広告:食品による窒息事故に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての御意見・情報の募集について:平成22年3月25日から平成22年4月23日までの間:内閣府食品安全委員会事務局

「食品による窒息事故に関するワーキンググループ」

2009-07-08

食品安全委員会で内閣府からの依頼で「食品による窒息事故に関するワーキンググループ」[pdf]が開かれている。小泉委員長によるとコンニャクゼリーに関する評価が依頼の発端だったが7件と事例が少なく、数千件ある食品全体の「窒息事故の要員を明らかにして、提言防止に関する意見を取りまとめる」ように調査審議を進めるように6月10日に決定された。

第二回目7月8日は気管食道の解剖機能について2人の耳鼻科領域の専門家が、また食品の物性について2人の家政学の研究者からの発表があった。

こんにゃくゼリーに付いては、カップから吸い取るという行動自体が気管への吸引を招き易い。バリウムに近い嚥下動態であり、弾性ゲルでflexibilityが高く表面が滑らかで口腔内の移送が速やかで嚥下反射惹起が遅れ、下咽頭でマシュマロがC波が起こるのに対して、食道入口部に至ってからコンニャクゼリーは起こす。弾力性があるので食道から下に送り込むのにより高い圧力を要するのに、入口部開大時間は短いので送り込めないで終わる。としていた。唐帆先生はこう纏めた上で、「90年代後半にやった実験に比べて、今回の方が柔らかく砕け易いので、自分が呑んだが危険を感じにくくなっていた。改良されていた。」と付け加えていた。

一方食品の物性の大越先生は、特に高齢者での事例が多い餅とパンに付いては、うるち米を使った付着性を落とした「餅」の紹介が行われた。特に、「雑煮」の状態で水分が多く60度と暖かい餅は口に入れた直後は柔らかく表面が潤滑になり呑み込み易い。しかし、咀嚼し餅が冷めて体温前後になると、付着性が強く固くなる。良く伸びるという事は砕けにくいので詰まるとしていた。 パンの場合は少し水分を含むと付着性が増し、まとまり易くなる。ビスケットは粉々になるが、パン粉に水をかけるとダマになるのが例えとしてはいいかもしれないが、なまじ少しの水や唾液で慌てて呑み込むと、塊のままで下咽頭を占拠してしまい、水が入ると膨らんでよりくっ付くようになってしまうらしい[pdf]。 後から水を飲むのはカステラや焼き芋など他の付着性の強い噎せ易い食品ではいずれも、逆効果で「民間療法は事態を悪化」させるらしい。

いずれにしても、嚥下の前の十分な咀嚼粉砕と唾液との混合が必要であるとしていた。

食品として扱うには幅が広い、食品だけでなく食文化や食行動・容器に至るまで窒息の可能性が高いと意見交換がなされたあと、児童虐待にまで話が及んでいた。虐待により啼泣している所に、口の中に泣き止むかと七味唐辛子を注ぎ込まれ、それを吸い込んで窒息に至った事例もあるらしい。しかし食品だからと、事例事例に縛られると一般的な科学的評価が出来ないのが食品安全委員会の悩みでもある。

この回の傍聴者は四,五十名ほどであった。

この案件に付いては、内閣府国民安全局[pdf1][pdf2]や厚生労働省でも検討を重ねている。


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