企画主旨
日本矯正歯科学会RTD委員会
RTD開催概要
日 時 | 2012年9月27日(木) 11:45〜13:15 |
場 所 | ホテルメトロポリタン盛岡本館4F 岩手姫神 |
参加費 | 3,000円(昼食代を含む) |
以外のテーブルにつきましては、引き続き参加募集致します。
下記のTEL、FAXまたはEmailにてご連絡下さい。
FAXの場合は、こちらの申込書にご記入の上、ご送付下さい。
日本矯正歯科学会大会事務局
TEL:03-5549-6913
FAX:03-5549-3201
Email:
※満席になり次第終了致します。
各テーブルのご案内
菊池 哲(コスモス矯正歯科医院) | |
02. 日本矯正歯科学会専門医制度について | 伊藤 和明(伊藤矯正歯科クリニック) 島田 正(島田矯正歯科クリニック) |
03. 日本矯正歯科学会認定医を取得して | 三好 健次(三好歯科矯正歯科医院) |
04. 高齢化社会における矯正歯科医の役割 | 菊池 薫(K*デンタルオフィス) |
05. 3Dセットアップモデルの矯正臨床への応用 | 久保田 隆朗(ユアーズ矯正歯科) |
06. 新規保険診療加入の「Oligodontia」「小舌症」 などの病態と治療について |
小川 卓也(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎顔面矯正学分野) |
07. 急速上顎拡大装置による小児気道通気状態の流体解析 | 岩崎 智憲(鹿児島大学医学部・歯学部附属病院発達系歯科センター小児歯科) |
08. 東日本大震災の経験から | 浅野 央男(歯科一番町 SAS矯正歯科センター) |
09. 永久歯先天性欠如をもつ咬合異常の矯正治療の立案 | 佐橋 喜志夫(さばし矯正小児歯科) |
10. 顎裂部骨移植を用いた非補綴的咬合管理 | 平野 吉子(大阪府立母子保健総合医療センター口腔外科) |
11. 矯正歯科受診患者の満足と不満 | 龍野 耕一(たつの矯正歯科クリニック) |
12. タブレット型コンピューターの矯正歯科応用 | 菅原 泰典(医療法人皓歯会 ぷらす矯正歯科) |
01.矯正診断に睡眠検査の導入を
菊池 哲(コスモス矯正歯科医院)
1973年 | 東京歯科大学卒業 |
1977年 | 東京歯科大学大学院修了 矯正歯科専攻 |
2009年 | 日本睡眠学会 理事 |
Sleep and Breathing 2005( 9) 146-158
Makoto Kikuchi Orthodontic treatment in children to prevent sleep-disordered breathing in adulthood
矯正診断システムは顎顔面形態診断が中心となっている。その顎顔面形態は顎顔面に存在する様々な機能によって多大な影響を受けており、今まではその機能として咀嚼機能や嚥下機能が重要と考えられてきた。しかし最近、呼吸機能がクローズアップされてきた。特に睡眠時の呼吸障害が顎顔面形態形成に果たす役割が重要ではないかとの指摘がされている。そこで今回、矯正診断に様々な睡眠検査を実施した症例を呈示し、睡眠検査の導入を提案するものである。
02.日本矯正歯科学会専門医制度について
伊藤 和明(伊藤矯正歯科クリニック)
1973年 | 東京歯科大学卒業、愛知学院大学歯学部矯正学教室入局 |
1979年 | 伊藤矯正歯科クリニック開設 |
2006〜2011年 | 日本矯正歯科学会専門医委員会委員 |
「成長期のClass U 症例に用いるファンクショナルアプライアンスについて」第3回日韓ジョイントミーティング 2010年
「外科的矯正治療を行った上顎前突の3症例」第18回日本顎変形症学会大会 2008年
島田 正(島田矯正歯科クリニック)
1973年 | 日本大学歯学部卒業 |
1979年 | 島田矯正歯科クリニック開設 |
2006〜2011年 | 日本矯正歯科学会専門医委員会委員 |
「専門医制度 -その目指すもの、経過と展望―」第61回日本矯正歯科学会大会 2002年
「矯正歯科専門医制度に関するアンケート調査―矯正患者および保護者に対する調査- 」日本矯正歯科学会雑誌 2003年
日本矯正歯科学会では2006年より専門医制度が実施されており、本年5月現在で294名の専門医が認定されている。専門医審査は、12名の専門医委員会委員(うち1名は外部委員)と各地区から選出された審査委員によって行われている。外部委員以外は全て専門医資格取得者であり、審査は透明性、公平性を旨として全て匿名で行われている。専門医制度、審査の現状をもとに皆様の疑問点や要望を語り合いたい。
03.日本矯正歯科学会認定医を取得して
三好 健次(三好歯科矯正歯科医院)
1978年 | 愛知学院大学歯学部卒業 |
1981年 | 三好歯科医院開業 |
2011年 | 学位取得 愛知学院大学 |
「A BIMAXILIARY PROTRUSION CASE SHOWING LONG-TERM STABILITY AFTER ORTHODONTIC TREATMENT WITH THE LEVEL ANCHORAGE SYSTEM」 Aichi-Gakuin Dental Science Vol.No.21 29〜38 2008
「新しいブラケット材料の研究(第四報)残存率の調査とその原因について」日本矯正歯科学会大会学術展示 2008年
「バーティカルコントロールに留意して治療を行った、ハイアングル骨格性上顎前突症例」 近畿東海矯正歯科学会学術大会 口演 2009年
1:一般開業医が矯正治療を日常臨床の中でどのように活かすのか。
2:矯正歯科学や矯正臨床を真摯に学ぶプロセスとは。
3:バイパス制度受験時の苦労話。
4:一般開業医が行う矯正治療に必要な資料の整理法。
上記について認定医の取得を目指す先生方と一緒になって考え、ディスカッションを行い、参加者皆様の臨床に貢献させて頂くことを目的として企画しました。
04.高齢化社会における矯正歯科医の役割
菊池 薫(K*デンタルオフィス)
1979年 | 日本歯科大学卒業、矯正学教室勤務 |
1987年 | 矯正歯科専門K*デンタルオフィスを開業(東京都渋谷区) |
2002年〜 | 日本歯科大学生命歯学部矯正学講座非常勤講師 |
「矯正臨床の分析結果を用いたセットアップマウンティングモデルの包括的利用」日本補綴歯科学会学術大会 2002年5月
「保定後の安定した矯正治療結果の検証 第二報:骨格性U級症例」東京矯正歯科学会大会 2003年7月
「Interdisciplinary management of Ortho-Perio-Restorative patient」日本口腔インプラント学会総会・学術大会 2004年9月
高齢化社会を迎え、中高年の健康への関心は高い。歯科領域においても、中高年の患者がより良い機能性や、審美的な改善を求めて来院する例が増加しているが、天然歯の重要性が理解されている現在、矯正歯科医療が咬合の再構成を行う上で最優先されるべきであろう。矯正歯科医は、その知識を一般歯科医と共有し、より良質な包括的歯科医療を提示できる。私達もお互いの情報を交換し、矯正歯科医療の明るい未来を語り合いたい。
05.3Dセットアップモデルの矯正臨床への応用
久保田 隆朗(ユアーズ矯正歯科)
1985年 | 神奈川歯科大学院修了 歯学博士 |
1998年 | 神奈川歯科大学矯正学教室講師 |
2001年 | ユアーズ矯正歯科、認定医、指導医 |
訳書:「歯科矯正メカニクス―その普遍性と臨床応用」東京臨床出版 2004年
訳書:「歯科矯正メカニクス―その普遍性と臨床応用U―最新バイオメカニクス」東京臨床出版 2009年
著書:「効率的歯の移動による矯正歯科治療」東京臨床出版 2012年
近年、矯正治療においても3Dセットアップモデルの作成やロボットを応用した治療技術など、デジタル技術の進歩と応用には目を見張るものがある。さらに、コーンビーム断層撮影法(CBCT)の情報を取り入れることで、今までの歯冠中心の考え方から、歯根、歯槽骨、顎関節を含め、統合した治療計画の立案が可能となってきている。そこで、今回このような最先端技術を応用することにより、どのような治療の変革が可能なのか話し合ってみたい。
06.新規保険診療加入の「Oligodontia」「小舌症」などの病態と治療について
小川 卓也(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎顔面矯正学分野)
1998年 | 東京医科歯科大学歯学部卒業、同大学院顎顔面矯正学分野 |
2002年 | Department of Orthodontics, Dental Branch, University of Texas Health Science Center at Houston |
2008年 | 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎顔面矯正学分野 助教 |
「成長期における先天性多数歯欠如 (oligodontia) 患者の顎顔面形態についての検討」 Orthodontic Waves-Japanese Edition, in press
「長期にわたって矯正歯科的管理を行った小舌症の一例」東京矯正歯科学会 2010年
「集学的歯科治療により咬合の確立を図ったoligodontiaの2症例」日本矯正歯科学会 2008年
先天性疾患に起因した咬合異常に対する歯科矯正の保険診療の範囲が拡大しており、これら歯科医療分野の社会的ニーズも増加してきている。しかしながら、それらは非常に複雑な病態を示しており、咬合機能の改善には、補綴科、口腔外科を含めた集学的治療が求められる。今回、平成24年度から保険適応となった『Oligodontia』『小舌症』を中心に、矯正医がどのような関わりをもつべきかを皆様と議論できればと思う。
07.急速上顎拡大装置による小児気道通気状態の流体解析
岩崎 智憲(鹿児島大学医学部・歯学部附属病院発達系歯科センター小児歯科)
1990年 | 鹿児島大学歯学部卒業 |
1994年 | 鹿児島大学歯学部 助手 |
2010年 | 鹿児島大学医学部・歯学部附属病院発達系歯科センター 講師 |
Iwasaki T, et al. Improvement of nasal airway ventilation after rapid maxillary expansion evaluated with computational fluid dynamics. AJODO. 2012
Iwasaki T, et al. Evaluation of upper airway obstruction in Class II children with fluid-mechanical simulation. AJODO. 2011
Iwasaki T, et al. Oropharyngeal airway in children with Class III malocclusion evaluated by cone-beam computed tomography. AJODO. 2009
急速上顎拡大装置(RMEA)は小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対する有効性が示唆されている。しかし、種々の要因で生じる小児OSASでは、RMEAの作用機序を明らかにして適応症を明確にする必要がある。今回、演者は流体解析を用いてRMEAによる鼻腔通気状態と、それに伴う舌位と吸気時の咽頭気道陰圧を評価したので、これらのデータから、RMEAの小児OSASに対する作用機序について皆様と議論したい。
08.東日本大震災の経験から
浅野 央男(歯科一番町 SAS矯正歯科センター)
1973年 | 東北大学歯学部卒業 東北大学歯学部助手(歯科矯正学講座) |
1987年 | 東北大学退職 あさの矯正歯科開設(宮城県仙台市) |
2009年 | あさの矯正歯科閉院 歯科一番町SAS歯科矯正センター(宮城県仙台市)勤務 |
『東日本大震災 東北矯正歯科学会における被害と対応』 東北矯正歯科学会 第5回秋期セミナー 2011年9月
『東日本大震災 東北矯正歯科学会 被害と対応』 第70回日本矯正歯科学会大会 JOSフォーラム 2011年10月
東北地区に甚大な被害をもたらした東日本大震災から1年数か月が経過した。特に被害が大きかった岩手・宮城・福島県の矯正歯科を含む歯科医療における被害状況や震災への対応などについて報告し、その経験を通じて、今後いつ発生するか予測不能な地震を含む自然災害に対し、医院での被害を極力少なくするための備え・準備や災害が発生した時の歯科医師(矯正歯科医)としての対応などについて、皆様と一緒に検討したい。
09.永久歯先天性欠如をもつ咬合異常の矯正治療の立案
佐橋 喜志夫(さばし矯正小児歯科)
1979年 | 岐阜歯科大学(現在の朝日大学歯学部)卒 |
2000年 | さばし矯正小児歯科に名称変更 |
2002年 | 大阪大学大学院歯学研究科卒 |
幼児期からの咬合育成ー見るから診るへ、そして看ること観続けることー、東京臨床出版、2006年
小児における歯列の側方拡大の臨床、第67回日矯大会RTD、2008年
Nasal obstruction causes a decrease in lip-closing force, Angle Orthod., 2011
平成24年4月の社会保険診療の改定に伴い6歯以上の症候性部分性無歯症の咬合異常の矯正治療が保険診療の適用を受けた。永久歯の先天性欠如を6歯以上もつ者は0.6%であった(山崎ら、2010)。また、永久歯の先天性欠如をもつ者は、もたない者に比べて叢生の割合が低く上顎前突、下顎前突、過蓋咬合の割合が高かった(蛭川ら、1999)。そこで、参加者にご持参いただく適用症例から矯正治療の立案について討議したい。
10.顎裂部骨移植を用いた非補綴的咬合管理
平野 吉子(大阪府立母子保健総合医療センター口腔外科)
1988年 | 大阪大学歯学部歯学科卒業、同歯科矯正学講座入局 |
1992年 | 大阪府立母子保健総合医療センター口腔外科勤務現在に至る |
平野吉子他:顎裂部骨移植前の顎裂幅の管理.第21回日本口蓋裂学会,東京,主題講演 1997年
平野吉子他:両側唇顎口蓋裂における2症例の咬合管理−上顎中間顎の整位について−.第34回日本口蓋裂学会,東京,主題講演 2010年
平野吉子他:私の歯列矯正スケジュール―非補綴的・非外科的な永久歯咬合をめざして―.第36回日本口蓋裂学会,京都,パネルディスカッション 2012年
唇裂口蓋裂症例の治療目標は「生涯に渡り、患者自身が管理し易い」咬合の保全と考える。このため、早期に発現する咬合異常の改善に加えて、適期に顎裂部骨移植を施術できるように咬合管理を行い、可能な限り非補綴的な永久歯咬合を賦与することをめざしている。顎裂部の管理方法と症例を供覧し、唇裂口蓋裂治療に感心の深い先生方と治療体系の共有を進めたい。これにより、近医での治療継続など、患者負担の軽減を図りたい。
11.矯正歯科受診患者の満足と不満
龍野 耕一(たつの矯正歯科クリニック)
1990年 | 岡山大学大学院 歯学研究科 歯科矯正学専攻 修了 歯学博士 |
1999・2012年 | 京都大学教育学部 科目等履修生聴講生 臨床心理学 他 終了 |
2012年〜 | 兵庫教育大学大学院 人間発達教育専攻 臨床心理学分野 在籍 |
「骨内埋入合成アパタイト界面の骨髄細胞の動態に関する電子顕微鏡的研究」日矯歯誌 1988年
「光重合型接着剤によるインダイレクトボンディング法とその照射光強度」岡山歯学誌 1997年
「成人矯正歯科臨床におけるホスピタリティー:患者の“こころ”をどのようにわかり受け入れるか」日臨矯誌 2005年
「矯正歯科を受診できる」という患者の行動を支えているのは何だと思われますか? ご家族の目には何が映っているのでしょう?まずは、外科的矯正治療症例において術前後に施行した心理的評価の結果を比較検討することによって、心と身体の関係を考えます。次に心理学の基礎や臨床に役立つ最新の精神疾患診 断基準(DSM-5 draft)などを紹介した上で、健常者の初診時と通院中にわけた留意点を、心理学的な背景に触れながら話し合いたいと思います。
12.タブレット型コンピューターの矯正歯科応用
菅原 泰典(医療法人皓歯会 ぷらす矯正歯科)
1987年 | 東京歯科大学卒業 同大学矯正学講座にて研修 日本矯正歯科学会認定医 |
1996年 | ぷらす矯正歯科(山形県 酒田市)開業 |
不正咬合者の重心動揺に関する研究 第68回日本矯正歯科学会 2009年
矯正歯科治療中の予防歯科管理について 第26回東北矯正歯科学会 2010年
2010年米国A社よりタブレット型コンピューターが発売された。その後、各社から同様のコンセプトのタブレット型コンピューター が続々発売された。その携帯性やタッチパネルならではの操作性、少人数向けのプレゼンテーションのしやすさは個人利用にとどまらずビジネスの世界に拡がってきている。今回、その矯正歯科応用について参加者と共にディスカッションしていきたい。