第30回日本遺伝子細胞治療学会学術集会

会長挨拶

第30回日本遺伝子細胞治療学会学術集会

大会長 戸田 正博

慶應義塾大学医学部 脳神経外科 教授

挨拶

この度、2024年7月16日(水)~18日(木)の3日間、神奈川県のパシフィコ横浜に於いて第30回日本遺伝子細胞治療学会・学術集会 (JSGCT2024)を開催させて頂きます。今回のテーマは、“革新的医療の創出”といたしました。

難病患者さんの未来を守り、患者さんの願いに答えようとする研究者の思いこそ、将来の医療を変える原動力です。新たな医療開発は社会的にも重要な課題であり、遺伝子治療は、画期的な医療としてその大きな役割を担うことが期待されます。すでに欧米では研究者のみならず企業からの関心も高く、産業化も進んでいます。今後、日本から革新的な医療を創出するためには、学会のみならず、より大きな社会的テーマとして産官学の協働が極めて重要です。

遺伝子治療の基本概念として、疾患の原因遺伝子を修復する根本的な治療と、遺伝子を利用した疾患治療の2つが挙げられます。これまで臨床応用された多くの遺伝子治療は、後者でしたが、最近のゲノム編集技術の発展により、遺伝子自体へ介入する次世代の遺伝子治療も現実的になってきました。2024年の日本遺伝子細胞治療学会・学術集会は第30回という節目を迎えます。社会を変えるイノベーションを起こす道筋を探求し、将来を担う若い研究者に、魅力ある遺伝子治療の研究活動を示したいと思います。また、遺伝子治療研究の今後の課題を共有し、できるだけオープンに議論することが重要であり、国際化が進む中で、日本から世界へ発信できることは何かについて考えたいと思います。

本学術集会が、将来を考える活発な議論ができる場として、参加される多くの皆様にとって有意義なものとなることを願っております。

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