HOME > 学会案内のページ

学会のご案内

info01

 信州精神神経学会は、平成29年度に第36回を迎え、日本精神神経学会より専門医単位取得対象学会B群に指定された伝統と実績のある学会です。ここに至るまでには、信州大学で初代西丸四方教授の教えを受けた先人たちをはじめとして、長野県の精神科医療を担ってきた多くの人々のたゆみない努力がありました。その沿革を振り返りつつ、本学会のご案内をさせていただきます。

 昭和40年頃、信州大学精神神経科学教室出身の医師たちの間に、長野県全体の精神科医師の懇話会あるいは情報交換ができる会合を持とうという声が上がり、情報交換の場として、年数回の会合が開かれるようになりました。長野県精神科医会の前身です。昭和43年頃から、この会は大学紛争により一時中断を余儀なくされましたが、昭和47年3月、再び有志の呼びかけに応えて、長野県下28の公立・私立の精神科医療機関の医師たちによる長野県精神科医会が発足しました。この会は、日常臨床の場で突き当たる共通の問題をとりあげて論議し、ひいては県内の精神医療の向上・発展を図ることを目的に、長野県下のほぼ全員の精神科医によって構成されました。その学術部門が「信州精神神経学会」と呼称され、当初は、午前に長野県精神科医会総会、午後に信州精神神経学会が、同一会場で開催されました。

 こうして産声をあげた信州精神神経学会は、約10年を経過した昭和56年、正式な学術集会として日本精神神経学会の地方会への登録を果たし、精神神経学雑誌に初めてその「地方会報告」が掲載されました。第1回信州精神神経学会は、当時の原田憲一教授を会長として、「私は分裂病にどうかかわっているか、どう治療しているか」をテーマにシンポジウムが開かれ、記念すべき学会となりました。

 昭和59年、この地方会は1年だけ休会しました。10月に松本で「精神病理懇話会 信州‘84」(のちの日本精神病理学会)を開催することになったからです。それ以後、本学会は一般演題、特別講演を基本プログラムとして、毎年の秋かならず開催されました。天野直二教授就任後の平成14年(第22回)からは、そこに常にシンポジウムが加わり、さらに充実の度を深めました。

 そして、平成18年7月、精神科専門医制度における資格認定更新の取得単位を得られる学会C群(当時)として認定されました。平成19年(第26回)からは、毎年秋の日の一日、朝から晩までのスケジュールで、熱心な討論がなされ、長野県下の精神科医たちの、まさに血の通った学会として存続してきました。

 その後、平成22年の第29回総会の折に、新たに整備された信州精神神経学会の規約が承認を受け、長野県精神科医会は発展的な形で解消しました。このような経過を辿り、本学会は名実ともに長野県の精神科医および精神医療を担う関連職種の人々の中核機関として機能することとなりました。

 学術的側面のみならず、学会総会は、かつて長野県精神科医会が担っていた精神を受け継ぎ、県内外の精神医療にまつわるさまざまな問題に対する議論を行う場です。その意味で、本学会の負う社会的責任は大きいと感じています。併せて、多職種の会員が一堂に集まることで、文字通り「顔の見える関係」が築かれ、このことが長野県の精神医療を円滑に進めることにもつながっています。

2017年4月吉日

信州精神神経学会
会長 鷲塚 伸介


ページトップに戻る