このたび日本間脳下垂体腫瘍学会の理事長を拝命することになりました鹿児島大学脳神経外科の有田和徳です。
まず、当学会が理事会制度になって以降7年間理事長を務められ、本学会を着実に発展させて来られた寺本 明先生に深甚なる謝意を表します。
さて、日本間脳下垂体腫瘍学会の前身である下垂体腫瘍ワークショップを故佐野圭司先生が開催されたのが1980年の2月ですから、本会も33年の伝統を誇っていることになります。本会は当初から内分泌内科、脳神経外科、病理学、婦人科、放射線科、小児科、基礎医学など幅広い医学分野の人々が結集して、間脳下垂体腫瘍の病態解析、診断、治療を進歩させてきました。この伝統は今日に至るまで守られ、会員相互に協力し、時に切磋琢磨しながら、間脳下垂体腫瘍に取り組む学際的、横断的な学会として発展しています。
現在、間脳下垂体腫瘍学の領域では分子生物学的アプローチの導入、新しい画像診断方法の発展、内視鏡の導入と適応範囲の拡大、薬物療法の新たな展開など約30年前と同じような飛躍の時期を迎えています。このような中で、当学会の学問的な意義はより高くなっていますが、一方で社会的な責任も重くなっています。従来からの学会活動をより発展させるとともに、当学会が学問的要請のみならず社会的要請にも応えられるように体制・制度と活動の見直しを進め、情報発信を行いたいと思います。皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
2013年4月1日