GREETING

第24回 日本PTEG研究会学術集会
当番世話人
神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 災害・救急医学分野
時下、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より格別のご厚情を賜り心より御礼申し上げます。この度、2026年9月13日(日)に日航ホテル奈良(奈良県奈良市)において開催されます、『第24回日本PTEG研究会学術集会』の当番世話人を拝命いたしました。
PTEG(Percutaneous Trans-Esophageal Gastro-tubing)は、1994年に考案された頸部食道瘻造設手技で、当初は消化管閉塞に対するdrainage toolとして、後にPEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)経皮内視鏡的胃瘻造設困難症例に対する経管栄養投与ルートとしても利用されるようになった大変安全性、有益性の高い優れた手技です。しかしながら、現状PEGに比べその普及率は低く、その啓発が最大の課題とされております。逆に言えば、今後の可能性が様々に拡大できる領域とも言えます。
本会開催に当たって、テーマを「万里一空」とさせて頂きました。本会にご参加くださる皆様には釈迦の説法と申せましょうが、If gut works, use it.のマントラを持ち出すまでもなく、経腸栄養は経静脈栄養に優先されるべきであります。しかし一定数存在するPEG不可能例に対してPTEGに対する誤解や、そもそもPTEGを知らないという理由で、再び元気を取り戻しご家族と笑いあえる可能性のある患者様が、鼻から管を入れられ残された命を何年も病室の天井を見つめながら無言で費やすという残酷な事態が現実に数多生じております。こんな人たちにもう一度笑ってもらえる世界に辿り着くには未だ「万里」の隔たりがあるかもしれないが、しかし必ずこの同じ空「一空」の下に繋がっている。信じて歩みを続けよう!という思いを込めました。できるだけ多くの先生方にご参加いただき、その啓発につながるよう魅力的な企画を立案中です。
奈良は改めて申し上げるまでもなく我が国が世界に誇る古の都。この地へお越しいただき、鹿と一緒にせんべいを食べながら、古くて新しい発見をしていただければこれに勝る喜びはありません。
多くの皆様が「万里一空」を共に辿って下さいますことをお待ちしております。