ボーア効果
【ボーア効果(Bohr effect)とは】
ヘモグロビンの酸素との平衡定数が、pH低下や温度上昇、並びに解糖系(Embden-Meyerhof経路)の中間体である2,3-ジホスホグリセレート(2,3 Diphosphoglycerate; 2,3-DPG、別名,2,3-ジホスホグリセリン酸塩、2,3-ビスホスホグリセリン酸; 2,3-BPG)濃度上昇によって上昇する現象です。この結果、ヘモグロビンの酸素親和性が低下しヘモグロビンは酸素を解離しやすくなります。酸素濃度と結合比率のグラフを書くと、酸素解離曲線が右方へ移動するため右方変移と呼びます。酸素需要が亢進してる部位(内呼吸が亢進している部位。この部位ではCO2蓄積によるpH低下、発熱による温度上昇、解糖系の活性化などが起きていると考えられます)でヘモグロビンは酸素を遊離しやすいという合目的な反応と考えられます。この反応とアロステリック効果のため、ヘモグロビンによる末梢への効率良い酸素運搬が可能になっています。