごとだけを議論してはダメだ」との考えを述べた。
さらに「具体的に言うと、院内処方に回帰する動きがもっとあっていい。こうした論点をこの検討会に加えるべきだ。現状の医薬分業は限界がきている。弊害のほうが大きい」と語り、かねてから日医が主張する考えを制度部会で議論することを求めた。
これに対して乾英夫委員(日本薬剤師会副会長)は、「確かに処方箋受取率は7割を超え、ある意味当たり前になった。分業のメリットは安全な薬物療法の確保であり、医師と薬剤師が専門性を発揮するもの。利便性や経済性だけで判断されるものではない。院外であれば医師は医薬品の備蓄に捉われることなく、適切な処方が可能になる。また高齢者が複数の医療機関にかかっても薬局で一元的に管理できるし、在宅での残薬調整も可能だ。ひと昔前に言われた、薬漬け医療は死語になった」とした。
医師・薬剤師の討論状態のなか、山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)も医薬分業に対する危惧を表明した。
「乾委員の言うような一元管理が実現している薬局はまだまだ少なく、機能を果たせていない薬局が多いことが問題だ。医薬分業の是非は言わないが、制度が瀬戸際にきていると感じている。前回の調剤報酬改定でかかりつけ薬剤師指導料が登場したことにより、半ば強引に同意を取らされたような相談の電話は多い。患者のストレスになっていると聞いている」と話し、医師会だけでなく患者側からも現状の門前型分業に著しい不満が述べられた格好だ。その一方、山口委員は薬剤師が職能を発揮するためには、処方箋などから得られる情報が不足している部分もあるとし、「処方箋に疾患名を入れることも検討してはどうか」とも付け加えた。
本来のテーマとかけ離れた議論が展開されたことで座長は「医薬分業を議論するのではなく、テーマの取扱いについて検討していただきたい」と述べ、事実上の議論の打ち切りを宣言することで収集したが、制度改正議論を前に、医師会のみならず、患者・生活者側からも現状の医薬分業制度に苦言が呈されたことは今後の波乱を呼ぶ導火線になるかもしれない。
なお、予定された時間を超過したため、個別の議論は次回(5月)の同部会で意見交換を深めていく。
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中川日医副会長、「医師の処方権と薬剤師の調剤権、全く違う」日薬大会での健保連幸野氏の講演、問題視 M3.com レポート 2016年10月19日

 「医師の処方権と薬剤師の調剤権は、どの辺りでバッティングするのか、全く違う。処方は、医師法に基づいた医師の権限であり、薬剤師は医師の処方に基づいて、薬を調剤するのであり、そこにどんな格差が生じるのか、意味が分からない。『医薬分業をゆがめている』というのは、非常におかしな話だ」
 10月19日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の席上、語気を強め、問題視したのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。怒りの矛先は、支払側委員の健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏だ。幸野氏が、10月10日に名古屋市で開かれた第49回日本薬剤師会学術大会で講演、「薬剤師の調剤権を医師の処方権の間に格差があることを問題視し、同等に近づけることが、2018年度診療報酬改定の重点課題の一つ」などと発言したことの真意を、中川氏は質した。
 幸野氏は、処方せん欄に「後発医薬品への変更不可」欄があること自体が問題であり、残薬管理なども医師に疑義照会するのではなく、薬剤師の判断で対応することなどが、「調剤権の拡大」の意味であると説明。病状が安定した患者はリフィル処方で対応すれば、医療費の適正化にもつながる、などの持論を展開した。
 一方、中川氏は、患者を診察して薬物治療の要否や処方薬を決めるのは、医師法で認められた医師の権利であり、医師の処方に基づき調剤するのが薬剤師の役割であるなどと主張。
 「幸野発言」問題は、この日の中医協総会の議題ではなかった。両者の意見は平行線をたどり、医師の処方権と薬剤師の調剤権に対する考え方の相違が際立ったまま、議論は時間切れで終了した。

幸野氏「中医協委員でなく、個人的な発言」
 中川氏は、まず幸野氏に対し、日本薬剤師会学術大会の講演で、「医師の処方権があまりに強いために、薬剤師の調剤権との格差があり、医薬分業がゆがんだ形態になった」「薬剤師の調剤権の拡大、強化が、次期診療報酬改定の重要課題に位置付けたい」などと発言したことは、事実か否かを質問。
 幸野氏は講演の事実は認め、中医協委員ではなく、健保連理事として、以前からの持論、私見を話したと説明。「医師の処方権と薬剤師の調剤権の間に格差が生じていると感じている。医薬分業は約40年前から始まったが、調剤権の拡大がないままに、地理的な優位性のみで分業してきたために、薬剤師の本来機能が失われた」などの内容だったという。2016年度診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師の機能が評価されたこともあり、「医薬品については、薬剤師は専門家。医師と同等の立場で調剤権を発揮できるように、頑張ってほしいというエールを送るつもりだった」(幸野氏)。

中川氏「処方権と調剤権、全く違うもの」
 この回答に対し、中川氏は、「健保連理事の立場」と部分を問題視。学術大会という公の場での講演であり、かつ「次期診療報酬改定の重要課題とする」とまで言及している以上、中医協委員の立場での講演であり、「個人的な見解、では通用しない」と指摘した。
 その上で、「医師の処方権と薬剤師の調剤権は、どの辺りでバッティングするのか、全く違うもの」と問いかけた。「医師が処方する権利は、医師法に基づいている。薬剤師は医師の処方に基づいて、薬を調剤するのであり、そこにどんな格差が生じるのか、意味が分からない。『医薬分業をゆがめている』というのは、非常におかしな話だ」(中川氏)。
 幸野氏は、(1)処方せんに、「後発医薬品への変更不可欄」があるのは問題で、医師は一般名処方をし、薬の選択は薬剤師が行うべき、(2)残薬を確認した場合には、医師に疑義照会せずに、薬剤師自らが判断すべき――などの例を挙げ、この意味で「調剤権の拡大」を提言していると説明。「病名に対して、薬を決めるのは薬剤師だ、という意味ではないが、医師が処方したものに対して、薬を選択していくのは薬剤師の仕事だ、という意味」(幸野氏)。
 この回答に対し、中川氏は再び反論。「患者を診断して、どんな治療をするかを、資格として認められているのは医師であり、薬剤師には認められていない。どの薬を使うかも、医師が決める。『一般名で処方して、どの薬を使うかは、薬剤師が判断する』というのは、暴論に近い。患者を診察しない薬剤師が、どのようにして使う薬を判断するのか」。
 これらのやり取りに、日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、次のように発言した。「調剤権の拡大ではなく、薬剤師が調剤する上で、どんな義務を負っているのかを考えていくことが必要。医師の負担軽減が重要視される中で、医師と薬剤師がお互いの理解と連携の中で、それぞれが機能を発揮する、役割を果たすことが求められている」。

中川氏と幸野氏、リフィル処方でも意見対立
 反対に、幸野氏は、「門前薬局が本当に医薬分業の正しい姿なのか」と中川氏に問いかけた。「立地優先のビジネスモデルに変わってしまった」と幸野氏は述べ、セルフメディケーションなどを支え、医療機関に受診する前に患者が利用できるような薬局が在るべき姿であるとした。
 中川氏は、セルフメディケーションについては、「話が違う議論」と切り捨て、「本来薬剤師がやるべき業務、役割を果たすことが第一」と安部氏の発言を支持。医薬分業については、「大賛成ではなく、むしろ患者にとってデメリットも多い。しかし、国の政策として進めてきた以上、できるだけ支障のないように改善していきたい」と回答した。
 話を幸野氏の講演に戻し、「リフィル処方が導入されれば、再診料や処方料が不要になるから、医療費が削減される、とまで言っている。これも看過できない。医科の技術料が調剤料に移行するだけで、医療費は削減されない。慎重な発言をお願いしたい」と中川氏は問題視した。
 幸野氏はこれに対し、次のように回答した。「リフィル処方は絶対に悪くない制度だと思う。病状が安定し、薬剤師の範疇で管理できる患者については、リフィル処方で管理するのが在るべき姿。なぜ毎月、医療機関を受診して、再診料や処方せん料を払わなければいけないのか。保険者から見れば、疑問。病状が安定している患者については、そうした仕組みを入れて医療費に適正化につなげるのは当たり前の考え方」。
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腰抜け薬剤師会
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