研究内容
本講座では、MRI(機能的磁気共鳴画像法)やTMS(経頭蓋磁気刺激法)・TUS(経頭蓋超音波刺激法)を用いたヒト脳機能マッピングやマクロ神経回路解析を行っています。
「ヒト大脳(反応抑制)マクロ神経回路の解明」
*ヒトの思考や感情などの脳機能は、大脳の神経回路によって実現されており、この神経回路を解明することが本質的に重要です。
*反応抑制とは、不適切な反応を抑制する機能です。前頭前野の代表的な機能のひとつで、しかも比較的単純な機能であり、これを研究対象としています。
*MRIによって脳活動を測定し、大脳皮質をマクロ機能単位に分割し, 磁気や超音波による脳刺激を加えて、神経回路を総合的に解析しています。
*ヒト反応抑制マクロ神経回路を、入力層、出力層、中間層などに分け、網羅的に解明する予定です。
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One critical thing about neuroscience of cognitive functions is to reveal neural circuits in the cerebral cortex. We chose to study neural circuits for response inhibition, which has a long history of research in the field of the prefrontal cortex. By combining fMRI, various imaging analysis tools and transcranial magnetic/ultrasound stimulation, we are pursuing comprehensive understanding of macroscopic neural circuits for response inhibition in humans.
「ヒト視床下部を中心とした神経回路の解明」
*視床下部は食欲などの生存に不可欠な自律神経機能を実現するための人体の中心部分で、大脳などの中枢神経、さらには胸部や腹部の各臓器に働きかけています。
*ヒト視床下部という小さな構造の中には様々な役割を持つ核が存在しており、高解像度MRIによってそれぞれの核ごとに解析しています(世界初です)。
*満腹中枢、摂食中枢などの代謝に関わる核について、大脳機能との関連を解析しています。また、臨床講座との共同研究により、2型糖尿病との関連、さらには認知症との関連についても解析しています。
*視床下部には概日リズムの中心となる視交叉上核があり、概日リズムついても研究を進めています。
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The hypothalamus is a center of our human body, which performs autonomic functions by interacting with various parts, from the cerebral cortex to abdominal organs. Using our method of isolating fMRI signals from individual hypothalamic nuclei, we are pursuing exploration of hypothalamic functions, especially in relation to T2DM.