第2波は弱毒化のエビデンス7患者数水増しと第2波パニック

流行が去り,PCR原理主義が復活した結果,流行時には放置されていた多数の無症状 病原体保有者の発掘が非常に効率良く行われるようになった.その結果,
無症状 病原体保有者数増加を悪用した患者数の水増しが行われ,「第2波妄想」が全国に波及,多数の第2波パニック障害患者を生み出した.今我々が観察しているのは,感染被害の拡大を伴う第2波ではない.PCR検査態勢の「充実」に伴って,弱毒化したウイルスによる無症状病原体保有者を「発掘」しているに過ぎない.

WHO事務局長の恫喝に屈して悪夢が復活.
COVID-19流行の遙か昔より,検査万能主義は社会全体を汚染していた.それでも「コロナとの戦い」では,当初,良識ある関係者の努力によって,海外で跳梁跋扈していたPCR原理主義に起因する介護崩壊・医療崩壊は何とか食い止められた.ところが,その後感染が収まる一方,検査体制の整備が進んだ結果,史上最悪のPCR原理主義者であるWHO事務局長の恫喝に屈し,葬り去ったはずだったPCR原理主義の復活を許した.その結果が国家を挙げての患者数の水増しである.

無症状病原体保有者の意味(*)
SARS-COV-2に感染した人のことを「新型コロナウイルス感染者」と呼んでいる.「なぜ『患者』ではなく『感染者』なのか?」という素朴な疑問を抱き,その回答を探し求めた経験のある方は幸いである.なぜならば,この「感染者」という不可思議な用語こそが,患者数の水増し問題を隠蔽し,ひいては多数の第2波パニック障害患者を生み出しているからだ.
「感染者=PCR検査陽性者」は二つの集団に大別される.一つは本来の意味での病人=患者,もう一つが無症状病原体保有者,つまり,「PCR検査の結果が陽性だったというだけで,他は結果が陰性だった人と何ら変わるところはない人」である.次に、無症状病原体保有者を悪用した患者数の水増しが本当に起こっているのかどうかを見てみよう.

*注:日本全国での「無症状病原体保有者」の数は誰も知らない.なぜなら,「無症状病原体保有者」の厳密な診断基準などないからだ.咳は一日何回か?鼻水が出るか?など全国統一基準などないし,誰もそんな診断基準など作ろうともしないし,これからもきっとできないだろう.なぜなら,一日に数回咳払いをする人や,それこそ,このご時世,医師から遠ざかってきちんと診断されていない通年性アレルギー性鼻炎で嗅覚が麻痺しているけど黙っている人をどう扱うかなど,侃々諤々の議論となって収集がつかなくなるだろうから.だから,ここでは臨床的に最も現実的な(と私が考える)算定方法として,検査陽性者数(A)―入院治療等を要する者(B)(暫定的)無症状病原体保有者とした.もっといい方法があるという方はお知らせ願いたい.あるいは,これを機会に「無症状病原体保有者を考える」というページを作って社会貢献して下さっても結構.

「感染爆発」の中身は無症状病原体保有者の集団だった
左の表は,COVID-19流行の真っ最中だった4月中旬と,直近の7月末の,それぞれの1週間のデータを比較したものである.(新型コロナウイルス国内感染の状況 東洋経済オンラインより算出).(このページをお読みになっている)医療職、理系研究者、経済学分野の方ならば、容易にデータの意味は理解できるだろう。以下,非医療職・文系の一般市民向けに説明する.まず、個々のデータは無視して黄色コラムの平均値だけに注目し、4月と7月を比べてみる。

●検査陽性者数(A)は7月の方が2倍に増えているが、入院者患者数(B)は7月も4月と同様。
●4月は検査陽性者の9割近く(86%)が入院を必要としたのに、7月はその半分の40%にまで低下した。
●7月に増えているのは無症状のため入院する必要のない無症状病原体保有者(A-B)で、4月に比べて9倍近くになっている。(73→613)
●入院者数は同じだったのに、7月の退院者数は4月の10倍以上になっている。(54→562)
●さらに、入院者数に対する退院者数の比率も10倍以上になっている(0.13→1.59)
●上記の退院者数/入院者数の関係は、4月は一旦入院すれば回復するまでに長期間かかったこと、それに対し7月は入院後の回復が極めて早いためにどんどん退院していったことを意味する。
●期間中の重症者数については、7月は4月の1/6になった。
●4月は重症者が増加する一方だったが、7月は前日より減少する日もあった。
●検査陽性者数・入院者数に対する重症者数の比率を4月→7月で比較すると、それぞれ1/10(3.9%→0.4%)、1/5(4.5%→1.0%)に低下した。

以上をまとめると,下記のようになる.いずれの指標も,感染実害の拡大を伴う本物の第2波とは全く逆の動きを示している.
1.7月になって増加し続けているのは、無症状病原体保有者であって、患者ではない。
2.入院患者の回復→退院は4月に比べて格段に速くなっている。
3.検査陽性者あるいは入院患者に占める重症者の割合も,4月に比べて格段に低下している.
4.6月末から検査陽性者数が増加し始めたにもかかわらず、いまだに重症者の増加は見られない.

結論:今我々が観察しているのは,感染被害の拡大を伴う本物の第2波ではない.PCR検査態勢の「充実」に伴って,弱毒化したウイルスによる無症状病原体保有者を「発掘」している,「なんちゃって第2波」に過ぎない.

第2波パニック障害のリスク因子
他のパニック障害同様,第2波パニック障害の根底にも当事者の認知の歪みがある.検査陽性者数=患者数との誤った等式から脱却できなければ,検査陽性者数の激増→患者数の激増→重症者の激増→死者の激増と,思考停止の連想ゲームが一瀉千里に進行する.ただし第2波パニック障害のリスクは個人により大きく異なる.日医会長が嬉々としてアビガンのセールスマンを演じたことは記憶に新しい.第2波パニック障害のリスク因子の第一位は医師免許,第二位が「偉い人」である.自分は医者だからコロナのことは何でもわかっていると思い込む→自分が間違っている・自 分の行動も言動もとんでもない方向にすっ飛んで行ってしまっていることに気づけない.そして偉い人には誰も忠告しない.せっかく忠告しても,相手は聞く耳を持たないどころか,逆恨みされるからだ.
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都医師会長「国全体が感染の火だるまに」 法改正求める 朝日新聞 2020年7月31日
東京都医師会は30日、記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて国が金銭的な補償を伴う休業要請を行い、応じない場合は罰則を適用できるよう、新型コロナ対応の特別措置法の改正を政府に求めていく考えを示した。尾崎治夫会長は「良識のある国会議員のみなさん、コロナに夏休みはない。国会をひらき、国がすべきことを国民に示し、国民、都民を安心させてほしい」と早急な対応を訴えた。(中略)「休業のお願いという(従来の)形のままだと日本全体が感染の火だるまに陥っていく。国が特措法を改正することが全国の火だねを消す唯一の方法だ」と危機感をあらわにした。
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「国全体が感染の火だるまに」という発言だけでも,すでに認知の歪みを超えて妄想の域に入っている.そしてその火だるま妄想が起点となって,(国会議員に向かって)「俺の言うことを聞いて臨時国会を開け」「コロナ阻止のためなら日本中の繁華街が焦土と化してもやむを得ない」と,大本営2020の参謀総長気取りである.こうして東京裁判2021の被告席が埋まっていく.→コロナデマバブルの出口戦略

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