RWEと誇大広告

Real World Evidence (RWE)の代表例は、ゲフィチニブに象徴される安全性の問題である。極めて頻度の低い重篤な副作用が、お医者様達によって「夢の新薬」と誤解されて乱用されて初めて顕在化する事例は、何も、ゲフィチニブに限ったことではないし、日本に限ったことではない。たとえば、あの有名なRALES試験では、既に承認から何十年も経ったスピロノラクトンが、わかりきった高カリウム血症のために、心不全の患者さんがどんどん悪くなっていったのは、欧州、米国でのことだった。一方で、どういうわけか近年は、「RWEが治験データを覆す」との能天気なスローガンが氾濫している。それって、「誇大広告」と、どこが違うの?

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