RTD申込/ 各テーブルのご案内

 RTDの申し込みは終了いたしました。

企画主旨

ラウンド・テーブル・ディスカッション(以下RTD)は1998年以来、毎回にわたって、研究・教育・臨床に携わる大学関係者や開業医、医療関係者などが「矯正臨床」に関わる様々なテーマについて、講演や展示発表とは違った相互コミュニケーションがなされてきたプログラムです。モデレーターの取り上げたテーマについて参加者が自由に楽しく語り合える意見交換の場であり、会員相互の出会いの場でもあります。毎年、興味ある内容のテーマで構成されており、参加した会員同士が十分に活発な討議をして、一つでも多くの稔りを持ち帰れることを期待して開催されています。
歯科医療の技術革新、医療制度の改変、患者さんのニーズの多様化など歯科界を取巻く環境が年々厳しさを増す中で、我々は公益社団法人日本矯正歯科学会という立場で「矯正臨床」を国民の視点に合わせていかに提供すべきかを常に考慮する必要があると考えます。

日本矯正歯科学会RTD委員会

RTD開催概要

当日の開催方法については、9月末頃にお申込みいただいた方のみにご連絡いたします。

日 時

【第1回】テーブル1.2.3 10:00~11:30
【第2回】テーブル4.5.6 13:00~14:30
【第3回】テーブル7.8.9 15:30~17:00

場 所

WEB開催(Live)

参加費 2,000円

申込方法

  • 参加登録時にあわせてお申し込み下さい。

申込期限:2022年9月1日(木)正午まで

※満席になり次第終了致します。

各テーブルのご案内

No. タイトル/氏名
1 耳鼻咽喉科との連携―歯並びと鼻咽腔疾患
時實 千代子(ときざね矯正歯科)
2 成長期の矯正歯科治療を考える
山田 聡(仙台青葉クリニック)
3

効果をもたらすMFT~問題解決に取り組む~ 
小林 香菜子(神奈川歯科大学付属 横浜クリニック矯正歯科)、
畑中 歩美(神奈川歯科大学付属 横浜クリニック矯正歯科)

4 矯正歯科臨床と3Dデジタルツール-現状と展望-
松成 篤(医)宇佐矯正歯科クリニック)
5 口蓋裂の摂食発話機能に関わる矯正医の役割 
山本 一郎(山本歯科医院 矯正歯科クリニック)
6 矯正歯科医療における3Dデジタルデータの応用
山田 尋士(ヤマダ矯正歯科(大阪府))
末武 沙耶(ヤマダ矯正歯科(大阪府))
7 CBCTを活用した歯槽骨の3次元的評価の意義
石井 一裕(矯正歯科石井クリニック)
8 3D プリンタのワークフローを考える
田井 詳子(大阪歯科大学 大学院医療保健学研究科)
9 外科治療を併用した矯正治療における低コスト3Dプリンタの活用戦略
神尾 崇(日本歯科大学 生命歯学部 歯科放射線学講座)

  1.耳鼻咽喉科との連携―歯並びと鼻咽腔疾患

時實 千代子(ときざね矯正歯科)

1979年4月~1982年3月  大阪大学歯学部矯正歯科学講座
1982年4月~1993年3月 滝本矯正歯科診療所
1993年4月~  ときざね矯正歯科

著書や研究発表の実績:
「口呼吸を呈する反対咬合症例の矯正治療に伴う咽頭部気道の変化」近畿東海矯正歯科学会誌 1982年
「骨格性反対咬合における上顎前方牽引法の臨床的評価」近畿東海矯正歯科学会誌 1986年
「筋機能療法を併用した骨格性開咬症例」近畿東海矯正歯科学会誌 1988年

抄録:
鼻咽腔疾患と歯並びは密接に関係しています。耳鼻咽喉科との連携のために耳鼻咽喉科の先生方に『歯並びと耳鼻咽喉疾患』に関して3か月に1回、ニューズレターを送付しています。第78,79,80 回大会で『耳鼻咽喉科との連携』についてラウンドテーブルを行ったが、今回、成長期の無呼吸症候群と耳鼻咽喉科疾患・歯並びについて言及する。矯正歯科の立場で耳鼻咽喉疾患を有する患者に対するアプローチを討論したい。


  2.成長期の矯正歯科治療を考える

山田 聡(仙台青葉クリニック)

1998年 東北大学歯学部卒業
2002年 東北大学大学院歯学研究科修了
2009年〜  歯科一番町(現仙台青葉クリニック)勤務

著書や研究発表の実績:
「下顎大臼歯の遠心移動前後における根尖部および周囲組織のCBCTを用いた定性的評価」東北矯正歯科学会 2013年
「What are the Indications of Orthodontics Miniplates?」WIOC 2017年

抄録:
従来から成長期の矯正歯科治療における治療タイミングや治療方法には様々なアプローチがあり、その決定は主に医療者が行なってきた。しかし近年では、患者と医療者の意思決定のための判断材料として日本矯正歯科学会より矯正歯科治療の診療ガイドラインや標準治療指針が示されたことで医療の質の向上を目指す環境が整備されつつある。今回は、あらゆる成長期患者において本人の立場から見た望ましい矯正治療を多角的に討論したい。


  3.効果をもたらすMFT~問題解決に取り組む~

小林 香菜子(神奈川歯科大学付属 横浜クリニック矯正歯科)、畑中 歩美(神奈川歯科大学付属 横浜クリニック矯正歯科)

小林 香菜子:
2014年3月  神奈川歯科大学 短期大学部歯科衛生学科 卒業
2014年4月 神奈川歯科大学附属 横浜クリニック 入社

畑中 歩美:
2019年3月  神奈川歯科大学 短期大学部歯科衛生学科 卒業

2019年4月   神奈川歯科大学附属 横浜クリニック 入社

抄録:
MFTは歯列に悪影響を及ぼす口腔周囲筋の不調和を整える矯正治療のひとつである。MFTを行うことにより、咬み合わせや悪習癖を改善することが期待できる。しかし、MFTの指導において様々な問題に直面する場面があり、日々改善に向けて試行錯誤を重ねている。そこで今回は、MFTにより効果が見られた症例を提示し、当院での取り組みを紹介、皆様方の指導時の工夫や問題解決について討論したい。


  4.矯正歯科臨床と3Dデジタルツール-現状と展望-

松成 篤(医)宇佐矯正歯科クリニック)

1998年  神奈川歯科大学 卒業、神奈川歯科大学 歯科矯正学教室 卒後研修課程
2000年 医療法人社団 前田矯正歯科クリニック 勤務2004年 日本矯正歯科学会 認定医資格 取得
2006年 宇佐矯正歯科クリニック 開設 
2019年 神奈川歯科大学 高度先進口腔医学講座非常勤講師

著書や研究発表の実績:
「Computer Aided Diagnostic Setup Systemを応用したIndirect Bonding Systemの考案」東京矯正歯科学会雑誌 2003年。「自家歯牙移植併用の咬合再構成にデジタルセットアップシステムを応用した成人叢生の2症例」第17回九州矯正歯科学会学術大会 2022年。他

抄録:
歯科領域でデジタル機器(スキャナー、CBCT、3Dプリンター)が急速に普及し、補綴分野ではCAD/CAM技術も保険収載されて久しい。当院でも歯槽骨と歯根の位置関係を考慮したデジタルセットアップ、顎矯正手術のシミュレーション、可撤式装置の作製等に応用して来たが、各医療機関での使用状況・方法、導入に際しどのような課題に直面しどう解消して来たか等、矯正歯科臨床へのデジタル技術導入の一助となる様、情報共有を行い討論したい。


  5.口蓋裂の摂食発話機能に関わる矯正医の役割 

山本 一郎(山本歯科医院 矯正歯科クリニック)

1972年  大阪歯科大学卒業
1976年 英国グラスゴー大学歯学部矯正歯科専門医コース修了
1977年 山本歯科医院 矯正歯科クリニック開業

著書や研究発表の実績:
Tongue-palate contact patterns for Japanese speakers with and without cleft lip and palate. IJSLP,22(1) 70-77.  2020.
摂食嚥下障害学.分担執筆.医学書院2021. エレクトロパラトグラフィを用いた構音の遠隔治療.日口蓋誌47:37-44. 2022.
骨格性下顎前突症の外科的矯正術は構音に変化をもたらすのか:エレクトロパラトグラフィー(EPG)による観察.音声言語医学 印刷中

抄録:
矯正歯科医は口唇口蓋裂の治療に出生から青年期に至るまで長期にわたって関わっている。その間、授乳補助床(ホッツ床)で顎矯正・鼻矯正、口蓋形成術後の二次処置として瘻孔閉鎖床やスピーチエイド、顎裂骨移植に向けた上顎前・側方拡大、外科矯正の術前矯正など治療は多岐にわたる。その間、食べる機能・話す機能にどのように対応しているか?問題点や解決方法について討論したい。


  6.矯正歯科医療における3Dデジタルデータの応用

山田 尋士(ヤマダ矯正歯科(大阪府))、末武 沙耶(ヤマダ矯正歯科(大阪府))

山田 尋士:
1991年3月  大阪歯科大学卒業
1991年4月~1996年3月  大阪歯科大学矯正学教室
1996年6月~ ヤマダ矯正歯科 院長

末武 沙耶:
2015年3月 大阪歯科大学卒業
2016年4月~2018年6月 大阪歯科大学矯正学教室
2018年7月~ ヤマダ矯正歯科

著書や研究発表の実績:
口腔内スキャナーの矯正歯科における有用性について ;第59回近畿東海矯正歯科学会(2017.7.2)
汎用性 3D プリンターの精度について;第59回近畿東海矯正歯科学会(2017.7.2)
ブラケットとアライナー型矯正装置を複合した新しい治療コンセプトの紹介第1報:コンセプトの概要(2017日本矯正歯科学会)

抄録:
今まで矯正治療診断を行う場合、術前のセファログラム等など2次元X線画像や石膏模型から分析し治療計画を立案していた。その分析データに現在、急速に普及してきている口腔内スキャナー、CBCTなどの3Dデジタル機器から採得した3Dデータを統合することにより左右の骨格のズレ、各歯牙位置を正確に把握できるため、矯正診断に有用であることは間違いないと思われる。活用法等も含めて情報共有を行い討論したい。


  7.CBCTを活用した歯槽骨の3次元的評価の意義

石井 一裕(矯正歯科石井クリニック)

1988年  新潟大学歯学部卒業
1992年 博士(歯学)
1994年 新潟大学歯学部歯科矯正学講座 助手
1994年〜1996年  UCSF 顎顔面奇形センター勤務(Visiting Assistant Professor)
2002年 矯正歯科石井クリニック開院

著書や研究発表の実績:
講演:「CBCTを活用した3次元評価による次世代の矯正治療とは」第33回日本舌側矯正歯科学会学術大会 2021
総説「当院における埋伏歯に対する治療法および考え方」The Japanese Journal of Orthodontics Vol. 7: 21−40 2019
症例報告「全顎的に著しい歯肉退縮、楔状欠損を伴い、上下顎前歯の前突した成人Angle Class I 叢生症例」甲北信越矯正歯科学会雑誌 2022 (in press)

抄録:
歯の移動の際、歯根を取り囲む歯槽骨の状態(唇舌的・頬舌的な厚み、高さ、形態、構造等)をCBCTで3次元的評価することは、移動の難易度やその限界等を予測するのに大変重要である。そこで今回は主に上下顎前歯の舌側移動、大臼歯の移動、犬歯の移動、埋伏歯の移動に着目し、それぞれにおいて注意すべき3次元的歯槽骨状態について、また治療の長期安定性と歯槽骨状態との関係についても討論したい。


  8.3Dプリンタのワークフローを考える

田井 詳子(大阪歯科大学 大学院医療保健学研究科)

2003年3月  大阪歯科大学歯科技工士専門学校卒業         
2018年4月  大阪歯科大学 医療保健学口腔工学科 歯科矯正技工学非常勤講師
2021年4月 

大阪歯科大学 大学院医療保健学研究科 口腔科学専攻博士課程(後期)現在に至る

抄録:
矯正歯科臨床において、3Dデジタル機器の普及により顎骨や歯列の3Dデジタルデータを利用した積層造形が容易になりつつある。今回、歯科技工における歯科用CAD/CAMシステムに関する体系的な理解と、3Dプリンタについて理解を深める機会にしたい。また、小型で導入しやすいと考えられる液槽光重合法の3Dプリンタにおける使用時のワークフローと造形に関するノウハウについても皆様と検討を加えながら討論したい。


  9.外科治療を併用した矯正治療における低コスト3Dプリンタの活用戦略

神尾 崇(日本歯科大学 生命歯学部 歯科放射線学講座)

1999年  東京歯科大学卒業
2003年  東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔外科学専攻)修了
2019年  日本歯科大学歯科放射線学講座(~現在)

著書や研究発表の実績:
1.「Utilizing a low-cost desktop 3D printer to develop a “one-stop 3D printing lab” for oral and maxillofacial surgery and dentistry fields」,3D printing in Medicine,2018年
2.「外科的矯正治療における矯正歯科・口腔外科連携への低価格デスクトップ3Dプリンタ・3Dモデルの活用」,日本臨床矯正歯科医会雑誌, 2021年

抄録:
演者らはこれまで、口腔外科医との連携を必要とする埋伏歯の牽引、コルチコトミーや歯科矯正用アンカースクリューなどの外科治療を伴う矯正治療に対し、両者の相互理解のためのツールの一つとしてFDM3Dプリンタによる低コスト3Dモデルを活用してきた。本RTDでは、演者らの3Dプリンタの応用事例を通じ、具体的な造形のコツや今後の応用展開に向けた方略について討議したい。