PT正常、APTT延長
ただしAPTT延長はフォンビルブランド因子抗原量や活性に直接依存するものではなく、付随して低下する凝固第VIII因子活性に依存するため、必ずしもAPTTが延長するものではありません。APTTが基準値内である症例を経験することもしばしば経験します。延長したAPTTは補正試験で補正されます。
血小板数は正常です。ただしtype2Bでは血小板数の低下を認め、塗沫標本では引き終わりに凝集を認めます。
確定診断および病型分類のためには、フォンビルブランド因子抗原量、同活性、凝固第VIII因子活性などの測定が必要です。これらの検査所見については表にまとめています。
フォンビルブランド病 病型別の検査所見 |
---|
病型 | |
vWF活性 |
vWF抗原量 |
vWF比活性 (活性/抗原量) |
vWF高分子 マルチマー |
第VIII因子活性 |
Type1 |
低下 |
低下 |
≈1 |
低下 |
低下 |
Type2 | A |
低下 |
正常~低下 |
<0.3 |
低下 |
正常~低下 |
| B |
低下 |
正常~低下 |
0.3-0.7 |
低下 |
正常~低下 |
| M |
低下 |
正常~低下 |
<0.7 |
正常 |
正常~低下 |
| N |
正常 |
正常 |
≈1 |
正常 |
低下 |
Type3 |
著減 |
著減 |
算出不能 |
著減 |
低下 |
vWF:フォンビルブランド因子。上記の表は典型的な場合の変化です。またフォンビルブランド因子高分子マルチマーを解析するマルチマー解析は保険適応はありません
。