医局員の声Voice of members
角谷 成紀 同愛記念病院泌尿器科 |
泌尿器科と最初の密な出会いは、M3の臨床実習でした。具体的には、1か月間、同じ科で実習し学ぶというclinicalclerkshipで泌尿器科を選択した頃です。学生時代、特にM3にもなってくると、どこの科にするかという現実的かつ具体的な目標を持つ人が増えてきますが、自分も例外に非ず、決めきれない時期が続きました。折しも、初期研修制度が必須になった時期でもあり、卒後すぐに入局先を決める必然性は薄らいでいました。
様々な科で研修後に決定することも考えましたが、自分の場合、M4の夏には入局先を泌尿器科に決めていました。初期研修中には弊害となった一面もありましたが、3年目以降の進路決定を先に行っておくと、目標が定まり易いと判断したからです。また、当科が得意とする領域が、後腹膜臓器すなわち副腎/腎臓/尿管/膀胱/尿道/前立腺と立体的に広い領域であり、高齢者が抱える問題にまさに重なる領域であることも自分には魅力的でした。
しかし、この事実が衆知でないことが、最近行われた学生の当科への印象アンケートで明らかになっています。STDが当科と関連性があることは有名事実ですが、都内関連病院の当科外来患者の大半は、非STD患者であることはあまり認識されていないようです。治療内容もまさに保存的加療から外科手術まで多岐に亘ります。特に、尿路を使用する泌尿器特有の内視鏡手術や腹腔鏡手術も今後さらに症例が増えることが予想されます。
現在、私は関連病院である同愛記念病院に勤務しており、結石や排尿障害といった良性疾患から各臓器の悪性疾患まで幅広い領域を学ばせて頂いています。結石や血尿関連の救急が非常に多い当院は、城東地区最大の泌尿器科でもあるため、週2回の定時手術に加え、緊急手術も多く、思う存分泌尿器科臨床に従事しています。将来的には、臨床のみならず、研究の分野にも精を出したいと考えております。
他大学出身の先生方が多数、当科に入局されていますが、鉄門に在籍する学生さんや研修医の先生方も是非一度当科の門戸を叩いてもらいたいと願ってやみません。それには、学生実習の域を超えたclinicalclerkshipや臨床研修での当科選択が、良き第一歩であると考えます。泌尿器科への固定概念が変われば、探究心や興味につながる可能性があります。若い方の力、医局員一同お待ちしております。