大会長ご挨拶

新潟大学大学院医歯学総合研究科歯科矯正学分野 教授 齋藤 功

 この度、第82回日本矯正歯科学会学術大会の大会長を務めさせていただくことになりました。歴史と伝統ある(公社)日本矯正歯科学会の学術大会を主管するという貴重な機会を与えていただいたことに対しまして、学術大会運営委員会、理事・監事、代議員の先生方ならびに会員の皆様方に厚く御礼申し上げます。
 新潟での開催は2003年(平成15年)に新潟大学が主管校を担当して以来、ちょうど20年ぶりとなります。会期は2023年11月1日(水)~3日(金・祝日)、会場は朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターおよびホテル日航新潟といたしました。COVID-19禍は未だ収束には至っておらず不透明な状況が続いておりますが、現段階においては現地開催を予定し準備を進めています。

 大会のテーマは「矯正歯科のあるべき姿を再考しよう-伝統と進化-(Reconsider the Ideal Situation in Orthodontics-Tradition & Evolution-)」とさせていただきました。来年は当学会が設立されてから97年となり、この間さまざまな診断技法、新しい装置やメカニクスの開発など歯科矯正学・矯正臨床の発展にはめざましいものがありました。しかし一方で、適切とは言い難い矯正歯科治療が散見されているのも事実です。物事の発展には改革と新規性の追究が欠かせませんが、伝統的正攻法の治療と技術革新による新たな装置を用いた治療の功罪を整理し、適正な矯正歯科治療のさらなる発展に向けた議論がなされる大会にできればと考えています。

 海外特別講演としては、コネチカット大学名誉教授Dr. Ravindra Nandaに”Reflections on Last Five Decades and Predictions for Next Fifty Years of Clinical Orthodontics”とのタイトルで、海外教育講演としてはウェストバージニア大学歯科矯正学講座教授Dr. Peter Nganに”Impact of Dental Technology on Orthodontic Treatment Strategies”とのタイトルでそれぞれお話しいただく予定です。また、国内特別講演では、東京2020パラリンピック開会式の映像ディレクターを務め、同年NHK紅白歌合戦のオープニング映像も制作した映像作家 牧野 惇氏にお話しいただきます。さらに、学会創立100周年を見据えて学会が取り組んでいる課題やトピックなどを盛り込んだシンポジウム・臨床セミナーも企画し、ベテラン会員と若手会員の双方にとって魅力ある大会となるよう鋭意準備を進めていく所存です。


  新潟市では例年11月初旬から中旬にかけて紅葉の見頃を迎えます。是非、新潟にお運びいただき景観をお楽しみいただくとともに、新米コシヒカリや新鮮な魚介類、それに酒蔵数日本一である新潟の地酒など食文化をご堪能いただければと思っております。

 

 多くの会員の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げます。


第82回日本矯正歯科学会学術大会
大会長 齋藤 功
(新潟大学大学院医歯学総合研究科歯科矯正学分野 教授)