2002年6月1日夕食 トスカーナお好みレストラン
(Fiorentino(AR)のRistrante Roggiにて、4人で51Euro=約6120円)
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 前日の豪華な夕食で妻が半分以上も食べきれず、さすがにCaprariご夫妻ももったいないと思ったらしい。そこで今晩は普通のレストランで、料理をお好みで注文して食事しようという。次は私たちの招待と話していたので、安いだろうというセコい判断もあり、ではトスカーナの典型料理を食べようということになった。

 場所はなんとCaprari夫妻が住む旧館の真下のRistorante Roggiだった。文字での形容は難しいが、この旧館は急な山斜面の途中から立ち上がっている。その3階が上の広場に同じ高さで接し、入り口がある。つまりご夫妻の部屋は広場から上がって2階になるが、実際は4階だったのだ。この山肌にある1階がレストランで、上の広場からは地下3階になる。レストランの前方には屋外で食事できるスペースがあり、その下はまた急な斜面。そこでトスカーナ平原を眺望できる屋外を予約していただき、席が空くまでご夫妻のパソコンを調整したりしていた。なおイタリアはサマータイムのためか、夕食は薄暗くなる8時位からが普通とのことだった。

 上左写真は右がCesare Caprari氏、正面がElena Caprari氏のご夫妻。ちなみにElenaさんは中国古代医学とくに『内経』と経穴の研究家で、今回のイタリア調査は彼女の公私にわたるご助力で実現した。左端の私が食べているのは、お気に入り生ハムとサラミの盛り合わせ。むろんトスカーナの赤ワインも。私とCaprari夫妻はフレッシュサラダも注文し、お二人は他にCesareさんがステーキ、Elenaさんがピザだった以外は記憶にない。文化・文明論に夢中だったせいもあるが、ともあれアルチュウハイマーなのだ。

 上右写真は妻が注文したホウレン草と白インゲン。シンプルな塩味で美味しかったとのこと。その右上のパンは、普通のレストランで注文する前に必ずテーブルにひとつ出てきた。パンには何種かあったが、どうも無料だったように思う。モノは違うが、出方は日本のお茶に相当する。

 上左写真は私がたのんだミートソースのラザニア。このように粉パルメザンをたっぷりかけ、スパゲティと同様にするのも悪くない。上右写真は胃の弱い妻にいい、とのご夫妻の薦めで注文したパン入りミネステローネ。パンが多く、もはやスープとはいえない感じだが、柔らかな食感で、確かに胃に負担をかけないのが分かった。イタリアのオジヤというべき雰囲気で、病人食的な料理かも知れない。

 ともあれ眼下に夕闇の平原が広がり、点々と灯る明かりに浮かぶ景色を眺望しながらの食事で、ほろ酔いも相まって大変気持ちよかった。会計するとき、奥のカウンターで小杯に注いでいる透明な酒を見て、それは何と訊くと一杯飲ませてくれたイタリア焼酎も美味しかった。Cesareさんに訊くと好きだといい、彼も一杯もらってグビっとやっている。しかしElenaさんが顔をしかめたところからすると、どうもノンベー専用酒らしい。これが空港の売店になかったのは残念だった。