<2015年10月掲載>
公衆衛生を学んだら、世界を舞台に仕事ができる
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻2期生2年コース修了
世界保健機構 湊 夕起 さん
家族の介護の体験で感じた「人が健康に生きるには?」という漠然とした疑問が、その後の海外生活で多種多様な文化や生活様式に触れた時、社会生活と健康との関係や、保健医療に関する社会のしくみへの興味につながりました。学部では、『健康』をテーマに学術横断研究を試みましたが、その後、社会への働きかけ方をより具体的に模索するなかで、予防から生活の質にいたるまで、広範に人々の健康にアプローチができる公衆衛生に魅力を感じました。東大SPHでは、様々な健康問題の真実をどのように見、科学的な根拠に基づいて 判断するか、集団にアドバイスをするために信頼のおけるデータが必要であり、そのためには調査の質が大切となることなどを学びました。世界保健機構(World Health Organization)の ジュネーブ本部に勤務する今、対象となる集団の単位は国、複数の国をまたぐ地域、そして世界全体へと大きくなりましたが、SPHで得られた視点や考え方は日々の業務の土台になっていると感じています。世界規模で保健プロジェクトを進める現場では、様々な立場のステークホルダーが交わり、目標の共有や合意が難しい場面が多々ありますが、そのような国際的な討議の場で必要となる公正な視点や判断基準は、SPHでの学びによるものが大きいとも感じています。志を共有し尊敬し合うことができる仲間に出会えたことも、東大SPHで得られた大きな財産です。
1つ前のページに戻る