スンデチゲ定食(03年3月13日昼食)
二人で約11000won(約1100円)
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 スンデとは牛の血と春雨・野菜を豚の腸に詰めて茹でた腸詰。台湾にはモチ米の入った腸詰めを茹でて屋台で売っていたし、獣血の腸詰めはヨーロッパにあったと思う。でも春雨入りは中国でも未見のユニークさで、面白い歯ごたえだった。一説に韓国のオヤジが好み、乙女は嫌う軍隊食とか。

 学食で以前このスンデのチゲ定食を初めて食べ、これが話に聞くスンデかなーなんて思っていた。この日は韓国韓医学研究院での講演を依頼された車雄碩氏の案内で昼食をご馳走になった。車氏は慶煕大学の医史学研究室所属で、今は北京中医薬大学で研修中につき、北京で一度会ったことがあるが、ちょうど帰国していたため講演を突然依頼された。

 私は前日ソウル大のKim Hoo氏やKim Sunyoung教授と意識がなくなるまで飲んだため、大変な二日酔いだった。それを車氏に話したところ、二日酔いに好いということで行列のできるこの店に案内された。最初に出たのが上写真の二種のスンデ輪切り等で、上に見える各種タレを付けて食べる。

 下写真も前菜で、キムチの一種。初めて食べるタイプだった。カクテキと水キムチの双方の要素があるが、ご覧のように大根はカクテキよりうんと大切りで、かじるか、ハサミで切って食べる。またトマトも入っていてユニークな味。普通の水キムチより辛く、味はカクテキに近い。

 それで主菜だが、下写真のチゲ。例の如くアツアツの石焼き鍋に入って出てくる。韓国料理はこの石鍋抜きではあり得ない。スンデは下に沈んでおり、最初は箸でつまみ上げハーフーしながら食べる。またスープをスプーンでハーフーとすすり、ご飯を食べる。そのうち冷めてくると、ご飯をぶち込んでかき混ぜて食べる韓国料理のいつものパターンとなる。本当に韓国のこのタイプのオジヤはどれも美味い。
 上写真ではまるで伝わらないが、このスンデチゲの味はさすが地元の車氏が案内してくれただけあって絶品。しかも胃にやさしく、辛さと熱さで大量に発汗し、車氏がいうように二日酔いは食後みごとに消えていた。代金は彼が払ったので正確に分からないが、横で見ていた記憶では二人で約11000wonくらいだったと思う。値段からしても、まさしくB級グルメの典型で、私にぴったりの昼食だった。