柳原病院事件メモ

乳腺外科医のプライドかけて無罪主張」,「よく起訴したな

公判請求したからには,勝つつもりでいるのだろう.まるでガダルカナルだ.常識で考えれば検察の威信,ひいては警察の威信に対する損傷を最小限にとどめるため,不起訴にすべきところ(個人的には起訴猶予が最善手だと思ったのだが),なぜか遮二無二突進して公判請求した.

医療事故ではなく,強制わいせつならこっちの土俵だとでも思ったのだろうが,頼みの「事件記者」達は洞ヶ峠を決め込んでいる.

被疑事実と公訴事実が違う=警察の捜査では公判請求ができないと検事が判断した=「被害者」の供述と証拠が食い違う&警察が集めた証拠のうち,被疑事実を構成する証拠では犯罪があったことを立証できない.

公判がスタートした時点でこれだけハンディキャップを負っているだから,さぞかし公訴事実に合致するように,証拠を整理してあるのだろうと思いきや,全く反対に前代未聞の証拠請求のドタバタ.

30余年様々な裁判を見てきたが、法廷で検察官が弁護人に開示していない証拠を請求し、裁判官にたしなめられる、という光景は初めて見た。(江川紹子

参考:薮原病院事件

法的リテラシー