Evans症候群
特発性血小板減少性紫斑病(もしくは免疫性血小板減少性紫斑病;ITP)に自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を合併する病態です。血小板減少症と溶血性貧血が同時に認められるため、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)との鑑別が難しく、しかし治療法が大きく異なるのでその鑑別は極めて重要です。ITPに認められるPAIgG上昇などに加え、AIHAに認められる直接抗グロブリン試験(直接クームス試験)が陽性になることがEvans症候群の診断の一助となります。しかしAIHAの数%が抗グロブリン試験陰性AIHA(クームス陰性AIHAとしばしば呼ばれます)との報告もあるため抗グロブリン試験のみでは診断には至りません。TTP診断に有用であるADAMTS13測定が必要です。