米国証券取引委員会
―製薬企業をSECが取り締まる理由―
SECって,製薬企業の(商売の)規制官庁としてよく顔を出しますね。かの有名なMartin Shkreliをお縄にしたのもSECでした。少なくとも検察の公訴事実では,シュクレリの罪状は「投資家たちの金を盗み、株式市場を操作し、自分の利益を増やしてきた」,つまり富裕層から金を盗んだことであって,一般市民から搾取したことではありませんでした。製薬企業に対する規制に証券取引委員会がお出ましになるのも,さもありなんというわけです。ここまでお膳立てしてもらったら,検察も,らくちんです。
一方,日本では検事が何から何まで全部でっち上げなくちゃならない。だからディオバン「事件」みたいな頓珍漢な起訴になって,裁判官に足元を見られてぼろ負けしちゃう。そもそもGCPが何の略だかもわからない検事が外資企業に喧嘩を売ること自体間違ってた。
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米・アレクシオン 2150万ドルの和解金でSECと合意 日本含む外国腐敗防止法違反疑惑で ミクスオンライン 2020/07/06
米・アレクシオンは7月2日(現地時間)、米国証券取引委員会(SEC)に対して、2150万ドル(約23億円)を支払うことで和解に合意したと発表した。外国腐敗行為防止法によるもので、「SECの調査結果を認めたり否定したりしない」としたうえで、和解金を支払う。同社は日本やブラジル、コロンビア、ロシア、トルコにおいて、aHUS治療薬・ソリリスの販売促進などをめぐり、会計業務やコンプライアンスなどについて、外国腐敗行為防止法違反の疑いがあるとして、SECが2015年から調査を進めていた。
同社は、「我々は、確立された文化とリーダーシップを誇りに思っている。そして、コンプライアンスと誠実な行動への継続的な取り組みの上に構築され、希少で壊滅的な人々の生活を変革するという私たちの使命を果たす、約束された未来を楽しみにしている」とコメントしている。
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問題となった販促は下記。専門医コミュニティを取り込んだかなり巧妙な違反だったようです。もう2年近く経ちますが,SECの調査は2015年からずっと続いていたのですね。
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アレクシオンのソリリス 不適切プロモーションで適応外使用誘発 死亡例も多数 薬機法68条違反か ミクスオンライン 2018/9/26
外国腐敗防止法とは初めて聞く法律名なので,ちょっと調べてみました。
●海外腐敗行為防止法とはどのような制度か?日本企業が対策を取るために知っておくべきリスクの基本
(米国主導ではありますが)OECDの「国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約」に基づく法律で,日本でも不正競争防止法18条に外国公務員への贈賄に対する処罰規定があるとのこと。
●Q10:FCPA とはどのような法律でしょうか?日本の医療機関も対象ですか?
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こちらはPharmaのサイトにあったQ&Aです。
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