「川甚」の閉店
−42万人死亡説の「政治的正しさ」と「日本の支配エリート」の正体について
1.名門料亭の閉店2.内閣人事局乗っ取り3.田村智子議員の予知能力4.神風, 5.「日本の支配エリート」とは?
はじめに
コロナ禍のただ中で大々的に発表され,新コロ真理教団の根本原理となっている42万人死亡説は、内閣総理大臣をも畏怖させる程の「政治的正しさ」を獲得した。日本の支配エリートはこの42万人死亡説の「政治的正しさ」を存分に活用し,感染症村の利権獲得を自らの功績に仕立てた。本稿では葛飾柴又の老舗料亭が閉店に至るまでの事例検討を通して,42万人死亡説の罪を検証する。

1.名門料亭の閉店

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男はつらいよ・漱石作品に登場…柴又の名料亭閉店へ 読売新聞 2021/01/29
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、長年の歴史に終止符を打ち、閉店を決める老舗の飲食店が相次いでいる。江戸後期の創業以来、約230年にわたって愛され、映画「男はつらいよ」にも登場した東京・柴又の料亭「川甚かわじん」もそのひとつ。8代目社長は考えた末に、今月末での閉店を決めた。(中略)
「一生懸命やってきてくれたけれど、申し訳ない」。12月20日、従業員約20人を集めて頭を下げた。ともに店を支えてくれた仲間たちは黙って耳を傾けてくれた。先祖が眠る墓を訪れ、「ごめんなさい」と手を合わせた。天宮さんは「8番目の走者の自分が、次の走者へバトンを渡せずに棄権することに対する葛藤はあった」と胸中を明かすが、退職金を支払える余力があるうちに、という自身の決断に「後悔はない」と語る。
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震災も戦災も耐え抜いてきた川甚は、新コロ憲兵隊により目の敵にされた「会食」を生業としてきた、立派な日本の「企業」である。
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コロナ禍が日本社会に与えた影響は計り知れない。特に経済では消費税増税と重なり大不況となっている。日本の支配エリートはコロナでもたない企業は潰れて良いと思っている現実。「高プロ」も愛国教育も、支配エリートの新「帝国主義」への布石だと喝破する松尾匡氏は日本のマルクス経済学者の白眉である。(松尾 匡 左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学 講談社現代新書の宣伝文句より)
池田注:この本が出版されたのは2020年11月18日。既に失業率の上昇と自殺者の増加はその3ヶ月前に明らかになっていた。つまり実際に「コロナで持たない企業」がどんどん潰れている最中に出版された
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では、その「日本の支配エリート」とは一体誰なのだろうか?それは他でもない。時の総理が支配していたはずの内閣人事局をいつの間にか乗っ取ってしまった組織である。
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2.内閣人事局乗っ取り
2020年12月21日は戦後の政治史の中で記念すべき日になった。国家公務員である感染研の定員が361人増員され2倍の716人になったと内閣人事局が審査結果を発表したのだ。国家公務員の定員純増は42年ぶりの大事件であること、それは共産党の功績であることは先に説明したが、その経緯は不明だった。
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中央省庁の幹部候補600人の人事は、内閣人事局が官房長官のもとで一元管理し、各省庁の局長以上の幹部候補者名簿を作成し、首相や各大臣が協議して決定することになっている。検察という独立性を要求される組織を抱える法務省といえども、逆らうわけにはいかない』(村山治 上川法相が林刑事局長の次官昇格を拒否か、検事総長人事は?法と経済のジャーナル 2018/1/18
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内閣人事局と言えば菅義偉、菅義偉と言えば内閣人事局「だったはず」赤レンガに喧嘩を吹っかけた意外な伏兵)。その内閣人事局が、なぜ?、よりによって菅政権下で、感染研のみに、それも361人の純増で2倍の716人にという「魔法」を許したのか?またまた政界の暗闘劇かと思いきや、実は極秘でも何でもなかった。秘密も何も、日本共産党機関紙にそう書いてある。(下記)

3.
田村智子議員の予知能力
2019/4/9 感染研定員削減に関する田村智子議員の質問(第198回国会 内閣委員会)
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感染研の予算削減批判去年の田村議員質問が話題にラジオ番組出演 しんぶん赤旗 2020年5月24日(日)
日本共産党の田村智子政策委員長は21日夜、FMラジオ・J―WAVE番組「ジャム・ザ・ワールド」で、政府のコロナ危機への対応や検察私物化を狙う検察庁法改定案についてジャーナリストの堀潤氏と語りました。堀氏は「日本共産党田村智子議員の質問がまるで今の状況を予言しているかのようだと話題になっています」と述べ、田村氏が2019年の国会質問で、国立感染症研究所の人員・予算の削減を指摘し、「これで十分な対応ができるのか」とただしていることを紹介し、質問の理由を問いました。
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田村議員は、既に2019年の時点で、感染研の人員・予算の削減に対し、「国民の命を脅かす暴挙」だと指摘し、この日が来ることを予言していた。そこへあの憎い国から、千載一遇の好機がやってきた。そして2020年4月15日、今も「コロナとの戦い」で獅子奮迅の活躍を見せている西浦 博 京都大学大学院教授(当時は北海道大学大学院教授)42万人死亡予言が発表された。これで全てが上手く行くはずだった。しかし、予言通りにはならなかった。第一波の死亡者数は1000名に届かなかった。8月の第二波が収束し、官邸から5類格下げの方針が発表された2020年8月28日の時点でも死亡者数は1254名、それから2ヶ月経った10月28日、国内最初の死亡者が確認されて8ヶ月以上が経った時点でも1732名。同日開催された感染症部会で配布された資料でも、新コロは格下げ方針は明らかだった。
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2020年
●1/28 新コロが指定感染症に(施行通知
●4/7  緊急事態宣言を7都府県に発出
●4/15 西浦 博 北海道大学教授(当時 現京都大学大学院教授)が記者会見で「人と人との接触を8割減らさないと、日本で約42万人が新型コロナで死亡する」という予測を発表
●4/16 緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大。
●5/21 東京高検 黒川弘務検事長 賭け麻雀報道←安倍政権の落日
●5/22 5月中の裏口承認を目指していたアビガンが申請できず←安倍政権の落日
●5/25 緊急事態解除宣言
●6/27 中川俊男氏が当時の首相と大の仲良しだった前会長を破って日医会長に当選
●7/2 中川会長が三副会長とともに安倍総理、菅官房長官と相次いで会談
●8月 第一波に対する緊急事態宣言の影響で失業率が上昇し、特に25〜34歳の女性は、前月と比べ1.0ポイント悪化し、年代別・男女別では最も上昇幅が高かった。また、特に女性の自殺が急増した(都市封鎖と失業率の上昇・自殺率の重症にはタイムラグがある) 一方、 8月のなんちゃって第2波は緊急事態宣言無しで収束
●8/27 厚労省が2類見直し→季節性インフルエンザとの同時流行の可能性を考慮し5類への引き下げも検討していることを表明
●8/28 2類感染症以上の取扱い見直し検討(新型コロナウイルス感染症対策本部) 同日安倍首相退陣表明
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<新型コロナ>厚労省「2類相当」見直し検討 インフル相当の「5類」への引き下げの考えも 佐賀新聞 2020/8/27 (共同通信)
 厚生労働省は26日までに、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けの見直しを検討することを決めた。現在は「指定感染症」となっており、危険 度が5段階で2番目に高い「2類相当」。入院勧告ができるが、感染者数の増加に伴い医療機関の負担が重くなっている。このため多数を占める軽症や無症状の 人は宿泊施設や自宅での療養とし、入院は高齢者や重症化リスクが高い人に絞ることなどが想定される。
厚労省に助言する専門家組織で議論し、結論を踏まえ政府として「できるだけ速やかに対応する」(加藤勝信厚労相)方針だ。政府内には2類相当からインフルエンザ相当の5類への引き下げを容認する考えが出ている。新型コロナ患者は国内で1月に初めて確認され、その後、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ2類感染症と同等の扱いとなった。原則として入院などの措置を取ってきた。
その後、国内の感染者は6万人を超え、無症状や軽症の患者も多いことが判明。一部は宿泊施設などで療養してもらう運用が既に始まっているが、冬になればインフルエンザの流行で医療体制がさらに逼迫(ひっぱく)する恐れもあり、分類の見直しを求める声が出ていた。
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●8/31 学術会議が候補者105人の一覧表を安倍首相(当時)に提出
●9/1 日医会長中川氏が2類相当見直し拒否を厚労省に伝えるとともに財務省に予備費の活用を求める
●9/16 菅義偉内閣発足
●9/28 内閣府から日本学術会議に6人を除外し99人を記載していた任命対象者の名簿が送付された→日本の支配エリートの逆鱗に触れた
●10/28 第49回厚生科学審議会感染症部会配付資料8月28日の新型コロナウイルス感染症対策本部の方針そのもので2類相当見直しと「感染防止と社会経済活動との両立にしっかりと道筋をつける」と提言
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4.ハイパーインフレ神風
と、ここまではまだ前首相による5類格下げの指示が生きていたが、ハイパーインフレ第3波の神風とともに「日本の支配エリート」の大逆襲が始まった。その結果,車寅次郎(*)ゆかりの川甚の閉店が決まった。(*ギネスブックに認定されている映画シリーズの監督は熱心な共産党支持者である)
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●11/18 ハイパーインフレ第3波の始まり:全国の新規PCR陽性者数は2179人と過去最多を更新。
●11/19 日医中川会長のバーベキュー攻撃発言
●11/26 川甚も東京都からの要請に伴い、 11月28日より閉店時間を20時、酒類の提供は19時迄とすることに決定(東京都 コロナ対策で再び時短要請へ 飲食店からは落胆の声も NHK 2020年11月26日
●12/17 第50回厚生科学審議会感染症部会49回から一転して新コロ→新型インフルエンザと同等にと宣言。配付資料から「感染防止と社会経済活動との両立」の文言は全面的に削除)厚労省が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、2021年1月31日に期限を迎える指定感染症の指定を1年間延長することを提案し、了承された。前回の部会から2ヶ月も経たずに5類潰しが決定した。
●12/20 菅政権支持率が政権発足時62%→3カ月で38%まで下落
●12/22 川甚2021年1月末を以て閉店することを決定
●12/24 感染研定員倍増としんぶん赤旗が報道
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国立感染研の定員倍増 来年度 共産党、繰り返し要求
 (しんぶん赤旗 2020年12月24日)
 感染症対策の強化のために、来年度、国立感染症研究所(感染研)の定員を倍増するなど厚生労働省の体制が強化されることになりました。日本共産党の田村智子副委員長、小池晃書記局長らが繰り返し体制強化と増員を求めてきたものです。
 来年度、感染研の定員は361人増員(うち研究者約300人)され、7人の定員削減はありますが、総勢716人の体制となります。研究者の6割は、4月に新設された感染症危機対応のための感染症危機管理研究センター、積極的疫学調査などの感染症サーベイランスを担う感染症疫学センターの体制強化や、感染症専門家養成を行う実地疫学センターを新設するためのもので、感染症対策・危機管理の要としての機能が大幅に強化されます。
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2021年
1/7 指定感染症延長に関するパブコメ募集突然中止
1/15 パブコメ〆切予定(だった)
●1/18 第204回国会(通常国会)開会:新型インフルエンザ等特別措置法改正案と合わせて、新型コロナウイルス感染症の分類を現在の「指定感染症」から、最も実施できる措置の多い「新型インフルエンザ等感染症」に分類しなおす感染症法改正案も審議予定
●1/31 川甚閉店。指定感染症の指定期限だった。
●2/1 特措法と感染症法、検疫法の改正案が衆院本会議で修正案を可決し、参院に送付された。2日の参院本会議でて審議入りし、3日に成立する見通し

5.「日本の支配エリート」とは?
5類潰しと新コロVIP待遇は感染研人員倍増の必要条件あると同時に、企業の倒産・失業率上昇・自殺の増加の十分条件であることは,日本医師会の松本吉郎常任理事が詳しく説明してくださっているのでそれ以上の説明は不要だろう。
●万が一新コロ5類格下げとなれば,新コロ真理教団の根本原理である42万人死亡説の嘘が暴かれ,感染研人員倍増の夢も一遍に吹っ飛ぶ。だから感染症村は5類格下げを要求するパブコメを必死で潰した。
●現職の総理が官房長官時代から手塩にかけて利権化した内閣人事局を乗っ取って感染研人員倍増を勝ち取ったのは日本共産党の功績であると党機関誌が明言している。
●日本一のマルクス経済学者であり理論経済学者である松尾 匡氏によれば、「日本の支配エリートはコロナでもたない企業は潰れて良いと思っている」
川甚は典型的な「コロナで持たない企業」だった。共産党にとって,一映画監督の面子なんぞ,どうでもよかったのだ。

こと対新コロ政策&新コロ利権に関して言えば「日本の支配エリート」」とは日本共産党に他ならない。菅義偉首相など共産党の傀儡政権に過ぎない

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一走狗功成って万骨枯る
会員のマインドは「左寄り」で「唯我独尊」、日本学術会議は民営化して一から出直すべき 唐木英明元副会長が激白(zakzak 2020/11/2)
新コロバブルの物語
表紙