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日本光医学・光生物学会

沿革

日本光医学・光生物学会の沿革

大阪大学大学院医学系研究科
名誉教授(皮膚科学)吉川 邦彦
(初代事務局長、第3代理事長)

誕生の経緯

 1978年8月3、4日の二日間名古屋市港区の港湾会館において光医学・光生物研究会という学術集会が開催された。主催者は名古屋市立大学医学部皮膚科の水野信行教授で、招待講演には当時Photochemistry and Photobiology誌のChief Editorを勤めていたTexas Tech University, Department of ChemistryのPill-Soon Song教授、他に会頭講演と教育講演2題、一般演題50題からなる立派な研究会であった。この研究会は当初水野教授の就任10周年を記念する1回限りの研究会の積もりで企画したものであったが、成功に気をよくした水野先生が継続開催を希望されたため、これが本学会の前身「日本光医学・光生物学研究会」の第1回となった。そして吉川が事務局長、機関誌編集幹事を1984年まで勤めることとなった。

水野 信行 先生 日本光医学・光生物学会の創設者 初代理事長
水野 信行 先生(名古屋市立大学名誉教授)
大正13年―平成4年

 水野先生はその会頭講演「光医学・光生物学会を開催するにあたって」において―そもそも光医学・光生物学の問題は、各専門分野ごとに個々の現象は違っていても、その一つ下の層の発生機構について考えると、共通の用語と概念によって処理することが出来るのであります。近年の分子生物学、光化学、光生物学の発達により、このようなことが可能になったのであります。そのようなわけで、種々の異なった分野の方々が集まって、お互いにそれぞれの立場から他の分野の問題を批判・検討することは、独善的概念をしりぞけ普遍的原理へと導き、また他の分野での研究が自分の分野の新しいテーマの端緒ともなってくると考えるのであります。―と延べられ、光を共通項とした横断的学会組織の必要性を強く感じておられたことが伺える。斯くして誕生した研究会は当初以下の先生方を世話人として活動を開始した。

世話人代表
水野 信行(名市大医 皮膚科)
世話人
馬場 一雄(日本大医 小児科)、菊池 正一(順天堂大医 衛生)、御手洗玄洋(名古屋大環境医学研)、水野 勝義(東北大医 眼科)、小倉良平(久留米大医 医化学)、大城戸宗男(東海大医 皮膚科)、鈴木 孯之(東海大医 分子生物)、武部 啓(京都大放射線生物研)、武田 進(三重大医 病理) 各教授

発足当時の研究会のロゴマーク 発足当時の研究会のロゴマーク
吉川 邦彦 作
機関誌 第1号の表紙 機関誌 第1号の表紙
下方にある会の名称には日本が無く、研究会となっている

その後の経過

第2回目以降の初期の研究会の概略は以下の通りである。

第2回 東京 会頭:鈴木 孯之(東海大医 分子生物)
招待講演:John H Epstein(UCSF皮膚科)Photocarcinogenesis.
教育講演:2題
一般演題:25題
第3回 東京 会頭:馬場 一雄(日本大医 小児科)
教育講演:2題
一般演題:36題
第4回 仙台 会頭:水野 勝義(東北大医 眼科)
教育講演:2題
一般演題:20題
第5回 久留米
会頭:小倉 良平(久留米大医 医化学)
教育講演:2題
一般演題:23題
第6回 津 会頭:武田  進(三重大医 病理)
特別講演
James D regan (Oak Ridge Natl Lab, USA)
Ultraviolet induced DNA damage and hereditary skin cancer.
A演題:4題
B演題:28題
第7回 神戸 会頭:藤原 美定(神戸大医 放射線基礎)
特別講演
Mark A MacInnes (Los Alamos Natl Lab, USA)
Inter species gene transfer for analysis of functions and cloning of DNA repair genes.
教育講演:1題
シンポジウム:1
一般演題:29題

その後の経緯を簡単に纏めおくと、1984年には一層の発展を期し会の名称を研究会から学会へと変更した。1986年のVol.8より機関誌を英文化して国際化を目指した。1990年水野信行先生が教授定年退職に伴い、手塩に掛けて育ててこられた学会理事長を退かれた。以後今日に至る歴代理事長とその任期を以下に纏めて示しておく。

歴代理事長 任期
水野 信行(名古屋市立大教授 医 皮膚科) 1978 - 1990
大城戸宗男(東海大教授 医 皮膚科) 1991 - 1993
吉川 邦彦(大阪大教授 医 皮膚科) 1994 - 1997
市橋 正光(神戸大教授 医 皮膚科) 1998 - 2002
松尾 聿朗(帝京大教授 医分院 皮膚科) 2003 - 2004
堀尾  武(関西医科大 教授 皮膚科) 2005 - 2006
花田 勝美(弘前大教授 医 皮膚科) 2007 - 2009
大塚 藤男(筑波大教授 人間総合科学研究科皮膚病態医学) 2010 - 2013
錦織千佳子(神戸大教授 医 皮膚科) 2013 - 2018
森田 明理(名古屋市大教授 医 皮膚科) 2018 - 2022
清水 忠道(富山大教授 医 皮膚科) 2022 -

1991年第6回国際光生物学会議が京都にて開催された際には、本学会も光生物学協会のメンバー組織の一つとして開催に協力し、吉川が学会を代表して財務委員長を勤めた。光生物学協会は様々な学会の光生物学関係部分の研究者を学会横断的に纏めた連絡調整組織である。水野信行先生は本協会にも積極的に関係し、学会組織に育てたいと思っておられたと思われる。しかしその思いは具体的には進まなかった。
本学会の生みの親、育ての親である水野信行先生は1992年に逝去されたが、その夢と目標は毎年1回の学会開催により次の世代に受け継がれ、今日に至っている。2008年7月には第30回日本光医学・光生物学会が松江市において盛大に開催された。

(2008年7月 学会賞受賞講演より)


教授室での水野信行先生

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