第63回臨床呼吸機能講習会の開催にあたって

 この度、第63回臨床呼吸機能講習会を8月31日(木)から9月2日(土)の3日間の日程で開催させて頂くことになりました。本講習会は1961年発足の当初より、日本呼吸器学会と同じ年月を刻んできた、歴史と伝統のある会です。1900年代前半は結核を代表とする呼吸器感染症の分野での発展がありましたが、1900年代半ばを過ぎてから、本講習会の草創期は呼吸生理学が飛躍的に発展し、呼吸器病学に一段と大きな貢献をしてきました。同じく発展してきた病理や画像などの形態学の分野の進歩とともに、今日の呼吸器病学の基礎となっているのはご承知の通りと思います。
 例年、本講習会では、呼吸器診療や研究の第一線で活躍されている先生方が講義を担当しています。未経験からすでにベテランの域に達しておられるレベルまで、受講生となられる先生方の状況は様々と思いますが、呼吸器病学を改めて学ぶよい機会になると思います。また、本講習会の受講は、日本呼吸器学会の専門医試験を受験する場合に必須となっていますので、その受験資格のために受講される先生方も多いと思います。せっかくのよい機会です。呼吸生理の視点からみる呼吸器病学について知り、普段の臨床の理解を深めることに役立てていただければ嬉しく思います。
 開催形式ですが、ここ数年はオンライン開催など感染状況をみながら、開催方式を工夫してきました。今回の開催は、実習を交えた本来の対面形式を前提に準備を進めております。主催側スタッフおよび受講生の皆様と協力を仰ぎながら、感染対策等については十分な注意をして実施させていただきたいと考えています。
 今回の開催では、次の4つのコースを設けます。
1)臨床呼吸機能基礎コース(主任:小川浩正先生、笠原靖紀先生)
    (呼吸機能の基礎から理解を深め臨床に役立てる)
2)臨床呼吸機能応用コース(CRP呼吸機能コース):Clinical-Radiological-Pathologicalコース
    (主任:小倉高志先生)   
    (呼吸機能に画像・病理を加えた応用的内容)
3)呼吸管理実践コース(主任:富井啓介先生)
    (急性から慢性期の呼吸管理の実践と理解を深める)
4)初期臨床研修医コース(主任:西岡安彦先生)
    (呼吸器内科に興味のある初期研修医を対象)
 スタッフ一同、実りのある講習にしたいと考えています。奮ってご参加いただければ幸いです。


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