北米看護系大学院−留学案内


II. どこに行ったらいいか?:志望校を選ぶ条件

大学院での学位所得を主な目的とした留学の場合,行き先を選ぶ主な条件は次の5つです。

1.全米看護連盟(National League for Nursing:NLN)またはアメリカ看護大学協会(American Association of Colleges in NursingAACN) 認定のプログラムである

これらは,アメリカの高等教育認可団体ですが,州立でも私立でも,複数の専攻コースを持った大学看護学部ならば,大抵はいずれかの認定を受けているはずです。各志望校の特色,長所・欠点をよく見極める必要はありますが,認定校でしたら学士・修士課程のプログラムは必要条件を満たした標準的なものですので,教育の質のレベルは保たれていると考えてよいと思います。 博士課程についての認定校というものは今のところないようです(各大学に任されている)。ですから,大学によっては特徴的なプログラムを提供していますし,教員によって得られるものは異なってくるでしょう。ただし,課程の構成や全米的な動向は,どの博士課程でも似ています。

2.勉強したいプログラム・コースが充実している

大抵の総合大学の看護学部では,修士課程の小児,母性,成人,老人,教育,管理などのCNSならびに家族・老人,急性期ケアのNPなど,また博士課程でも様々な研究分野がそろっています。単科大学や都会から離れた大学ですと,これらのコースがすべて揃っていないところもあります。 NLN認定の大学院であって,希望の履修コースがあることが重要です。

3.興味ある研究分野に近い教官がいる

博士課程の学生として,あるいはPostdoctoral fellowVisiting Scholarとして行くのであれば,当然「指導教官」という条件の比重が大きくなります。受入候補先の教官の研究領域によって,受入可能性が大いに影響を受けますので,修士課程の場合とは選択の基準が若干異なってきます。MEDLINECINAHL,あるいは大学院のweb siteなどで研究分野の目当ての教官を何人か探してみて,E-mailなどで質問の手紙を送ると良いと思います。

4.治安・気候・物価などが納得の行く地域である

行った先の地域・都市の治安状態は,無事に安全に快適に生きて行くために大事な要素です。気候は寒くてもいいか,暖かい方がいいか?(ミネソタは冬は大変寒くなりますが,夏は湿気が少なく快適です。冬は寒いというより寒すぎて「痛い」という感覚です。建物の中は暖房が非常によく効いて暑いくらいです。)学費の捻出に苦労しないため,そして本来の目的である勉強に打ち込めるために,物価や授業料なども考慮すべき重要な条件です。

5.現地の友人・知人からの情報

そしてもちろん,友人・知人が近くにしかも同じ学部にいることは,学部人事や教官に関する情報,現地の生活情報などを事前に手に入れやすいという点で,また精神的な安心感という点で,かなり大きな助けとなります。


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2008-05-14
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