拡散MRI研究の裾野を広げていくことを目的に脳MRI解析チュートリアルを開催します。チュートリアルでは十分な解析手法を持たない国内各地の研究者を対象に、実際に脳MRI解析を体験してもらいながら実践的な脳MRI解析手法を実演、説明を行います。
第5回 ABiS脳画像解析チュートリアル
2018年12月22日(土)~23日(日)に、東京大学主催、順天堂大学・生理学研究所・ABiS共催で、「第5回ABiS脳画像解析チュートリアル」を開催致しました。チュートリアルは盛況のうちに終了致しました。多数のご参加ありがとうございました。
大学教員、研究職・医療職、大学院生など様々なバックグラウンドの方が受講していました。
神経科学、精神医学、放射線医学など様々なバックグラウンドの方が受講していました。
約半数の受講者が脳画像解析の経験は3年未満でした。
40~81%がちょうど良い難易度と回答しています。
30~78%が満足~やや満足と回答しています。
38~85%がちょうどよい長さと回答しています。
受講後アンケートでは100%がこれからの研究にとても役立つ、または役立つと回答しています。
今回のチュートリアルで良かった点をご自由にお書きください。(抜粋)
- dMRIについて基本的なことが学べて非常に勉強になった
- dMRI解析について基礎からとても丁寧に教えて頂いた点が良かったです.
- Linuxやスクリプトを学べて良かった。
- MacのFSLに関するトラブルに適切に対応いただいた。
- TBSSの結果の表示とスクリプト作成方法は論文執筆時に役に立つ情報でしたのですごくよかったです。
- TBSSの使い方が一通り理解することができた。
- TBSSも実践的で良かった。
- エキスパートの先生がスクリプトを書く際の思考を理解でき、有意義でした。
- シェルスクリプトを実際に一つずつ説明を受けながら入力できたので今までよりもスクリプトを入力する時の不安が減らせた。
- スクリプトの作成方法の講義は、どういうスクリプトを書きたいかという提示のもと、作成過程が具体的に示されており、とてもわかりやすかった
- その都度受講者側で確認しながら進められる事かと思います。
- ターミナルに記載する項目ごとに注釈がつけられていたため、後から見返すときに役だつ資料で非常に助かりました。
- チューターが多く、トラブルに丁寧に対応してくださった点。
- プログラミングに関する解説は有用だった。
- レベルがちょうど良かった。
- 解析の理論的な話が含まれていたこと。
- 解析手順を丁寧に教えていただいたので迷わず解析を進める事が出来た。
- 解説がよかった
- 基本的な点からわかりやすく解説いただきました.
- 教わる相手がなかなかいないので、助かりました。、
- 講義もとてもわかりやすく、チューターの先生方もとても丁寧でありがたかっったです。
- 講師の先生の説明が丁寧で聞き取りやすく、わかりやすかった。
- 最後のスクリプト講義がよかった
- 資料が充実していてありがたかったです。
- 資料も非常に詳しく、復習の時に役に立ちます。
- 質問もしやすい雰囲気でした。
- 上田先生の説明は丁寧で分かりやすかったです。
- 前処理の必要性が十分認識できました。
- 全体の流れを確認できた
- 非常に丁寧な説明でわかりやすかった。
- 並べかえ検定や、追加解析がモデルの作成や講義が中心であったため、実感が沸きづらかった。
- 論文化に必要な解析方法や結果の出し方など非常に役立つ内容だった
- 和田先生のDeep learningを用いた画像分類がためになりました。
- CONNで行える応用的な解析(ICA等)について分かりやすく解説していただいて理解が深まりました。
- CONNの使い方だけではなく、そのプログラムが走っているときの内容に関する説明もあり、非常に勉強になりました。
- CONNの使い方など、あまり馴染みがないため勉強になった。
- CONNを使用してresting-state fMRIの解析について理解が深まりました。講義内容を元に今後解析を行ってみたいと思います。
- fMRIの解析の仕方を一通り理解することができた。
- fMRI解析の概要がわかった。
- Matlabなど自分の環境でもできた点。
- rs-fMRIだけで2日間、欲しい印象でした。
- rs-fMRIのチュートリアルは明快でよく理解できた。
- rsfmriを学べたこと。
- 安静時fMRIは一つのソフトにしぼったのは良かったと思います。前処理の重要なことがよくわかりました。
- 解析に必要な内容がコンパクトにまとまっていて、普段CONNをあまり使わない自分でも解析を回すところまではすぐにいけそうだと感じました。
- 基本的な事項を丁寧に教えていただき,理解が深まりました.
- 機能的結合は解析の難点など、色々厳しいコメントが多く寄せられる点を答えてくださり助かりました。
- 午前午後共に内容が充実していた
- 撮像のパラメータやTipsの紹介があった点
- 資料が充実しており良かったです。
- 実際に入力しながらできたので理解しやすかった。
- 受講者側で各段階で確認しながら進められるのがよい。
- 先生の説明は非常に丁寧で分かりやすいです。
- 先生方の説明が丁寧でわかりやすかった点。解析だけでなく、実験実施における注意点のお話があった点。
- 全体の流れと、手続きが把握できた。
- 導入からわかりやすかった
- 脳画像解析だけでなく、機械学習を用いることにも関心があったため、そこも学べて良かったです。
- 八幡先生のresting-state fMRIの講義が分かりやすく素晴らしかったです。
- 非常に丁寧な講義で基礎が学べてよかった
次回のチュートリアルに向けて改善できる点がありましたらご自由にお書き下さい。(抜粋)
- Deep learningではMac版の説明(クラウド)が乏しく、ついて行くことができなかった。
- Deep learningではクラウド版だったので置いてけぼりでした.
- Deep learningのチュートリアルについては、Mac使用者への解説が不十分な印象を受けました。
- Deep learningのモデルの作成等について詳しく聞きたかった。
- Deep learningの講義で、クラウド版を使用していたが、何の説明もなく、よくわからなかったです。
- Deep learningの部分だけ受講者置き去りな状況だったのは残念でした。
- FSL v6.0ではHCPのDTIテンプレートが追加され、これはMNI152空間とよく一致しています。今後DTI解析(TBSSを含めて)のnormalizationにはこちらを使うほうがよいように感じますが、いかがでしょうか。
- Newral network consoleのクラウド版に対するフォローが少ないと感じました。
- tbss後の追加解析など、ABiSでなければできない発展的な講義内容を期待します
- コマンドがどういった操作をしているのか、いまいち早くて把握できなかったので、自分自身の下準備が必要だと感じました。
- コマンド打つことに慣れてない人用に、プレ練習をさせる、などの工夫があれば内容の理解につながるのではないかと感じました。
- チュートリアル以外で学ばなければならないこと、しなければならない処理等を教えて頂ければ嬉しいです。
- データファイルが多きすぎて処理したものを配布となっておりましたが、生データと処理したデータ両方を自分の環境に合わせて取れるようにしてほしかったです。
- データ解析が予定通り進まなかった場合でも、その次のセッションで使うデータが予めあれば、途中で挫折しにくいかもしれません。
- とても勉強になったが、自分でやれるかどうかはまだ分からない。
- もっと統計論的な話や、解析上の問題点、課題点などを知りたかったです。
- 解析概念と数学モデルをもう少し詳細にあればさらにありがたいです。
- 機械学習は楽しみにしていたが、もう少し汎用性のあるものを教えてほしい。
- 講師がほぼ一人で1日担当する状況でしたので、可能であればもう少し役割分担をされてもよいかもしれないと感じました。
- 今回のように基本を中心にしてほしい。
- 今年のデータがなぜAP, PA方向の撮像になっていたのか,今ひとつわかりませんでした.
- 作業部分の表示も、後方席用に画面を設けてほしい
- 資料が分かれていることだけでも事前に告知してもらえれば、それを参考に作業できたと思うが、それもなかったため非常に不親切に感じました。
- 事前のセットアップについて:Macユーザーに対しては、講習後のことを考えれば、Lin4neuroでFSLを使う準備をさせるのではなく、そのままの環境でFSLをインストールするよう案内するほうがよいのではないでしょうか。
- 事前準備時のソフト導入でのトラブルが頻発し、それに対する解決が自力ではかなり難しかったので、この解決策を気軽に共有できる場があった方がよかった。
- 時間がかなり足りないと感じた。
- 難易度が異なるので難しいと思うが、予習を課すような形で、後半の難解な内容に時間を割けないかと感じた。
- task fMRIのSPM解析は経験があったため、既知の内容については冗長な印象を受けました。
- ALFFなどrs-fMRIの後半部分をもう少し具体的に教えていただきたかったです.
- dMRI, rsfMR, taskMRIを全て行うのは時間的に無理があると思います。2つ程度がよいかもしれません。
- graph-theory,ICAなどの応用の解析についての枠がもっと長いと嬉しいです。
- lin4neuroのconnが想像以上に重たかった。
- PCの性能によるのかと思いますが、処理に時間を要し、講義について行くのが大変だった。
- task f MRIの講義は時間がたりなくて残念でした。
- タスクがSPMの使い方程度で終わってしまい、刺激が足りませんでした。
- ベーシック版とアドバンスド版のような形で習熟度別に別れていれば、アドバンスド版には参加したいと感じます。
- マシンパワーの足りない人を待つために、講義が前後するのも残念かと思います。
- 安静時fmriのモデル解釈をもっと聞きたかった
- 一つ一つの処理にもう少し時間を頂ければ理解しやすいです。
- 解析に時間がかかったので、(lin4neuroに必要な)CPUの推奨スペック等もあった方が良いかもと思いました。
- 解説にもう少しメリハリをつけられてもよいかもしれません。
- 計算中なのを余裕でできていると思われてどんどん進んでいかれた点
- 結果の解釈はもう少し詳しく知りたかった
- 個人データの段階で時間がかかっていたので、taskを思い切って単純化することで短時間にして、グループ解析に十分時間をとったほうがよいかもしれません。
- 講師の先生方はご自身の最高性能のPCだけでなく、一般的なPCでどのようにworkするのかを確認して講義をして頂きたい。
- 仕事の都合などでどうしても途中参加してしまう場合、もしくはマシンパワーが足りずに処理が追いつかない場合などに備えて、処理後のデータなどを配布できるようにしてもらえるととても助かります。
- 時間がタイトだったと思います。
- 時間的にrs-fMRIにフォーカスするというスタンスでもよいかもしれません。
- 集団解析をもう少し詳しく取り上げて欲しい。
今回のチュートリアルでとりあげられなかった内容で今後とりあげて欲しい内容はありますか?(抜粋)
- DTIの他の解析方法(BrainVoyagerやDTstudio)なども言及頂ければ幸いです。
- FA値の取り出す方法(textファイルなど)を教えていただければ大変助かります。
- FA値等の数値の出し方。
- freesurferについて
- FSLを用いてそのほかの解析(例え、myelin map)の方法を教えててほしい
- hcp pipelineでの処理
- MRI機種毎の撮影方法の指示
- Probabilistic Tractographyの解析方法をお願いします
- QCの実際や、トラブルシューティングについて。
- Tractographyへの導入
- 基本的なVBMを教えてほしい
- 具体的にどのような論文のMethodでこの統計解析を使うとと良いか、実際に使われている部位でこの統計解析が使われているというような説明を聞いてみたいです。
- 統計論的な話や、解析上の問題点、課題点など
- 特にありません。
- 脳画像解析に書かわる機械学習・深層学習などをもっと掘り下げた形でやっていただけると嬉しいです。
- CONNを使用したTask-fMRIの解析なども機会があれば聴講したいです。
- dMRIとfMRIの違いとそれぞれのメリットデメリットをまとめたものがほしかった。
- dMRI解析とfMRI解析をいかに統合するかについて。
- FieldMapの使い方。
- FSLでのfMRIの解析(MELODICなど)。
- PPI解析やデコーディング等の解析方法。
- QCについてもう少し解説が欲しかった。
- rsfMRIで呼吸や脈拍データの扱いについて詳しく知りたいです。
- rsfMRIのFSL. melodic解析についても言及頂ければと思います。
- Task MRIについては一番シンプルなので、初日一番最初に聞くのが良いように思います。
- VBMの基本、問題点
- スクリプトを用いて安静時ネットワーク、タスク課題の解析方法を教えてほしい
- タスク解析の考慮すべき点など
- もう一度、rs-fMRIの統計解析を行って欲しいです。
- もう少し講義時間が長くなっても構わないので、講義内容を高度にしてもらいたいです。
- 安静時fMRIは結果の解釈が難しいので、注意点について知りたい。
- 機械学習を用いた、安静時脳活動からの疾患や状態の予測解析。
- 結果の解釈、見方について(結果を解釈する際に注意すべき点など)もっと詳しく説明していただければ嬉しいです。
- 時間の都合でCONNとトレードオフになるのかとは思いますが、FSLのdual regression analysisについて取り上げていただければと思いました。
- 実際の論文の例の中で、どの統計を使って作業すると良いかなどの内容を聞いてみたいです。
- 小児の場合にどのようなアトラスデータがよいか、気を付けることを取り上げていただきたいです。
- 中程度以上のものはなかなか処理についてのベストな方法などについて悩むことが多いので、討論できる場なども設けてもらえると嬉しいです。
その他、ご意見ありましたら自由にご記入下さい。(抜粋)
- Lin4neuroを使用せず、Macのターミナルを使用する場合の説明が、事前資料などに入っていると助かりました。
- いつもご準備ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
- 講師・チューターの先生方、ありがとうございました。
- lin4neuroで講義が受けられたのは大変良かったと思います。
- Matlabを買えという話もありましたが、これはお金のない研究者には無理な話です。lin4neuroをどんどん発展させて頂きたいです。
- 講師・チューターの先生方、ありがとうございました。
- 今回、パラメータ類は指定されたが、そこの他の例の一覧表とそれにおける簡単な解説が欲しかった。
- 実際のDICOM画像からどのようにデータを取り込んで解析にもっていくのかを具体的に知りたく思いました。
- 大変勉強になりました。ありがとうございました。
- 無料で開催して頂きありがとうございました。
- 来年も勉強会が開催されるなら参加したいです
【日 時】2018年12月22日(土)~23日(日)
【会 場】東京大学医学部附属病院 中央診療棟2・7階 会議室
【参 加】事前登録制(参加費無料)※定員を大幅に上回る人数を受付済 ※キャンセル待ちを受付中です
【概 要】
● 2018年12月22日(土)
10:00~10:10 開会
10:10~10:50 脳画像解析のためのLinux入門(慶應義塾大学・上田)
10:50~11:00 - 休 憩 -
11:00~12:00 DTI1:拡散テンソル画像の前処理(上田)
12:00~13:00 - 昼休み -
13:00~14:00 DTI 2:拡散テンソル画像の統計解析(TBSS)(上田)
14:00~14:10 - 休 憩 -
14:10~15:10 Deep learningを用いた画像分類(順天堂大学・和田)
15:10~15:20 - 休 憩 -
15:20~16:20 DTI 3:General linear model (GLM)と並び替え検定(上田)
16:20~16:30 - 休 憩 -
16:30~17:30 DTI 4:TBSSの追加解析と結果の表示(上田)
17:30~17:40 - 休 憩 -
17:40~18:30 脳画像解析のためのスクリプト作成方法の紹介(上田)
●2018年12月23日(日)
第1部 Resting-state fMRI篇
09:00~10:00 ① 導入~fMRIデータの前処理(放射線医学総合研究所・八幡)
10:00~12:00 ② 機能的結合解析(八幡)
12:00~13:00 - 昼休み -
13:00~14:30 ③ 独立成分分析などに基づく解析(八幡)
第2部 Task fMRI篇
14:30~16:00 ④ 導入〜前処理(生理学研究所・福永)
16:00~17:00 ⑤ 個人統計(福永)
17:00〜18:00 ⑥ 集団解析(福永)
開催済みの脳画像解析チュートリアル
2018年3月3日~4日 第4回ABiS脳画像解析チュートリアルを開催致しました。
2018年1月20日~21日 第3回ABiS脳画像解析チュートリアルを開催致しました。
2017年2月25日~26日 第2回ABiS脳画像解析チュートリアルを開催致しました。
2017年1月21日~22日 第1回ABiS脳画像解析チュートリアルを開催致しました。
2016年1月23日 包括脳MRI脳画像解析チュートリアルを開催致しました。
2014年12月13日 包括脳MRI脳画像解析チュートリアルを開催致しました。
2014年1月25日 包括脳MRI脳画像解析チュートリアルを開催致しました。