インスリンの転倒混和は大事

2013-04-06

東北厚生年金の事例。「血糖はゼロになりうる」

第50回日本糖尿病学会東北地方会J-STAGE公開日 2013-04-05

インスリンの混合型の白い部分は結晶になったインスリン。濃い。ザラメの様な物。
冷蔵庫にしまう(←使っている最中の物は常温でというのが指導)、混和していない(←泡立たない程度に、よく転がしましょう)。2つの違反が重なり、かつ、著しく良いA1c・JDSで5.8%を、高用量1日44単位で達成していた。
インスリンは枯渇している1型(インスリン依存型)で1単位/kg、枯渇していない2型(NIDDM、非依存型)で導入時0.2単位/kg、漸増させて0.5単位/kgくらいが目安である。
通常、朝2:夕1の割合で分配する。そして一日のカロリーも朝昼夕均等に1200kcalなら400:400:400に食べる様にお願いする。インスリンが22:22になっている。これは夕食をたっぷり食べて朝昼が少なかった事を追認して行った結果だろう。

良くしようとすると総死亡が増えてしまうが、この事例では本当に死にかけた。
逆にいうと、インスリンの他殺や自殺は既遂し難いという再々検証になる。遷延するのはSU剤であり、救急の現場でも経口血糖降下薬は代謝が遅いので必ず入院させろというのが鉄則である。
製薬各社が透明で混和しなくていい新商品を押す訳である。


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