学会概要

ご挨拶

日本獣医史学会理事長 小野寺 節

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」といわれています。日本獣医史学会は獣医学、畜産学や動物学ばかりでなく、人と動物との関係など、広い分野にわたる史実を明らかにすることによって、それらを現在の視点から考究し、その成果を社会に普及するとともに、さらに後世に伝えようとする者の集まりです。

日本獣医史学会は1972年に発足し、40年以上にわたって、このような歴史の研究を通じて社会と関わってきました。今後の活動をさらに盛んにするため、獣医、畜産や動物の歴史に興味や関心をお持ちの方々にご入会をお勧めしています。

この度の獣医学・学部教育改革の一環として、新コア・カリキュラムが制定されて平成25年度入学生から適用されておりますが、「獣医史学」はその中の必修科目である「獣医学概論」において重要な部分を占めることになりました。また、新教科書『獣医学概論」(池本卯典ら監修・緑書房発行)の「第2章獣医史学」を私が執筆しておりますのでご笑覧下されば幸いです。

従来、わが国の獣医史学研究は獣医学教育における位置づけが明確でなかったため、日本獣医生命科学大学1校だけで講義が行われていました。そのため、日本では獣医学の歴史を知らない多くの獣医師が毎年育っていたことになり、獣医師という職業の成り立ちや歴史的意義、社会的使命や貢献、誇りや責任などをしっかりと考える機会がなかったのが実情です。今後は、獣医学概論を全ての学生が学ぶことになり、獣医学教育における日本獣医史学会の存在意義が明確になりました。このことは、本会の今後の活動や発展に大きく寄与すると共に、会員の皆様の今後の活躍が期待されます。また、全国の大学で獣医学概論を教える先生方が本会にご入会いただければ幸いです。

本会の会員は、獣医師である必要はありません。会員には獣医師以外の方もおられます。また、学生会員の制度もあります。もちろん獣医大学の学生でなくても構いません。本会は将来に向けて、国内的にも国際的にも、より一層活発な活動を行うべく努力しています。同好の方々に一人でも多く入会していただきますよう、ご案内申し上げます。