会長挨拶
謹啓 昨年、新型コロナウイルス感染症が5類に移行しましたが、医療・看護においては、まだまだ慎重に復旧を進めているとともに、コロナ禍で得たICT活用などの利点を活かしつつ新たな支援方法を模索されていると考えます。これらの対応にご尽力くださっている皆様に、深く感謝申し上げると共に、心より敬意を表します。
このたび、日本母性看護学会より、第27回日本母性看護学会学術集会長を拝命しました、順天堂大学大学院医療看護学研究科の大月恵理子でございます。2025年6月14日(土)、千葉県浦安市の順天堂大学浦安キャンパスにて学術集会を開催させていただきます。
ハイリスク妊産婦は日本では1980年代後半、「母児のいずれかまたは両者に重大な予後不良が予想される妊娠」と定義されました。基礎疾患を有する妊婦や産科合併症などを抱える妊婦等、明らかに正常を逸脱しているものから、統計的に正常を逸脱しやすい要因を有しているものまで含まれています。この統計的に定められた要因には心理・社会的要因が含まれ、非常に複雑です。ハイリスク妊産婦チェックリストも作成されていますが、単純な得点で評価できるものではありません。現在、高齢妊産婦の増加や慢性疾患の管理向上により、より高度なハイリスク妊産婦が増加しています。
そこで、本学術集会のメインテーマは、「未来への挑戦~多様性をふまえたハイリスク妊産婦への新たなアプローチの模索~」としました。ハイリスク妊産婦の多様性は増す一方ですが、ハイリスク妊産婦であるからこそ、安心・安全な周産期ケアの提供と次代の育成が求められています。学術集会を通じて、これからもますます多様化するハイリスク妊産婦のニーズへの対応と新たなアプローチの構築について、皆様とともに考え、挑戦する機会を得たいと思います。
本学術集会は、オンデマンド配信を併用したハイブリッド開催にしたいと思います。ライブ配信は行わない予定です。皆様と直接お会いし、学術集会ならではの有意義なディスカッションや情報共有ができますことを楽しみにしております。多くの皆様のご参加、ご発表を、企画委員一同、心よりお待ち申し上げております。
第27回日本母性看護学会学術集会
(順天堂大学大学院医療看護学研究科・医療看護学部 教授)