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第36回日本小児外科学会秋季シンポジウム
第36回日本小児外科学会秋季シンポジウム
会長廣部 誠一
東京都立小児総合医療センター外科
第36回日本小児外科学会秋季シンポジウムは新型コロナウイルス感染症の影響を考え、2020年5月20日の理事会で学会の現地開催を中止しWeb開催としました。
Web開催の形式は、11月5日(木)から11月26日(木)までの22日間のオンデマンド配信です。時間指定のライブ配信は有りません。皆様には学術集会サイトにアクセスし参加手続きをしていただき、いつでも、自宅からでもWeb視聴が繰り返し可能です。また、専門医取得や更新の要件として認められる証明書を発行します。
今年の主題は「デバイスの進歩と手術の工夫」です。動画を含む演題を十分視聴していただくため、1演題のデータ容量を1GBまで可能としました。また、期間中にチャット形式で意見交換できる工夫もしていきます。 主題を以下の6つに分けて指定演者に講演していただきます。
- ①「新しい手」の活用:細径器具、エネルギーデバイス、Needlescopic Surgeryの活用
- ②「新しい目」の活用:内視鏡画像(8K / 3D)、ICG蛍光ナビゲーションなどの活用
- ③小児のロボット支援手術への展望
- ④手術トレーニングの工夫
- ⑤気道デバイスの工夫
- ⑥医療機器、診断システムの開発と医工連携
「新しい手」として、様々な細径デバイスの活用による低侵襲性の向上について報告します。
「新しい目」として、8K / 3Dでの視野情報の改善により、例えば直腸周囲の骨盤神経線束を視認した剥離が可能となることを示していただきます。また、ナビゲーションで目的部位を可視化することで、ブラインド操作が減り手術成績が安定化する様々な工夫を提示していただきます。
「ロボット手術」の利点は、①多関節鉗子で、自由度が高く繊細な動きが可能となる。②手が届きにくい部位でも安定的な視野が得られる。③2台の操作席を使用し手術教育に有用であることなどです。しかし、コスト、小児向きのデバイスに関しては課題があり、小児のロボット支援手術への展望を報告します。
「手術トレーニングの工夫」では、デバイスを使いこなす技術の伝承が効果的にする工夫を報告します。
「気道デバイスの工夫」では、小児外科医が日々の臨床で成績向上のため様々なデバイスの工夫をしている例として、気管カニューレ、挿管チューブなどの工夫を提示します。このような工夫が医工連携により汎用性のある機器開発につながることが理想で、そのためには組織体制について報告します。
先進的な治療が優先され、従来の外科手術があたかも時代遅れと評価される風潮がありますが、基本手技と先進的な治療のバランスが大切です。小児外科医が有効にデバイスを使いこなし、手術成績を改善するにはどうしたらいいのかを勉強できればと思います。
Web開催では、直接言葉を交わし交流することはできず残念ですが、仕事が忙しい小児外科医が、効率的に学術的情報を得られる利点もあると考えます。会員の皆様にとりましてWeb開催でも有意義な学術集会となりますよう努力しますので、ご協力、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。