先天性凝固第XI因子欠損症
【先天性凝固第XI因子欠損症とは】
先天的に先天性凝固第XI因子が欠損・低下している遺伝性疾患です。血友病Cと呼ぶ場合もあります


【遺伝形式】
常染色体劣性遺伝形式をとります


【臨床症状】
一般的に自然出血は稀で、鼻出血や血尿、口腔内出血、抜歯後止血困難など比較的軽い出血症状を呈します。また無症状の例も認められます。関節・筋肉内出血は稀です。外傷や外科的手術など観血的手技の場合には、出血症状を認めますが、遅発性の出血を認めることもあります


【検査所見】
  • PT正常、APTT延長

  • 延長したAPTTは補正試験で補正される
    ループスアンチコアグラントおよび後天性血友病の鑑別のために施行してください。凝固時間が測定できる施設では特別な試薬がなくともAPTTの試薬さえあれば施行可能です。

  • 凝固第XI因子活性低下
    多くの施設では外注検査と思われますが、確定診断には必死です。他の因子活性との比較になりますので、内因系凝固因子の同時測定を行った方が良いと考えます。

  • 凝固第VIII因子その他の凝固因子活性は正常

【鑑別疾患】
  • 血友病A血友病B凝固第XII因子欠損症、その他の因子欠損症
    治療法が異なるので鑑別は必要です。各凝固因子の測定が必要です。です。

  • ループスアンチコアグラント
    APTT延長延長が認められます。一般に出血傾向は呈さず、血栓傾向を呈することが多い病態ですが、時に出血傾向を呈する場合もあります。検査では補正試験で補正されないAPTT延長を認めます。無症状の症例も多く術前検査で偶然見つかる場合も多くあります。血友病では出血傾向、本病態では血栓傾向と反対方向のベクトルを示すため、術前検査などでAPTT延長を認める場合は血友病を含む因子欠損症かループスアンチコアグラントなのかの鑑別は重要です。

  • 後天性血友病
    凝固第VIII因子に対する自己抗体が出現する病態です。一般に強い出血傾向を呈し、検査では補正試験で補正されないAPTT延長を認めます。

  • フォンビルブランド病
    凝固第VIII因子の安定化因子であるフォンビルブランド因子の量的低下もしくは質的異常を呈する病態です。いくつかのタイプに分類されますが、APTT延長や軽度の出血傾向など臨床症状など似た病態を呈します

【治療】
濃縮因子製剤はありません(海外にはあります)ので新鮮凍結血漿の補充が必要となる場合があります。