堕落した検察官の教育

検察官教育における当事者意識
検察官が傲慢を通り越して堕落してしまったと私が考えるのは,北陵クリニック事件の再審開始活動を通して,彼らの異様な行動を目の当たりにしたからだ.
私を藪医者呼ばわりし,あまつさえ神経難病患者の人権を蹂躙しながら今日も何事もなかったように仕事を続けている.これを堕落と言わずして何を堕落と言おうか.何も北陵クリニック事件に関わる検察官だけがとびきり堕落しているわけではない.それは弁護士の目の前で裁判官を騙して冤罪を創ってやると宣言する検察官が何も処分を受けていないことからも明白である.

 ではここまで堕落した検察官を生み出した責任は誰にあるのか?当然我々市民にある.検察官は法務官僚であり,官僚の監視は他の省庁の官僚や政治家の監視同様,彼らのスポンサーである市民の義務だからだ.

ロッキード事件や「薬害エイズ」事件を見てもわかるように,真相の隠蔽によって検察の守護神となってきた報道機関に対して,いまさら検察の監視役をやれというのは,マツダスタジアムのカープ・ジャイアンツ戦でジャイアンツファンに球審を務めろと頼むようなものだ.「バカなマスコミ」は「国民の皆様」と一緒になって「事件」の度にどんちゃん騒ぎを繰り返すだけだ.さらに裁判官にも検察官の教育は期待できない.彼らのほとんどは検察の恫喝の前にひれ伏すだけだからだ.

だから検察に対して当事者意識を持った我々が我々自身で検察官を監視する.私は私を藪医者呼ばわりするような堕落した検察官の教育に責任を持つ.

捏造診断を笠に着る検察官と裁判官
北陵クリニック事件で一介の麻酔科医が捏造した筋弛緩剤中毒というガセネタを支持する医師はもはや世界中に誰一人としていない.「こんなのが筋弛緩剤中毒のわけないだろ,池田君,
MELAS (Mitochondrial myopathy, Encephalopathy, Lactic Acidosis, Stroke-like episodes)に決まってるじゃないか」とは,ミトコンドリア病の世界的権威で,私に筋病理を教えてくださった恩師,埜中征哉(のなかいくや)先生である.

私の神経学の恩師であり,沖中重雄先生の高弟である塚越 廣先生は,東京医科歯科大学神経内科同門での症例検討会で私がこの事件の症例を発表した際に「検察は何を馬鹿なこと言ってるんだ.あんたが教育してやれ」と私を叱咤激励してくださった.

再審請求審で検察側証人として意見書を提出した後藤雄一氏(国立精神・神経医療研究センター)は埜中先生のお弟子さんである.その意見書には筋弛緩剤中毒の「き」の字もなかった.そして末尾には「ミトコンドリア病を否定できない」とあった

ミトコンドリア病は私一人の診断ではない.世界中の神経内科医・小児神経科医が支持している診断である.
加藤裕、金沢和憲、荒木百合子の3人の検察官は,意見書の中でそれを否定し,河村俊哉(裁判長),柴田雅司小暮紀幸の3人の裁判官は,私を裁判所に呼び出して尋問もせず,検察官の意見書を丸写しにした再審請求棄却決定の中で,やはりミトコンドリア病の診断を全面的に否定し,筋弛緩剤中毒の診断は絶対に間違いないと断定した.これを堕落と言わずして何と言おうか.

法的リテラシー