それは薬にはなり得ない

「認知症」という症候名にせよ、「アルツハイマー病」という病名にせよ、「精神分裂病」にせよ「統合失調症」にせよ、人間の浅知恵がもたらしたゴミ箱のラベルに過ぎない。名称そのものが科学とはおよそ縁遠く、単一の病因から生じる病気ではないことを示している。だからそのラベル名に併せて「治療薬」を開発することは、ゴミ箱に消臭スプレーをかけて(伝統的な言い方では臭い物に蓋)事足れりとするのと同様の愚行である。消臭スプレーもゴミ箱の蓋も,薬にはなり得ない。

アルツハイマー病に対してやせ薬は無効だったという試験結果は寡聞にして知らない.一方,アミロイド除去剤の失敗試験は山のようにある.それでもなおアミロイド除去剤の試験に拘るのは,到底科学的態度とは言えない.コミットメントのエスカレーションそのものである.

参考認知的不協和理論とエスカレーションオブコミットメントより:十分な客観性を以て有効性を科学的に検証しようとするのではなく,「効くかもしれない」と思えるような材料だけを探し求めるために臨床試験を繰り返しているだけ.喫煙者を笑えない.
『ある喫煙者は矛盾する二つの認知(知覚や認識と置き換えてもいいかもしれない)を持っています。それは「たばこを吸っている自分」と「タバコは自分の健康 にとって悪いものである」という認知。矛盾していますよね?この二つの認知が衝突すると、その喫煙者の頭の中では「タバコを吸ってもいい理由」を探し、自 己肯定することで心理状態を保とうとします。』
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中年期から初老期の肥満で、脳の老化が10年以上早まる可能性 CareNet 2019/08/23
中年期から初老期にかけて過体重や肥満だった人は、脳の老化が10年以上も早まる可能性があることが、米マイアミ大学医学部のMichelle Caunca氏らの研究から明らかになった。この期間中にウエスト周囲長が大きく、体格指数(BMI)が高い人は、加齢に伴い、記憶や思考などで重要な役割を果たす大脳皮質(灰白質)の厚さが薄くなる確率が高まることが分かったという。研究の詳細は「Neurology」7月24日オンライン版に掲載された。
Caunca氏らは、平均年齢64歳の男女1289人を対象にBMIとウエスト周囲長などを測定し、平均で約6年後に脳MRI検査で評価した大脳皮質の厚みや脳容積との関連を調べた。対象者の約4分の1はBMIが30以上の肥満者で、約半数はBMIが25以上30未満の過体重者であった。
分析の結果、高血圧、飲酒や喫煙の習慣など大脳皮質の厚みに影響する因子で調整しても、BMIの高さは大脳皮質の菲薄化と関連することが分かった。また、BMIが1単位高まるごとに、過体重者では大脳皮質が0.1mmずつ薄くなり、肥満者では0.2mmずつ薄くなることも示された。(後略)
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Overweight, Obesity in 'Early Old Age' Tied to Cortical Thinning/ Medscape
Measures of obesity are associated with MRI markers of brain aging. The Northern Manhattan Study. Neurology. 2019 Aug 20;93(8):e791-e803

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