RTD申込/ 各テーブルのご案内

 ※申込開始は、参加登録から可能です(7月1日開始)

企画主旨

ラウンド・テーブル・ディスカッション(以下RTD)は1998年以来、毎回にわたって、研究・教育・臨床に携わる大学関係者や開業医、医療関係者などが「矯正臨床」に関わる様々なテーマについて、講演や展示発表とは違った相互コミュニケーションがなされてきたプログラムです。モデレーターの取り上げたテーマについて参加者が自由に楽しく語り合える意見交換の場であり、会員相互の出会いの場でもあります。毎年、興味ある内容のテーマで構成されており、参加した会員同士が十分に活発な討議をして、一つでも多くの稔りを持ち帰れることを期待して開催されています。
歯科医療の技術革新、医療制度の改変、患者さんのニーズの多様化など歯科界を取巻く環境が年々厳しさを増す中で、我々は公益社団法人日本矯正歯科学会という立場で「矯正臨床」を国民の視点に合わせていかに提供すべきかを常に考慮する必要があると考えます。

日本矯正歯科学会RTD委員会

RTD開催概要

日 時

2019年11月21日(木)12:20〜13:50

場 所

ザ・ホテル長崎BWプレミアコレクション 地図

参加費 3,000円(昼食代を含む)

申込方法

若干の空きがございますので、ご希望の方は、上記メールアドレスに直接ご連絡ください。
満席となりました。


第78回日本矯正歯科学会学術大会運営事務局
TEL:03-5549-6913
FAX:03-5549-3201
Email:
※満席になり次第終了致します。

各テーブルのご案内

No. タイトル/氏名
1 耳鼻咽喉科との連携のための工夫【満席】
時實 千代子(ときざね矯正歯科)
2 学校歯科健診で矯正歯科医に求められていること 〜矯正歯科医ができること〜【満席】
鈴木 博(日本学校歯科医会)
3 患者も術者も安心安全な矯正歯科治療契約書とは【満席】
伊藤 智恵(日本臨床矯正歯科医会社会医療委員会)
4 矯正歯科基本研修修了者の働き方に関する調査 【満席】
宮崎 晴代(東京歯科大学歯科矯正学講座)
5 顎矯正手術直後の矯正歯科治療 【満席】
小椋 幹記(社会医療法人敬和会 大分岡病院マキシロ フェイシャルユニット)
6 矯正歯科の技工士に何が求められているのか 【満席】
鈴木 達(東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部)
7 矯正歯科医療における3Dデジタルデータの応用について 【満席】
山田 尋士(ヤマダ矯正歯科)、常盤 肇(常盤矯正歯科医院)
8 生物-心理-社会モデルから矯正歯科臨床を視る 【満席】
龍野 耕一(たつの矯正歯科クリニック)
9 口腔機能発達不全症における矯正歯科治療の役割 【満席】
里見 優(さとみ矯正歯科クリニック)
10 スタッフ教育プログラム構築のポイント 【満席】
安藤 文人(日本歯科大学生命歯学部歯学教育支援センター)
11 口腔筋機能療法(MFT)のこんな時どうする〜Q&A〜 【満席】
石野 由美子(二子玉川ガーデン矯正歯科)、石野 善男(二子玉川ガーデン矯正歯科)

  1.耳鼻咽喉科との連携のための工夫

時實 千代子(ときざね矯正歯科)

1979年  大阪大学歯学部卒業、同年大阪大学歯学部矯正歯科学講座入局
1982年  滝本矯正歯科診療所勤務
1993年 ときざね矯正歯科 開設

著書や研究発表の実績:
「口呼吸を呈する反対咬合症例の矯正治療に伴う咽頭部気道の変化」近畿東海矯正歯科学会誌 1982年
「骨格性反対咬合における上顎前方牽引法の臨床的評価」近畿東海矯正歯科学会誌 1986年
「筋機能療法を併用した骨格性開咬症例」近畿東海矯正歯科学会誌 1988年

抄録:
鼻咽腔疾患と歯並びは密接に関係しています。耳鼻咽喉科との連携診療のために、当院では患者の治療をしていただいている耳鼻咽喉科の先生方に、『歯並びと耳鼻咽喉疾患』に関して、3か月に1回、ニューズレターを送付しています。今回症例を通して、矯正歯科の立場で耳鼻咽喉疾患を有する患者に対するアプローチを討論しましょう。


  2.学校歯科健診で矯正歯科医に求められていること 〜矯正歯科医ができること〜

鈴木 博(日本学校歯科医会)

2005年 4月〜  現在 東京都学校歯科医会(都学歯)理事
2017年 6月〜  現在 日本学校歯科医会(日学歯)理事

著書や研究発表の実績:
共著:「学校歯科保健活動の場での“気づき”から生まれる「個」への対応」都学歯編 2012年
共著:「学校歯科健康診断における歯列・咬合ならびに顎関節の診査基準の見直し」日学歯編 2015年
共著:「においの科学ー知っておきたい口臭のABCー」 都学歯編 2019年

抄録:
昨年のRTDでは、学校歯科健診で不正咬合を診断する際の問題点について、かかりつけ歯科医である矯正歯科医の立場で経験した事例を挙げ、現状を把握した。今回はその内容を踏まえて、学校現場から矯正歯科医に対して求められていることについて、公益社団法人日本矯正歯科学会の会員の一人として学校歯科健診においてどのような対応ができるのかを具体的に討論したい。


  3.患者も術者も安心安全な矯正歯科治療契約書とは

伊藤 智恵(日本臨床矯正歯科医会社会医療委員会)

1985年  東北大学歯学部卒業、東北大学歯学部歯科矯正学講座入局
1990年  伊藤矯正歯科クリニック開設 管理者(院長)
2006年  公益社団法人日本矯正歯科学会認定専門医

著書や研究発表の実績:
「失敗事例から学ぶ〜確実で安全な成長期の矯正歯科治療とは〜」平成27年度東京矯正歯科学会春期セミナー 2015年
「健康を守り育てる矯正歯科医療」日本臨床矯正歯科医会第40回記念東京大会 2012年
「長期経過でブラックトライアングルを解消するプロフェッショナルケアの効果」日本臨床矯正歯科医会 2012年

抄録:
矯正歯科医会「矯正歯科何でも相談」の係争懸念事例では、法令遵守されない契約条項やそもそも契約書が取り交わされないなど、医療契約の理解に齟齬があることが見受けられる。術者が医療訴訟等から身を守り、かつ良質な矯正歯科治療を提供するには、患者とより良い関係を築き、患者に当事者責任を理解して頂くことが必要だ。消費者契約法で規定される最低限の情報提供とその合意に用いる矯正歯科治療契約書について検討したい。


  4.矯正歯科基本研修修了者の働き方に関する調査

宮崎 晴代(東京歯科大学歯科矯正学講座)

1981年4月  東京歯科大学歯科矯正学講座入局
1984年4月 東京歯科大学歯科矯正学講座助手
2003年4月 東京歯科大学歯科矯正学講座講師

著書や研究発表の実績:
「成人抜歯症例における矯正治療後の咬合の安定性について」歯科学報94,749-70,1994.
「8020達成者の口腔内模型及び頭部X線規格写真分析結果について」Orthodontic Waves 60:118-25,2001.
「An Investigation of Alumni of the Postgraduate Training Course at the Department of Orthodontics of Tokyo Dental College and Their Working Situations」Bulletin of Tokyo Dental College,60巻4号,2019.

抄録:
東京歯科大学歯科矯正学講座卒後研修課程の修了者326名を対象として概要を検討した結果、女性の増加が顕著であることがわかった。また、アンケート調査により、矯正歯科基本研修修了者の矯正歯科医としての働き方や認定医・専門医取得の状況などが明らかになった。複数の勤務先を持つ特有の働き方や男女の働き方の違いについて解説し、様々な働き方がある中で矯正歯科医療を提供する上での必要な事項について討論したい。


  5.顎矯正手術直後の矯正歯科治療

小椋 幹記(社会医療法人敬和会 大分岡病院マキシロ フェイシャルユニット)

1986年 3月31日  鹿児島大学歯学部歯学科卒業
1996年10月1日  鹿児島大学歯学部附属病院講師
2007年 4月 1日  医療法人敬和会 大分岡病院 矯正歯科部長(2009年 社会医療法人 〜現在に至る)

著書や研究発表の実績:
「大分岡病院マキシロフェイシャルユニットにおける9年間の顎矯正手術症例の検討」日顎変形誌 2014年
”Challenge to enhanced recovery programs after orthognathic surgery”, 25th Taiwan Asso. Orthod., 2013
「大分岡病院マキシロフェイシャルユニットにおける顎矯正手術治療の取組み」矯正イヤーブック 2011年

抄録:
顎矯正手術直後には、伸展された骨周囲組織の緊張によって、移動した骨の後戻りが起きやすい。これを避けるために従来、顎間固定が行われてきたが、近年、顎間固定を行わず、顎間ゴムによる機能訓練 (Chung et al. 2008) が行われるようになってきている。このため、術翌日から骨の後戻りに対する対応が可能になり、術直後の矯正歯科治療を含めた管理がより一層重要になっていると思われる。顎矯正手術直後の矯正歯科治療について討論したい。


  6.矯正歯科の技工士に何が求められているのか

鈴木 達(東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部)

1998年  新東京歯科技工士学校卒業
2013年  東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部勤務
現在に至る

著書や研究発表の実績:
「矯正治療中に使用可能なマウスガードの製作法」日本スポーツ歯科医学会 2005年
「義歯製作用レジン注入装置を用いたソフトタイプOA製作法の検討」日本睡眠歯科学会 2017年
「スタッフ&ドクターセミナー1講演」日本矯正歯科学会 2018年

抄録:
近年の矯正歯科技工士には様々な変化への対応が迫られている。矯正の技術的な変化や人手不足、勤務者の働き方や考え方にも変化が起きている。それらの変化に対応する為、業務効率化の工夫や再製作という非生産的な問題を回避する工夫、デジタルやコンベンショナルなテクニックの習得方法など、今の矯正歯科技工士に何が求められているのか、情報交換し討論したい。


  7.矯正歯科医療における3Dデジタルデータの応用について

山田 尋士(ヤマダ矯正歯科)、常盤 肇(常盤矯正歯科医院)

山田 尋士:
1991年3月 大阪歯科大学卒業
1991年4月 大阪歯科大学歯科矯正学教室入局
1996年6月 ヤマダ矯正歯科開設

常盤 肇:
1990年3月 鶴見大学歯学部卒業
1990年4月 鶴見大学矯正学講座入局
2014年1月 常盤矯正歯科医院 院長

著書や研究発表の実績:
山田 尋士:
口腔内スキャナーの矯正歯科における有用性について ;第59回近畿東海矯正歯科学会(2017.7.2)、汎用性 3D プリンターの精度について;第59回近畿東海矯正歯科学会(2017.7.2)、
ブラケットとアライナー型矯正装置を複合した新しい治療コンセプトの紹介第1報:コンセプトの概要(2017日本矯正歯科学会)

常盤 肇:
The main occluding area in normal occlusion and mandibular prognathism. AO, 86(1), 87-93,2016. Anatomical location of various condylar points for jaw movement analysis in Japanese women. J Oral Rehabil. 37(4):235-41, 2010
光学式顎運動測定装置(JM‐1000T)の臨床的測定精度に関する研究、顎機能誌、7(1):13-25,2001

抄録:
近年、口腔内スキャナー、CBCT、3Dプリンターなどの3Dデジタル機器が日本においても急速に普及してきた。それら機器の使用、および採得したデジタルデータについて、種々のソフトウエアの使用方法、日本における関連法規との整合性も含め、今後矯正歯科医療へどのように臨床応用し、有効活用していけるのかを討論したい。


  8.生物-心理-社会モデルから矯正歯科臨床を視る

龍野 耕一(たつの矯正歯科クリニック)

1991年  岡山大学 歯学部 歯科矯正学講座 講師
2016年 岡山大学 医学部 整形外科 非常勤講師
2017年 岡山大学 歯学部 実践歯科医療学 歯科臨床心理学 非常勤講師

著書や研究発表の実績:
下顎頭軟骨微細構造と硫酸ムコ多糖体に関する研究 岡山大学学位論文(博士) 1990年
思春期の心理行動特性と睡眠時の呼吸循環動態との関係 兵庫教育大学学位論文(修士) 2014年
疼痛と記憶 -般化形成と記憶再形成過程の役割- Locomotive Pain Frontier メディカルレビュー社 2016年

抄録:
矯正歯科臨床における治療技術の進展は著しく、広くその恩恵に浴することができるようになった。しかし、その治療体系自身は受療者にいったい何を与え得るのだろうか。彼らが感じる心身の体験には、他者や社会の存在が欠かせない。彼らの経験を生物医学レベルに留まらず心理レベル、社会レべルにまで拡げてその三者関係を浮き彫りにすることで、‘生物-心理-社会モデル(G.Engel,1977)が教える新しい多職種協働’を受療者視点に立って創造的に討論したい。


  9.口腔機能発達不全症における矯正歯科治療の役割

里見 優(さとみ矯正歯科クリニック)

1988年  鶴見大学大学院博士課程修了
2008年  鶴見大学歯学部非常勤講師
2011年  日本矯正歯科学会専門医

著書や研究発表の実績:
著書:「やさしくわかるMFT」日本口腔筋機能療法学会編 わかば出版 2014年
著書:「各種矯正装置の特徴と使い方」株式会社ヒョーロンパブリッシャーズ2017年 編著
著書:「実践 早期治療」クインテセンス出版株式会社 2018年 監著

抄録:
「口腔機能発達不全症」が公的医療保険に導入され、早期の矯正歯科治療との兼ね合いが課題となっている。また早期の口腔機能の発育促進と健康寿命の延伸との関連性は明らかではない。
これについては、疫学的ビッグデータの解析と、母子健康手帳に記録されたデータの全人生化(一生を通じて健康管理していけるものにすること)が問題解決への鍵となることを提案し、これらの問題について討論したい。


  10.スタッフ教育プログラム構築のポイント

安藤 文人(日本歯科大学生命歯学部歯学教育支援センター)

1999年 3月  日本歯科大学大学院 歯学研究科博士課程 修了
2014年 4月  日本歯科大学附属病院 矯正歯科 准教授
2019年 3月  熊本大学大学院 博士前期課程 教授システム学専攻 修了

著書や研究発表の実績:
著書:高齢者歯科の医療事故防止ー適切な対応とは何かー,口腔保健協会,2018年
研究発表:知的技能・運動技能が連携した歯科臨床基礎実習の現状分析と問題点抽出,日本教育工学会,2018年

抄録:
歯科衛生士の矯正臨床教育はポストグラデュエートが担っている。多くは就職先の矯正歯科診療所にて行われる。どの機関でも教育のための人的資源や教育時間を確保するために苦心している。教育を効率的・効果的に行うことは喫緊の問題である。また、自発的学習を促すために研修を魅力的にすることも重要である。各医療機関の教育上の問題に焦点を当て、効率的・効果的・魅力的なスタッフ教育の構築のポイントを討論したい。


  11.口腔筋機能療法(MFT)のこんな時どうする〜Q&A〜

石野 由美子(二子玉川ガーデン矯正歯科)、石野 善男(二子玉川ガーデン矯正歯科)

石野 由美子:
1983年  東北歯科専門学校歯科衛生士科卒業、日本矯正歯科研究所付属デンタルクリニック勤務
1994年  昭和大学歯科病院第一口腔外科言語治療室勤務(現在 口腔リハビリテーション科非常勤勤務)
1999年  二子玉川ガーデン矯正歯科勤務 現在に至る

石野 善男:
1999年  二子玉川ガーデン矯正歯科開設 
2001年  北海道医療大学歯学部歯科矯正学講座非常勤講師
2009年  昭和大学歯科病院口腔リハビリテーション科兼任講師

著書や研究発表の実績:
石野 由美子:
論文「舌小帯短縮症の重症度と機能障害について〜舌の随意運動機能、構音機能、摂食機能についての定量的評価の試み〜」口腔科学会誌50:26-34.2001
学会講演「表情筋訓練を取り入れたMFTの活用」第72回日本矯正歯科学会大会(松本)【スタッフ&ドクターセミナー】2013年
学会講演「歯科衛生士の役割としてのMFT」第60回中・四国矯正歯科学会大会(徳島)【シンポジウム児童の口腔機能を考える】2017年

石野 善男:
論文「上顎前突成人女性の治療前後における矯正学的口腔科学的研究」東京医科大学雑誌53(1):88-101.1995
研究発表「犬歯の低位唇側転位を伴う不正咬合の治療について」第45回日本矯正歯科学会大会1986
共著「成長期の開咬症への口腔筋機能療法(MFT)」【成長期の開咬を考える】別冊ザ・クインテッセンス臨床家のための矯正YEARBOOK 2017

抄録:
MFTは口腔習癖による口腔周囲筋の不調和に起因した不正咬合の患者に対し施行されているが、歯列に対する舌による内圧と口唇および頬による外圧とのバランスを整え、それらの正しい姿勢位を習慣化させることを目標とし、このことは矯正治療の円滑化と結果の安定をもたらすと考える。そこで今回は当院での取り組みを紹介し、各施設での指導の工夫や問題解決に関して討論したい。

Copyright 2019 The 78th Annual Meeting of the Japanese Orthodontic Society