会長挨拶

会長 佐武利彦

第13回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会
会長 佐武利彦(富山大学学術研究部医学系 形成再建外科・美容外科)

このたび、2025年の第13回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会の会長を拝命しました富山大学学術研究部医学系 形成再建外科・美容外科の佐武利彦です。「本学会総会」を2025年10月30日・31日の両日に、「ブレストケアナース・医療スタッフ向けプログラム」を10月31日・11月1日に、富山国際会議場にて開催させていただきます。関連行事として「市民公開講座、患者さんとご家族・市民参画セッション」を11月1日、「ピンクリボンウォーク」を11月2日に行います。生まれ故郷、富山での本学会開催は私の長年の夢でしたので、皆さまを富山に迎えるのを、今からとても楽しみにしております。

2013年の乳房インプラント保険収載から10年が経過し、2020年には遺伝性乳がん卵巣がん症候群に対する予防的乳房切除と乳房再建が保険適用となり、さらには鏡視下およびロボット支援下手術、ラジオ波焼灼療法、脂肪注入などの新技術導入により、乳がん治療と乳房再建の選択肢が多様化しています。一方で現在、日本人女性の9人に1人が生涯で乳がんに罹患すると言われていますが、日本の乳房再建率は先進国の中でも低く、現在も乳房切除術の十数%に過ぎません。その大きな理由の一つに「再建に関する正しい情報が患者さんに届いていない」ことが挙げられます。乳房再建は地域や医療施設による「情報の格差」が顕著にあり、「患者さんご家族が希望する治療を受けられない状況」が存在しています。

この状況を改善するために、一般の方々に乳がん治療と乳房再建を正しく理解してもらい、広く国内に普及させるための継続的な取り組みが必要です。そこで「本学会総会」のテーマを「Raising the bar in oncoplastic breast surgery」とし、まず日本の乳がんおよび乳房再建治療全体の底上げを目指し、医師(乳腺外科医、形成外科医、放射線科医、リハビリテーション医、その他)、チーム医療の要となるブレストケアナース・医療スタッフ、患者さんが集えるプログラム、セッションを企画しました。COVID-19の影響が落ち着く中、国内外から乳腺外科・形成外科のエキスパートのみならず、未来の医療を担うNEXT GENERATIONの若手医師も富山に招聘し、広い視野で乳がん治療と乳房再建の「今」について討議し、未来を想像+創造したいと思います。

富山は黒部峡谷(宇奈月温泉)が10月末から紅葉シーズンで観光が楽しめます。また寿司や刺身などの新鮮な富山湾の海の幸、山の幸、美味しい日本酒などを楽しんでいただけます。学会と合わせて富山を堪能していただければと思います。スタッフ一同、皆さまの富山へのお越しを心からお待ちしております。
「富山に来られ(来てください)!」

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