韓国で10年ほど前に国立伝統医学研究所の韓国韓医学研究院が設立され、そこに医学史部門があることは知っていた。ところで慶煕大学医史学研究室の車雄碩氏は現在、北京中医薬大学で中国医学史を研究中のため、去年の秋に北京で一度会ったことがある。彼がちょうど帰国していたため、この韓国韓医学研究院で「日本における伝統医学史研究(パワーポイントファイル、419KBもあるのでダウンロードには注意)」を講演するよう突然依頼された。三日前の依頼だったので、奎章閣に行くのを一日休み、講演原稿を急ぎ作製した。左は当日の案内ちらし。
韓国に医学史の専門家は少ないし、きっと15人くらいしか来ないだろう、と車氏は言っていたが下写真のように実際は30人ほども集まっていた。スクリーン右側が私と車氏、左側が通訳していただいた研究院経営企画室長の高柄燮博士。高氏は東北大学農学部に8年も留学されており、私の90分の話をまったく問題なく通訳いただいた。
ところで車氏は講演以前に中国語で私を真柳先生(「さん」やMr)と呼んでいたが、講演後は真柳老師と呼び換えた。私が若く見えるせいもあるが、他の研究院の若い人たちも講演後の飲み会で私に顔を背けて酒を飲み、急に敬意を表されたのが妙で不思議な感覚だった。