本研究の紹介
研究背景
災害時保健活動マニュアル(以下マニュアル)の策定及び活用推進は、災害時保健活動の主体となる自治体の対応力及び準備性を高めることに直結します。すなわち統括保健師を含む災害時保健活動の体制づくり、発災後のBCPを含む保健活動の実施計画、保健師等従事者の研修、災害時の業務マネジメント及びメンタルヘルス等支援、関係者との連携・協働等において自治体の災害時保健活動を促進する要となります。
しかしながら、地域防災計画にマニュアルの位置づけが記載されていない自治体も多く、マニュアル策定に着手していない、あるいは策定していても災害時及び平時に充分に活用されていない状況があります。
研究目的
本研究の目的は、災害時において自治体の保健活動推進を図る災害時保健活動マニュアルの策定及びその活用を災害時及び平時において推進する方法及び体制を明らかにすることです。
研究目標
本研究の最終目標は、自治体における災害時保健活動マニュアルの策定及び活用推進を図る方法及び体制を手引きや事例集等の実用的なかたちで提示することです。
研究の構成
本研究は、2年間(2022〜2023年度)で構成します。
研究1年目は、実態把握と好事例の検討によりマニュアル策定と活用推進の課題抽出並びにマニュアル策定や活用を実質化するモデルの考案を行います。
研究2年目は、協力自治体へのモデル適用によりマニュアル策定と活用推進の過程及び成果を検証してマニュアル策定と活用推進の実装に向けて必要となる取組過程と体制を明らかにします。
本研究は、下記の分担研究を設定しています。
実態及び好事例の検討
分担研究1:先行知見の整理及び成果物発信の基盤整備
分担研究2:全国自治体を対象とした災害時保健活動マニュアルの策定・活用状況の実態調査
分担研究3:災害時保健活動の実際とマニュアルの比較検証
分担研究4:災害時保健活動マニュアル策定における好事例の検討
分担研究5:災害時保健活動マニュアルの活用推進における好事例の検討
分担研究6:保健師等の災害時の業務マネジメント及びメンタルヘルス等支援の検討
成果のとりまとめ
分担研究7:マニュアル策定と活用推進の課題並びに策定・活用を実質化するモデルの考案
協力自治体へのモデル適用と検証
分担研究8:災害時保健活動マニュアル策定の取組実施と検証
分担研究9:災害時保健活動マニュアルの活用推進の取組実施と検証
最終成果のとりまとめ
分担研究10:自治体における災害時保健活動マニュアルの策定と活用推進に必要な要件の整理及び自治体での活用を推進するための周知
研究班構成メンバー
研究代表者
- 宮﨑 美砂子 国立大学法人千葉大学 大学院看護学研究院 教授
研究分担者
- 尾島 俊之 国立大学法人浜松医科大学医学部 教授
- 奥田 博子 国立保健医療科学院 健康危機管理研究部 上席主任研究官
- 春山 早苗 自治医科大学 看護学部 教授
- 雨宮 有子 千葉県立保健医療大学 健康科学部看護学科 准教授
- 吉川 悦子 日本赤十字看護大学 看護学部 准教授
- 岩瀬 靖子 国立大学法人千葉大学 大学院看護学研究院 講師
研究協力者
- 草野 富美子 広島市東区厚生部長(事)地域支えあい課長 広島市東福祉事務所長
- 相馬 幸恵 新潟県新発田地域振興局健康福祉環境部 副部長・企画調整課長
- 簗場 玲子 宮城県保健福祉部疾病・感染症対策課 技術副参事兼総括課長補佐
- 立石 清一郎 産業医科大学 産業生態科学研究所 災害産業保健センター 教授
- 五十嵐 侑 産業医科大学 産業生態科学研究所 災害産業保健センター 助教
- 井口 紗織 千葉大学運営基盤機構ダイバーシティ推進部門 特任助教
研究補助者
- 花井 詠子 千葉大学大学院看護学研究科 博士後期課程院生