広島大学医学部医学科同窓会 広仁会 関東甲信越支部会

フェニックス医療講座

第14回「人生を決める5分間-私の経験-」 2019. 7. 6

中西 敏雄 先生

日時:2019年7月6日(土)16:00より

人間、生きていれば様々なリスクに曝されます。細菌、ウイルス、ガン、メタボなどの病気、交通事故、テロなどたくさんのリスクが我々を襲います。60代を過ぎると同級生でちらほら他界する人がでてきます。命にかかわるリスクのみならず、男女関係や金銭関係のリスクもあります。仕事上のリスクもあるでしょう。私は、小児の心臓の病気を診断、治療するというかなりリスクの高い職業を45年間続けてきました。確実にリスクを予想し回避できればよいのですが、なかなかそうはいきません。でも5分先のリスク、または5分間考えて何かを決定すると、もしかしたら、かなり人生のリスクを減らすことができるかもしれません。私の歩んできた小児循環器医としてのつたない人生をお話ししたいと思います。

講師プロフィール

講師:中西敏雄(なかにし としお)

島根県安来市布部村出身
1974年 広島大学医学部卒業
1974年 広島大学付属病院 小児科研修医
1975年 東京女子医科大学 循環器小児科医師
1976年 カルフォルニア大学ロサンゼルス校小児循環器科フェロー
1983年 東京女子医科大学循環器小児科医師
2008年 東京女子医科大学循環器小児科 教授
その後、日本小児循環器学会理事長などを歴任
2015年 東京女子医科大学 循環器小児科特任教授
2018年 日本心臓血圧研究振興会 国際細胞免疫研究センター所長
2019年 合同会社 シャトー布部ワイン 代表

第13回「医療、医療費、医療保険について」 2019. 3. 23

岡本 浩二 先生

日時:2018年3月23日(土)16:00より

私たちは、普段から当たり前のように医療機関にかかり、医療保険を使って医療費を支払っています。しかし、知っているようで、意外に知らないことも多いのが日本の医療制度や医療保険制度ではないかと思います。

また、国では団塊の世代がすべて75歳以上になる2025年に向けて「地域包括ケアシステム」の構築が課題になっています。
今回、日本の医療制度や医療保険制度の特徴や「地域包括ケアシステム」の基本について、紹介したいと思います。

講師プロフィール

講師:岡本浩二(おかもと こうじ)

福山市出身
1983年 広島大学医学部医学科卒業
1983年 厚生省入省

その後、環境庁、科学技術庁、文部科学省、宮崎県庁、福岡県庁などに勤務

2013年 4月 厚生労働省東海北陸厚生局長
2015年 10月 厚生労働省関東信越厚生局長(2016年9月退職)
2017年 4月 埼玉県川口市役所健康増進部理事
2018年 4月 埼玉県川口市保健所長

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第12回「医療における病理医の役割」 2019.1.26

下 正宗 先生

日時:2019年1月26日(土)16:00より

 日本人の死因の第一位は「がん」です。厚生労働省の統計では、「悪性新生物」と記載されています。
 がんの診療のはじまりは、がんであることを診断することです。そのかなめにいるのが病理医です。病理医の診断をもとに、手術、化学療法、放射線療法などの治療がはじまります。また、がんの種類によっては、治療のモニターも行います。
 がんの診断の方法も形態診断から、その機能も分析する時代になってきています。
 コンパニオン診断といわれていますが、どの薬が効くのかということも病理の仕事になっています。
 がんばかりでなく、さまざまな臓器の傷害の程度を評価し治療方法に示唆を与える仕事をしています。
今回は、がんの診断を中心に病理医の仕事をご紹介したいと思います。

講師プロフィール

講師:下 正宗(しも まさむね)

1984年医学部卒業
医療法人財団東京勤労者医療会 理事長代理
東葛病院 病理診断科/臨床病理科科長
病理専門医/臨床検査専門医/細胞診指導医
著書に「エビデンスに基づく検査データ活用マニュアル」(共著)、
「看護に生かす病理学」、「正常画像と比べてわかる病理アトラス」(共著)など

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第11回「統合失調症‐診断と治療、周囲の人に望まれる対処法について」
2018. 9. 29

黒田 治 先生

日時:2018年9月29日(土)16:00より

講演内容

 統合失調症は、およそ100人に1人弱がかかる、頻度の高いこころの病気です。幻覚や妄想という特徴的な症状がみられます。それと同時に、他者と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴をあわせもっています。かつては早発痴呆とか、精神分裂病と呼ばれ、「話が通じなくなる」「不治の病」といった誤ったイメージを持たれていましたが、実際には、発症した後も、こころの働きの多くの部分は保たれ、多くの患者さんが回復していきます。新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩によって、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復を期待できるようになりました。高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同じように、早期発見や早期治療、薬物療法と心理社会的ケア、本人と家族の協力、再発予防のための治療の継続が大切です。講演では、統合失調症の診断や治療に関する基本的な情報をお伝えするとともに、家族や周囲の人に望まれる対処法についてもご紹介したいと思います。

講師プロフィール

黒田 治(くろだ おさむ)

経歴
1988年広島大学医学部卒業
1988年東京都立松沢病院 臨床研修医
1990年八王子医療刑務所 法務技官
1996年英国ロンドン大学キングス・カレッジ精神医学研究所留学
1998年八王子医療刑務所 法務技官
2003年東京都立松沢病院 精神科医長
2009年東京都立松沢病院 精神科部長
現在に至る
専門分野

臨床精神医学、司法精神医学

資格

精神保健指定医、精神保健判定医、日本精神神経学会専門医、日本精神神経学会指導医

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第10回「麻酔無しで手術を受けられますか?―麻酔は危険?―」2018.5.26

菊地 博達 先生

日時:2018年5月26日(土)16:00より

講演内容: 無麻酔で手術を受ける人はいません。多くの患者さんから麻酔が恐い、不安だとの声を聞きます。麻酔で死亡する確率と乗った飛行機が墜落して死亡する確率はどちらが高いでしょうか?道を歩いて交通事故にあって死亡する確率よりも低いです。新聞紙上で麻酔の事故で死亡したとの記事が見かけられます。実際はどうでしょうか?
 国の許可なしで、自分が麻酔科医であると名乗る事はできません。専門医制度は昔から設立されています。麻酔は非常に危険です。麻酔科の専門医が担当する事で、麻酔を安全に受けることができます。
 麻酔とは?どのような種類?どのように安全にしているのか?その歴史は?などなど知って頂く事で、安心して手術を受けて頂けると思います。

講師プロフィール

菊地 博達(きくち ひろさと)

経歴
1962年(S.37)修道高等学校卒業(広島)
1968年(S.43)広島大学医学部卒業
広島大学大学院医学研究科(生化学専攻)入学
1972年(S.47)広島大学医学部附属病院医員採用(麻酔科)
広島大学助手医学部採用(麻酔学)
1974年(S.49)日本電々公社社員採用(関東逓信病院麻酔科勤務)
1976年(S.51)広島大学講師(医学部附属病院)採用(麻酔科)
1978年(S.53)米国エ−ル大学医学部麻酔学教室留学
1983年(S.58)広島大学助教授(医学部)採用(麻酔学教室)
1988年(S.63)東邦大学医学部助教授採用(麻酔科学教室)
1990年(H.2)東邦大学医学部教授採用(麻酔科学教室)
2004年(H.16)埼玉医科大学教授
2011年(H.23)我孫子東邦病院副院長、埼玉医科大学客員教授
2017年(H.29)同上理事長
現在に至る

資格:麻酔科標榜医、麻酔専門医、麻酔指導医、ペインクリニック専門医
   日本麻酔科学会名誉会員、日本麻酔科学会博物館委員会ボード委員
   独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門医

第9回「心臓・血管病の予防、早期発見、そして最新心臓・血管手術」2018.3.31

福田 宏嗣 先生

日時:2018年3月31日(土)16:00より

 講演内容: 心臓・血管病は癌に次ぐ二番目に多い死因です。その心臓・血管病を如何に予防するか?また癌と同じように心臓・血管病でも早期発見・早期治療が非常に重要です。如何に早期発見するか?不幸にも手術が必要と診断された場合、手術は怖いものですが最新の手術は身体に優しい低侵襲手術が増えています。この講演では心臓・血管病の予防、早期発見・早期治療の重症性、そして最新心臓・血管手術について概説したいと思います。

講師プロフィール

福田 宏嗣(ふくだ ひろつぐ)

経歴

1986年3月 広島大学医学部医学科卒業
1986年4月 大阪大学医学部付属病院第一外科(現心臓血管外科)
1998年7月 Green Lane Hospital, New Zealand, clinical fellow
2000年7月 Alfred Hospital, Australia, clinical fellow
2005年6月 KKR札幌医療センター 心臓・血管外科部長
2010年4月 獨協医科大学 心臓・血管外科 主任教授

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第8回「がん」と診断されたら、どうしたらいい? 2018.1.27

田原 信 先生

日時:2018年1月27日(土)16:00より

 がんは、我が国の死因第一位(全死亡の3人に1人)を占め、男性は2人に1人、女性は3人に1人が、がんにかかります。よって、自分自身またご家族が、がんと診断された場合、どうしたらよいか悩まれるのではないでしょうか?やはり、最初の治療が肝心です。担当医師から提示された治療でいいのか?他の病院に相談に行った方がよいのか?自分にとって最善の治療を探す方法は?
今回は、実際に「がん」と診断された場合に、最適な治療を受けるにはどのような対応をしたらよいかについてお話したいと思います。

講師プロフィール

田原 信 (たはら まこと)

略歴

1996年3月 広島大学医学部医学科卒業
1996年4月-1998年5月 広島大学医学部附属病院 内科研修
1998年6月-2001年5月 国立がんセンター東病院 消化器内科レジデント
2001年6月-2004年10月 国立がんセンター東病院 化学療法科 医員
2004年11月-2009年3月 国立がんセンター東病院 消化管内科 医員
2007年10月-2008年3月 MD Anderson Cancer Center 留学(客員助教授)
2012年7月〜 国立がん研究センター東病院 頭頸部内科 頭頸部内科長
2014年4月〜 東海大学医学部医学科客員教授兼任
<資格>
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法指導医
日本がん治療認定機構がん治療認定医

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第7回 「怖い不整脈:心房細動から脳梗塞になることを知っていますか?」2017.11.18

竹中 創 先生

日時:2017年11月18日(土)16:00より

 脳梗塞を起こす患者さんの約1/3は心臓から血の塊が飛んでいるのをご存知でしょうか?この原因になる大半は心房細動という不整脈です。心房内、特に左心房内に血の塊(血栓)を生じる可能性があります。この血栓が飛ぶと、脳梗塞で代表される塞栓症を来たします。
 心房細動を生じると一般人口において極めて罹患率が高く、特に60歳を過ぎると著しく増加の一途をたどります。一般に50歳代では1%未満、70~80歳以上の高齢者においては5~10%程度に認められます。
 今回は、心房細動という脳梗塞を起こすかもしれない不整脈についてのお話をいたします。

講師プロフィール

竹中 創 (たけなか そう)

略歴

平成7年3月 広島大学医学部医学科 卒業
平成7年5月 広島大学病院 内科、平成9年4月 松江赤十字病院 循環器科、
平成12年4月 広島大学大学院 内科学第一、平成14年4月 Chang-Gung Memorial Hospital, Taiwan 留学、
平成16年4月 倉敷中央病院 循環器内科 就職、平成20年3月 横浜総合病院 循環器科 就職、
平成27年4月 戸田中央総合病院 心臓血管センター内科
<資格>
日本循環器学会認定循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定専門医、
日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、臨床研修指導医、
植込み型除細動器研修証・ペーシングによる心不全治療研修証

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第6回 「<暮らしの中の看取り>準備講座」~自分のそのときのことを考えてみる~」2017.9.30

大井 裕子 先生

日時 2017年9月30日(土)16:00より

 「看取り」は私たちの生活から遠ざかり、家族、あるいは自分が病気になって初めてのことに戸惑うばかりです。特にがんは2人に1人がかかる疾患で、もはや特別なことではなくなりました。がんになっても今まで通りに生活している人もたくさんいます。一方で、その時になって「最期」の時のことを考えるのは、むしろ避けたいと思われる方が多いのは当然のことと言えます。しかし、誰もが通る道。知識として知っておいても良いこともたくさんあります。今回敢えてこのテーマを考えるのは、これから先、私たちが人生の最終段階を迎えた時、たとえ誰かの力を借りないといけなくなったときでも、私たちはどう生きるかを選択することができるからです。どんな選択ができるのか、一緒に考えてみませんか?

講師プロフィール

大井 裕子 (おおい ゆうこ)

略歴

1992年広島大学医学部卒業後、広島大学放射能医学研究所腫瘍外科入局。
大学病院、安佐市民病院などで外科研修の後に、2000年広島大学大学院卒業。
安浦町国保診療所で地域医療、在宅医療の経験を積み2004年に東京に移り
2006年6月より東京都小金井市の聖ヨハネ会桜町病院ホスピス常勤となる。
2009年笹川記念保健協力財団の助成を受けオーストラリアの緩和ケア研修を修了。
2011年10月から東日本大震災の被災地支援活動「お医者さんのお茶っこ」
2014年10月から広島県廿日市市で、一般市民と一緒に地域で最期まで安心して暮らすことについて考える「〈暮らしの中の看取り〉準備講座」を継続中。

第5回 「海外旅行時の予防と対処 こんな病気に気をつけろ!」2017.7.29

仲佐 保 先

日時 2017年7月29日(土)16:00より

 海外では、日本にはない病気がたくさんあります。海外旅行では、時差や気候の違いなどから、(自覚していなくても)様々なストレスを受けます。この結果、体の抵抗力が落ち、病気にかかりやすくなってしまいます。アジア、アフリカ、中南米、それぞれの地域には特殊な病気もあります。また、病気によってはすぐに治るものから、一生治療を続けなければならない病気もあります。皆様には、仲佐がこれまでの国際医療協力活動の中で、実際に出くわした病気をカンボジア、エチオピア、ボリビア、パキスタン、ザンビア、ホンジュラスの順で紹介したいと思います。

講師プロフィール

仲佐 保 (なかさ たもつ)

経歴

1980年  3月 広島大学医学部医学科卒
2010年  4月 国立国際医療研究センター 国際医療協力局 国際派遣センター長
2015年10月 国立国際医療研究センター 国際医療協力局 運営企画部長

これまで、カンボジア、エチオピア、ボリビア、パキスタン、ホンジュラスなど、30か国以上の国においての、国際医療協力活動。

学会・研究会認定医等

日本国際保健医療学会 監事

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第4回 「急速に進む高齢化社会と心血管病の予防」2017.5.27

山科 章 先生

日時 2017年5月27日(土)16:00より

 我が国は世界に例をみない超高齢化社会を迎えています。平均寿命は延長しつつづけ、2015年には男性81歳、女性87歳を超えており、高齢化率(65歳以上の人口に占める割合)は26%を超えています。一方で、平均寿命と健康寿命(介護を必要としなくなるまでの年齢)の差は広がっており、その差は男性で約9年、女性で約12年といわれています。高齢化率はさらに上昇(2060年には40%)を続ける一方で総人口は減り続け2060年には9000万人になるといわれています(2015年は1億2700万人)。
 死亡原因をみますと2015年はがんが29%、心臓病が15%、脳卒中が9%ですが、年代別にみると、65歳以後はがんによる死亡は減り、心血管病と呼ばれる動脈硬化を背景とする心臓病や脳卒中などによる死亡が増えます。健康寿命を短くする原因は、運動器の障害、脳卒中や心臓病、認知症が主なものであり、がんの占める割合はわずかです。高齢化がすすむと、寿命や健康を阻害する原因の主体が動脈硬化を基盤に発症する病気となってゆきます。
 本講演では、こういった社会的背景を紹介しながら、どうすれば動脈硬化の進行を抑え、心血管病を予防するかという内容の話をする予定です。ぜひ、参加ください。

講師プロフィール

山科 章 (やましな あきら)

経歴

1970年3月 広島学院高校卒業
1976年3月 広島大学医学部医学科卒
1976年4月 聖路加国際病院内科
1999年4月 東京医科大学循環器内科主任教授
2017年4月 東京医科大学特任教授

学会・研究会認定医等

日本循環器病予防学会理事長
日本内科学会総合内科専門医
日本集中治療医学会専門医
日本循環器病学会専門医

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第3回 「健診、検診、結果を生かすために-結果を読み解くための基礎知識-」2017.4.1

下 正宗先生

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第2回 「腹水は全量抜くと元気になれる!」
~KM-CART(ケー・エム・カート)によるあきらめない癌治療~ 2017.1.28

要町病院腹水治療センター 松﨑圭祐

 癌の進行期には大量の腹水がたまり、強い腹部膨満感や呼吸苦などを生じて患者さんの状態を急速に悪化させます。その結果、抗癌治療の中止だけでなく、患者さんの生きる希望も奪ってしまいます。しかも、『腹水は抜くと弱る』、『腹水は一度に3リットル以上抜くのは危険』が医療界の常識であり、多くの患者さんが苦しんでいるのが現状です。
 私は20リットル以上の癌性腹水も短時間で安全に処理可能なKM-CARTシステムを活用し、積極的に症状緩和に努めています。腹水の全量ドレナージ+KM-CARTによる迅速な症状緩和と全身状態の回復により、抗癌剤投与が再開できて腹水がたまらなくなった患者さんや長期の在宅療養につながった患者さんを経験しています。
 2009年2月から2016年10月のKM-CART症例は膵癌541例、卵巣癌524例、胃癌488例、大腸癌396例など計3407例です。腹水は平均6.5L、最大27.0Lと可能な限り抜水し、平均65分で平均550mlの濃縮蛋白液を作成し、点滴静注しました。施行前後で腹部膨満感や嘔気、呼吸苦などの身体症状、不安、失望感などの精神症状の全10項目、下肢浮腫も有意に改善しました。全身状態、闘病意欲の回復により長期の在宅移行や抗癌治療の再開が可能となり、趣味のゴルフやダンス、旅行が可能になった患者さんもいます。また反復施行により、腫瘍マーカーが低下した卵巣癌患者さんも経験しており、症状緩和だけでなく癌治療にもなります。
 患者さんに強い苦痛を生じる大量腹水に対して、積極的にKM-CARTを施行して症状緩和を図り、“生きる希望”を持てるようにKM-CARTの早期普及に努めています。皆さんにも腹水に効果的な治療法があることを知っていただければ幸いです。

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第1回 「老化に伴う眼の病気いろいろ」2016.11.25

「老化に伴う眼の病気いろいろ」東京大学アイソトープ総合センター 桂 真理

はじめに視覚に関する症状と病変部との関係について説明。次に、下記4つの話題について講演した。

  1. 老眼 調節力の低下によりおこる。メガネ、コンタクトレンズと最近の新しい手術について。
  2. 白内障 水晶体の混濁により起こる視力障害。手術のメリット、デメリット、危険性や術後のメガネの度数などについて。
  3. 加齢黄斑変性症 症状と治療。どのようなケースで治療が可能か、及び、治療の限界。iPS細胞への期待と現状。
  4. 緑内障 どのような疾患か。何がわかっていて、何がわかっていないのか。現在行われている治療の目標と限界。

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