ジョー・バイデンのパーキンソン病認知機能障害:殿御乱心の理由と第二次南北戦争を理解するために
Here's another elephant in the room: Joe Biden's Parkinson disease with dementia
総統閣下と同じ病気を「報道しない自由」に文句を言うのなら、その事実を公開すればいいだけのこと

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要 約
2020年に行われた米国大統領選 挙における最も深刻な問題を象徴するのは投票・開票の不正ではない。ドナルド・トランプの対抗馬として,呆け老人を大統領候補として立てざるを得なかった ことである。この問題に対して誰が悪いだの責任が誰にあるという議論は全て無駄である。民主党候補選考の時点で,
ジョー・バイデンが合衆国大統領の任務に耐えない,というよりうっかり人前に出せないほどの重い認知機能障害を負ったパーキンソン病患者であることは既にわかっていた.この厳然たる事実を放置したまま、どんちゃん騒ぎを繰り返した合衆国市民一人一人が,自らの愚(*)を悟らない限り、第二次南北戦争は終わらない。(*「愚痴に帰る」 鶴遊山長善寺のサイトより)

目次:はじめに 総統閣下と同じ病気 既に治療も受けている 認知機能障害も明らか 最悪シナリオへの備え おわりに おまけ ブーチンもただのパーキンソン病

はじめに

パーキンソン病は今や「パンデミック」が懸念されるほどありふれた病気である。その診断も決して難しいものではない。公開されている資料から、バラク・オバマの下で副大統領を務めたジョー・バイデン氏が,8年前あるいはそれ以前から、第三帝国総統閣下と同じくパーキンソン病を患っている証拠は世界中に公開されている。振戦が8年以上も持続し、左側優位でその後右側に進展していることから、薬剤性パーキンソン症状や本態性振戦などではなく、パーキンソン病であることは間違いない。その証拠の動画におけるプレゼンテーションはセンセーショナルなどころではない。むしろ一貫してhypothesis仮説という謙虚な表現がなされている。さらにタイトルのParkinson diseaseの後には御丁寧に疑問符までついている。しかし、下記の公開資料は誰が見てもバイデン氏がパーキンソン病を患っていることの(動画も含めて(^^;)動かぬ証拠である。以下、「パーキンソン病は変性疾患だから両側性に来るはずで片側性の発症はおかしい」等(下記参照)という素人からの馬鹿げた言い掛かりがつかないように、少し専門的な説明となるので、興味のない方は飛ばしてバイデンは「露払い」を読まれたし。なお,ここではバイデン氏が認知機能障害を伴うパーキンソン病か、レビ−小体型認知症か,はたまたパーキンソン症状を伴うアルツハイマー病か等といった議論は行わない.そんな不毛な議論は臨床ができない暇人にお任せする.

バイデン氏の病気の診断は(大阪府警科捜研のでっち上げ以上に)明らかシャブ中総統閣下と同じ病気
Joe Biden is sick - Parkinson’s Disease?←(バイデンが大統領になってから?非公開動画になってしまった。以下は公開されていた時の所見。左手の振戦だけなら,REVEALED: Joe Biden has RESTING TREMORS, symptom of Parkinson’s Diseaseで見られる)
1:30から始まる動画では左手の振戦が明らかである。この振戦は今を去ること75年前,ベルリンの地下壕から最後に姿を現したシャブ中総統閣下の左手に現れた振戦と同一である。なお、パーキンソン病の治療にレボドパが使われ始めたのが1967年だから、総統閣下に投与されたのはレボドパではなく、内因性のドパミンブースター、アンフェタミンだった。お気に入り侍医によってお人好しの総統閣下はシャブ漬けにされたのである。

 閑話休題。バイデン氏の場合,この動画が撮影されたのは2012年9月9日とあるから,発症から今日(2020年12月)まで少なくとも8年が経過していることになる。4:50から始まる動画では右手にも静止時振戦が現れている。その動画で震えている母指の過伸展も錐体外路疾患にしばしば見られる症候(線条体黒質手:striatonigral hand posture) である。これが2017年1月だから、2012年9月に左側片側性だったものが、5年後には両側性に進展していることになる。このような緩徐進行性の経過 は薬剤性パーキンソン症候群では説明できない。また類似の錐体外路疾患、例えば多系統萎縮症ではもっと進行が早い。この動画では他にも、小字症micrographia(6:20)、歩行障害(7:14)公開の場での暴言を含む深刻な精神症状(8:00以降)が確認できる(→後述).

にもかかわらず,定期健診の結果は「食道裂孔ヘルニアと年齢相応の骨粗鬆症があるだけで職務遂行に問題なし」となっている。少なくとも2012年から現合衆国大統領に静止時振戦を認められていることを世界中の市民が知っているというのに(REVEALED: Joe Biden has RESTING TREMORS, symptom of Parkinson’s Disease)。ホワイトハウスの御典医とは何と因果な商売だろうか。

バイデン米大統領、定期健診の結果公表 職務遂行に問題なし CNN 2021.11.21
  バイデン米大統領は19日、就任後初の定期健診を受けた。主治医は結果について、職務を担ううえで一切問題はないとの見解を示した。主治医のケビン・オコ ナー医師は6ページにわたる結果報告の中で、バイデン氏は「健康で活気ある78歳男性」として、大統領の職務を問題なく遂行できるとの診断を下した。

詳しい観察が必要な部分としては、公の場で話す時にせき払いやせきがひどくなってきた点と、1年前に比べて歩行のぎこちなさが目立つ点を挙げた。そのうえ で、「食道裂孔ヘルニア」と呼ばれる胃の変形がみられ、胃酸が逆流するためにせき払いが多くなっている可能性を指摘した。

またX線検査で脊椎(せきつい)の関節炎や、骨に年齢相応の中程度〜重度の摩耗がみられることから、これが歩行のこわばりやぎこちなさの原因のひとつになっているとの見 方を示した。ただし特別な治療は必要なく、神経学的な精密検査で脳卒中や多発性硬化症(MS)、パーキンソン病の兆候といった異常は見つからなかったという。
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上記動画サイトとは全く独立した公開画像・動画の数々もパーキンソン病の診断を支持している

半側性仮面様顔貌(hemihypomimia):バイデン氏の症状は左手に初発したので、仮面様顔貌も左に強く表れる。(2020年1月のThe Atlanticの記事。”What Joe Biden Can’t Bring Himself to Say”の冒頭を飾った写真クリックで拡大)。病態は顔面筋の寡動hypokinesiaだから、病側の眉毛と口角が下がる。それゆえ半側に強い仮面様顔貌は一見、顔面神経麻痺のように見える。
このhypokinesiaの効果は運動時にも筋力低下と同様の効果を示すので、笑うとhemihypomimiaがより明瞭になる(Recognising hemihypomimia as a mimic of 'facial weakness'. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2020 Dec;91(12):1357-1358←この論文自体はopenではないが、画像検索で”hemihypomimia”を入れれば掲載画像が見られる。また、An atypical and interesting feature of Parkinson´s diseaseのFig 2Bでは、笑ったときに初めて、鼻唇溝と口角の左右差(右の鼻唇溝と口角が左に比べて内側に留まる)が明らかになる例が示されている。右の女性の顔をクリックして拡大)
半側性仮面様顔貌(hemihypomimia)については上述のリンクの他、下記の論文も参考にされたし。
Hemihypomimia, a rare persistent sign in Parkinson's disease: Follow up of 11 patients. Journal of Neurology 2007;254(3):347-50

頚部の前傾前屈上掲のThe Atlanticの記事に掲載されたもう一つの写真は、パーキンソン病を含む錐体外路疾患にしばしば見られる前傾前屈姿勢を示している。(クリックで拡大
手の震えを無意識のうちに隠す行動
2020年11月18日のTne New York Times. "Presidential Transition: Biden Plans to Announce Key White House Positions on Tuesday": 動画の開始画面(静止画像)で、左手をポケットに突っ込んでいる。また、途中1:00過ぎには、それまで机の上に置いて(振戦を押さえ込んで)いた左手を ポケットに突っ込んで自分から左の聴衆に向かって話しかけている。また同動画の10:20以降のアイオワ州での支持者との対話の場面でも一貫して左手をポ ケットに突っ込んでいる.
2020年8月のThe New Yorkerの記事:2017年から震えている右手(上記動画サイト04:50)を机に置いて、その5年前から震えている左手をポケットに入れている
2020年1月14日民主党候補討論会:3人のうちバイデン氏だけが左手で演台を掴んでいる。
2019年9月12日民主党候補討論会:3人のうちバイデン氏だけが左手で演台を掴んでいる。
2019年6月28日民主党候補討論会:3人のうちバイデン氏だけが左手で演台を掴んでいる。
大統領就任後の症状:ほんの一部
バイデン氏、階段で繰り返しつまずく 専用機搭乗時 AFP 2021年3月20日

バイデン氏は既にパーキンソン病の診断・治療を受けている
 ここまで症状が進み特別な診断法を必要としないパーキンソン病が合衆国で見逃され放置されるわけがない。確かに1933年から45年まで、4期12年にわたって合衆国大統領を務めたフランクリン=ローズヴェルトは持病の高血圧を放置され、脳出血に斃れた。 しかし、今はそんな野蛮な時代ではない。無保険者をなくすべく粉骨砕身の努力を重ねていたバラク・オバマ氏の下で2009年1月から副大統領を務め、オバ マ氏に万が一のことがあれば核ミサイルのボタンを押すかどうかの判断を求められる人物が,自分自身の健康に対する適切な助言を受けられなかったわけがな い。どんなに遅くとも2012年9月から,おそらくはそれ以前から、バイデン氏は世界最高レベルの医療チームからパーキンソン病と診断され、今日まで治療を受けてきた。もっともその治療の内容はムショ勤めの医者の処方箋と大差なく、どんな名医でもパーキンソン病の進行を止めることができないからこそ、以下のように公衆の面前で醜態を晒すことになってしまった
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殿御乱心:隠しようがないことを隠そうとするのも総統閣下の扱いと同様
 パーキンソン病の症状は米国大統領としての障害になりうる。ただし、それは、運動障害ではない。そのことはフランクリン=ローズヴェルトが 実証している。彼は39歳(1921年)で急性灰白髄炎(ポリオ)に罹患し両下肢が麻痺していたにもかかわらず、その11年後にはフーヴァーを破り、20 年代に続いた共和党政権に代わり民主党政権を実現した。彼は大恐慌を克服し、ナチスドイツとの戦いを勝ち抜き、米国史上ただ一人4選を果たして脳卒中で亡 くなるまでの4422日間(合衆国大統領史上最長の任期)、立派に大統領の務めを果たした(全くの余談だがローズベルトの大統領在職は1933年3月4日 -1945年4月12日。一方ヒトラー内閣発足は1933年1月30日で、彼が地下壕内で自殺したのが1945年4月30日で、この間は4473日)。

An estimated 50 to 80 percent of those with Parkinson’s eventually experience dementia as their disease progresses. Some studies have reported that the average time from onset of Parkinson’s to developing dementia is about 10 years. (Parkinson's Disease Dementia)  
上述のようにバイデン氏のパーキンソン病は発症から8年以上が経っている.さらに発症から10年というのはあくまで平均値だから,核ミサイルのボタンを押 すか否かの判断を委ねるのに十分な認知機能がバイデン氏に備わっていると考えるのは,楽観的を超して危機管理能力の欠如に他ならない.彼が既に認知機能障 害を来しているとの判断が決してトランプ支持派のデマではないことは,上記の動画(注:バイデンが大統領になってからは非公開動画になってしまった)における衝撃的な言動・行動の数々が証明している.
お目付役(handler)の制止を振り切っての御乱心故の暴言・異常行動の数々(8:00,10:00),一般市民に対して公の場でグラスゴーのパブでの喧嘩かと思うほどの汚い言葉の数々と激高(9:00以降),記銘力障害を始めとする高次機能障害(11:00以降.そのほとんどが2020年に撮影されたものであることは,彼のパーキンソン病が今や進行期に至っていることを示している。公衆の面前での失言は上記の非公開動画だけではなく,一般メディアでも公開されている→失言相次ぐバイデン前米副大統領、「もしオバマ氏が暗殺されていたら」(ロイター 2019年8月26日) この動画では00:50から振戦を隠すために左手をポケットに突っ込んで歩く姿も見られる

また,民主党の金城湯池に本社を置く伝統的なメディアであり,選挙前にバイデン支持を明らかにしていたThe Atlantic, The Boston Globeが,彼の政治家としての能力に重大な疑問を呈している
What Joe Biden Can’t Bring Himself to Say. The Atlantic JANUARY/FEBRUARY 2020 ISSUE]
Michael A. Cohen. Time to discuss the issue that shall not be named:Joe Biden's age.The Boston Globe September 14, 2019」。
ボストンを拠点とするガチガチの民主党支持メディアが二つとも「あの呆け爺さんが大統領なんて、ちゃんちゃらおかしい」なんて記事を,それぞれ投票日の10ヶ月前、15ヶ月も前に堂々と掲載していたのだ.つまり、Boston Globeの記事が出た2019年4月の時点で、既に彼が大統領の重責を担うに足る認知機能を失っていたことも、彼の年齢同様に,公表された事実として合衆国民の間で共有されていた

経済系のメディアも大統領選に臨む前のバイデンの失言癖を問題にしていた
米大統領選@:失言のランボルギーニ〜密かに高まるジョー・バイデン不安・・・ 2019年09月02日

 ではなぜドナルド・トランプはジョー・バイデンの認知機能障害を論わないのだろうか?もしかしたら、自分も,自己愛性パーソナリティ障害Narcissistic personality disorder)と,姪のMary L Trumpから非難されているからだろうか?もっとも彼女は一族内の遺産相続で意地悪爺さんと争っているという強烈な利益相反を抱えながら「告発本」を著しているわけだし,そもそも意地悪爺さんが自己愛性パーソナリティ障害だなんて世界中が毎日見聞しているわけで,何をいまさらと誰もが思う。北陵クリニック事件が警察・科捜研・検察・裁判所がぐるになったでっち上げであることは,今や公然の事実である。全く同様にどっちの爺さんの病気も公然の事実だ。そんなもん,記事にしたところで誰が読むものか。問題の核心は呆け老人であることを承知の上で自己愛性パーソナリティ障害爺の対立候補に立てた点にある。通常は極秘にされそうなものだが、今回はそのトンデモ企画の意図も下記に示すようにまた公然の事実となっている。指導者を選ぶ際の根拠も企画も完全な透明性を備えている。ここがナチスドイツとアメリカ合衆国の決定的な相違点である。
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呆け老人の役目は「露払い」
認知症をきたしたパーキンソン病 vs 自己愛性パーソナリティ障害。米国大統領選挙はB級ホラー映画のように見えるかも知れないが、残念ながら太平洋の向こう側で繰り広げられている恐怖の光景は映画ではない。第二次南北戦争という現実である。問題はこの戦争が今後どいういう経過を辿るかだが、まずはより未知の要素が多い、知らない悪魔が勝った方のシナリオを考察する。その際、米国主要メディアである"Time"のPerson of the Yearの写真は非常に示唆的である。なぜなら二人の人物が写っているからだ。写真をタイトルに忠実にするためには、どちらかを消さなくてはならない。
 上述の通り、ジョー・バイデンに合衆国大統領を務める能力が無い(というか、もう人前に出せない)ことは公然の事実である(*)。つまりジョー・バイデンは合衆国初の女性大統領実現のための「露払い」に過ぎないここまでガラスの天井を何十枚もぶち破ってきたであろう彼女のことだ。爺さんのぬいぐるみを食い破って正体を現すのに年単位の時間はかからない。というより、現在の台湾海峡の事態を踏まえれば、年単位なんて、そんな暢気なことは言っていられない。
*この厳然たる事実に反論する者は、北陵クリニック事件の再審請求審で私を藪医者呼ばわりした後藤雄一のような御用学者チンピラ検事と同じ目に遭うことになる。
原因如何にかかわらずジョー・バイデンが突然死さえすれば、あるいは「御乱心」を理由に奴を上手く幽閉/口封じできれば広島・長崎に原爆を落とした第33代の82日間を塗り替えて、史上最短期間で副大統領が大統領へ昇格する。それがタイムの表紙が示すシナリオである。医学的なエビデンスもそのシナリオを支持している。幸い突然死を含めたパーキンソン病患者の死亡率は対照コホートの1.82倍(95% CI 1.55 to 2.13)である(BMJ Open 2018;8:e018969)。今は降圧剤により脳出血を予防できるが,パーキンソン病の突然死の予防薬はない。いや、バイデンは突然死する必要さえない。あれだけの御乱心であれば、就任演説直後に彼がホワイトハウスからナーシングホームに引っ越しても誰も文句を言わない。なぜなら第二次南北戦争の隙を突いて中台戦争のリスクがこの上も無く高まっているのだから、引っ越しに躊躇は無用である。

 それに比べて現副大統領の何とお目出度いことか。彼は指名受諾演説の中で、ジョー・バイデンを極左主義を合衆国にもたらす「トロイの木馬」と批判したが、木馬の中に入っているのはイデオロギーなんて生やさしいもんじゃないってことにまだ気づいていないんだから。そもそもジョー・バイデンに極左主義政策を実行するほどの脳味噌は残っちゃいない。第二次南北戦争停戦の可能性があるとしたら中台戦争だが、いずれにせよ、あの呆け爺さんには米軍最高司令官は務まらない。以上、やっぱり最悪シナリオをクリスタルレイクの底から引き上げるのかよというお話でした。
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おわりに:歴史的文脈から振り返る第二次南北戦争
1776年の独立宣言以来、対立を繰り返してきた独立(たったの)13州の間で散々すったもんだした挙げ句、現行の(!)合衆国憲法が批准されたのが1789年(フランス革命が始まった年!)。ドナルド・トランプが示した孤立主義としばしば比較されるモンロー主義が示されたのが1823年。そして明治維新への米国の介入を妨げた第一次南北戦争が行われたのが1861-65年(黒船来航は1853,54年)。それから150年が経って南部連合に捧げられた像の撤去問題。そして今回の第二次南北戦争。会津と薩摩の間のそれよりも、遙かに醜悪な遺恨が太平洋の向こう側では続いていた。
 あの国が抱えている問題の本質は、200年以上前から何ら変わっていない。2020年の合衆国大統領選挙は我々にそう教えてくれた。それだけでもう十分だ。向こう岸のドタバタから、物理的だけでなく、心理的にも距離を置き、米国同様にでっち上げが横行している日本国内で、もっと生産的な活動に集中すべき時だ。それでも、この貴重な機会に合衆国における政治の病態について、歴史的文脈からもっと知りたいという向学心溢れる方には、以下の2冊をお勧めする。

1.「コリン P.A. ジョーンズ/著 アメリカが劣化した本当の理由 新潮新書 税込み814円 発売日:2012/12/15。発売日を見ての通り、この本はオバマ政権だった時代に書かれた。すなわちトランプバイアスが一切かかっていない。下記はこれも8年前に書かれた「担当編集者のひとこと」である。
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アメリカに民主主義はない?
 アメリカといえば民主主義、民主主義といえばアメリカ。アメリカ人も、世界の人々も、ともするとそう思い込んでいるけれど、実はそうではない、というのが著者の主張です。
  たとえば、日本とは比べ物にならない「一票の格差」も、参政権がほとんど与えられない国民が多数いることも、アメリカではみな憲法で認められた「法の下の 不平等」なのだとか。そもそも合衆国憲法には、民主主義という言葉も出てこなければ、投票権も幸福追求権も謳われてはいません。
 さて、本書の著者であるジョーンズ氏は、アメリカ出身の法学者です。といっても、この本は翻訳書ではありません。東北大学で博士課程を修了し、同志社大 学法科大学院の教授を務める氏は、流暢な日本語を話すだけでなく、読み書きもお手の物。ゲラ(校正刷り)にも、手書きでびっしりと赤字が入りました。
 一見敷居の高い「法制度」という切り口でアメリカを論じた本書ですが、日本の例を多く交えることで、かなり読みやすくなっています。
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2.「ベスト&ブライテスト 栄光と興奮に憑かれて」(David Halberstam The Best and the Brightest:合衆国における衆愚の典型事例。ベトナム戦争は中台戦争を考える上でも比較対象事例として好適である。→参考:我が国におけるベスト&ブライテスト

おまけ(神経学オタク向け):ウラジミール・プーチンの”Gunslinger’s gait”について
パーキンソン病は神経変性疾患ゆえに症状は左右対称に現れると思い込んでいる医学生・お医者様が多いが,逆である。パーキンソン病は原則として片側の一肢(上肢・下肢のいずれか,例えば左下肢の固縮,右手の振戦のように)から始まる。このため大脳半球病変による片側に強い振戦,固縮,寡動は,パーキンソン病と誤診されることがある。実際私の師匠は(MRIはもちろんX線CTさえない時代に)前頭葉髄膜腫によるパーキンソン症候をパーキンソン病と誤診した経験を披露して,パーキンソン病における左右非対称性の大原則を教えてくれた。
 そんなパーキンソン症候の中でも,腕の振りの左右差は非常に感度が高い。神経内科初診外来では患者さんに必ず自然に歩いてもらうが,その時に必ず注目す る点の一つが腕の振りの左右差である。(というより実際には,診察前に,呼び出した患者さんの自然な歩きを見る方が効率がいい)。そういう目で見ると,ウラジミール・プーチンの歩行時は明らかに右腕の降りが左腕に比べて小さいDoes Vladimir Putin have Parkinson's?. WION (World Is One News) はインドの国際英語ニュースチャンネル)。すわ,パーキンソン病かと思いきや,これが違う。神経症候学に興味のある方は下記のBMJの論文を読まれたし。動画を見てわくわくして,神経学を学んでいて本当に良かったと思えるでしょう。興味のない方はここで読むのを止めなさい,なあんて意地悪なことは決して申しません。
→「プーチンに死角なし。プーチン大統領の独特の歩き方は・・・」
“Gunslinger’s gait”: a new cause of unilaterally reduced arm swing. BMJ 2015;351:h6141 (Christmas 2015: Political science)

ブーチンの病名は?
背景
: 政治に関連する話題に触れることは基本的に時間の無駄なので最小限に留めたいと思っています。その一方で、たとえ就任前とはいえ、現合衆国大統領に対し て、これだけ書いてきた手前、そして同時期(2020年12月)にロシア大統領の動作について2015年のBMJの論文を引用してパーキンソン病を否定し ました。それから1年半余り、22年2月24日に始まったウクライナ紛争開始以来、プーチンの動作について多くの動画が一般公開されるに至りました。そんな中で全くしら ばっくれている方がむしろおかしいのではないかと思うに至りました。また、ロシアのことばかり取り上げて自国の大統領の問題点には何も触れない米国の、特 に民主党メディアへの当てつけの意味もあります。お前ら、余所の国に構っている場合かよ。自分とこのイカレタ爺さんを何とかする方が先決だろうが。まあ、 本人は二期目もやる気満々なぐらい、おつむがやられちまってるからどうしようもねえんだろうけど。

対象
1.プーチン病気説の決定打?どう見ても怪しい動画 White House Won't Weigh In on Putin's Health as Rumors Swirl(ニューズウィーク日本版 2022年4月26日)に掲載された2本の動画(日付は2022年4月22日と同24日):たしかにこれは病人だけど
2.ロシアがイランに対して衛星攻撃兵器を供与する準備をしている等の疑惑について米国NBCによる独占インタビューの動画:(Exclusive: Full Interview With Russian President Vladimir Putin NBC News Exclusive 2021/6/15):その10ヶ月前:こいつは誰がどう見ても病人なんかじゃない!!

所見と私の見解
やはり左側からだった
2022年6月29日の立位で記者団の取材に応じるロシア大統領の写真を御覧あれ。注目すべきは左右上肢と顔面の非対称性である。
●右上肢は相手を受容することを示す時の自然な肢位を取っている。一方、左上肢は進展し、手は握りしめているが母指を拳の外側に出しそのIP関節は進展している。非常に奇妙な握り拳だが左手の振戦を抑える姿勢に筋固縮が加わった肢位と考えれば説明できる。なお、半側性仮面様顔貌(hemihypomimia)については上述のリンクの他、下記の論文も参考にされたし。
Hemihypomimia, a rare persistent sign in Parkinson's disease: Follow up of 11 patients. Journal of Neurology 2007;254(3):347-50
●一方顔面は明らかに右に比べて左口角が下がり左顔面全体も右に比べて”硬い”印象を受ける。これも(顔面神経麻痺ではなく)半側性仮面様顔貌(hemihypomimia)と考えれば納得が行く。

PDで決まりレボドパの十分量投与の結果のジストニア
へっ、何が「重病」だよ、この朝日新聞US版が。てめえんとこの爺様よりよっぽどコントロールがいいじゃねえか。この動きは間違いなくレボドパが十分量が行っている結果のジストニアだぜ。
プーチン「重病説」を再燃させる「最新動画」...脚は震え、姿勢を保つのに苦労 (Newsweek日本版 2022/6/17)

結局PDが残った(22/6/4追記):第三帝国総統閣下の左手とロシア大統領の右手
まずは2022年5月23日のルカシェンコとの会見のビデオを見てもらいたい(Lukashenko and Putin meet in Sochi、23 MAY 2022)。歩行は相変わらず颯爽としている。足の踏み出しに左右差はないし、前傾前屈なんてこれっぽっちもない。なお、歩行時右腕の振りが極端に抑えられているのが病的ではないことは、既に2年前に説明した(Gunslinger’s gait)。右足の踏み出しが左足と同様であることも右腕の振りの減少が病的なものであることを否定している。

パーキンソン病を思わせるのは、ルカシェンコとの立ち話の間中、後ろ手を組んでいる点だけだ。この両手を背中で組むのは総統閣下の最後の動画と同様である。ヒトラーユーゲントの隊員と右手で握手する時には左手の振戦が抑えきれなくなっている(This Video Exposes Hitler's Secret Illness 1:11、1945年4月)。左手で手袋を握っているのも振戦を押さえるためだ。振戦が指先に限局していれば誤魔化せたのだが、この時には手関節を越えて振戦が進んでいたので手袋だけでは抑えきれなくなっている。

ここで更に総統閣下の症状を振り返ってみると、1944年7月20日の時点で左手の振戦はもちろん、仮面顔貌も明らかである(同じ動画の1:27)。ムッソリーニとの面談では前で手を組んで振戦を隠している(同じ動画の1:45)。一方その後に出てくる1940年の総統の歩行はプーチン同様颯爽としている。この歩行だけ見ると発症前かと思ってしまう。

ところが2:07から得意げな小演説の場面に注目してもらいたい。この時も左手に書類を握っている。気の置けない仲間との談笑の場面でなぜ書類を丸めて握りしめる必要があるのだろうか?パーキンソン病は経過の長い病気である。米国大統領を御覧あれ。2012年に左手に振戦が認められてから既に10年が経過している。1940年の時点でに既に第三帝国総統の左手の振戦があったとしても何の不思議はない。

だとすると、ルカシェンコとの立ち話の最中に後ろ手を組んでいるのは右手の振戦を抑えるためなのだろうか?そう思って二人が面談中のビデオ(ソチ、2022/5/23)を見るのだが、パーキンソン病を思わせるのは
●自分が話している時の前傾姿勢(ルカシェンコが話している時は背もたれに寄りかかる時も多い)
●時に左手で右手を押さえる(ただし右手が解放されている時でも振戦は観察されない)
●左下肢に間歇的に見られる動きはレボドパの副作用としてのジストニアと考えて矛盾はない。
ぐらいのものだ。

表情は硬いが瞬目の数も保たれているし、頷きの時の首の動きも速い。これだけ症状に乏しいとなると、パーキンソン病でも初期でレボドパの反応が非常に良い場合に限られる。他の疾患ではあれほど症状が全て消えてしまうことなどあり得ない。髄膜腫もCTEも否定される。

それにしても驚くのはプーチンの度胸の良さだ。逃げも隠れもしない。調子の悪い時(初期でもon-offがあれだけはっきりしてる??)の姿も決して隠さない(プーチン病気説の決定打?どう見ても怪しい動画)。まあ、マッチョ自慢としてはさすがに震えだけは見せたくないと思ったのだろうが、それでも右手でしっかりテーブルを掴んでいるところも、わざわざ右のカメラに見せている。それから1ヶ月であの矍鑠たる姿。どうだ、見たか。って気分なんだろう。

悪性リンパ腫/膠芽腫??→そりゃないでしょう(22/5/17 追記):いろいろな噂が飛んでいるが胃癌では錐体外路症状が全く説明できない。敢えて悪性腫瘍と結びつけるとしたら、左前頭葉の(脳内原発)悪性リンパ腫 /膠芽腫だろうが。それならば髄膜腫では説明できなかった急激な経過を説明できるかもしれないが、今度は逆に全面的な武力侵攻が始まってこの3ヶ月、曲がりなりにも 政務についていることが説明できない。どちらの脳腫瘍もそんなに生やさしいものではない。見つかった時点で羽交い締めにしてでも診断・治療を開始せねば今 年中に大統領の国葬を出す羽目になるのは脳外科医ならずとも周知の事実だ。

この期に及んでも「勝手にしろ」というわけか?戴冠式前日に虫垂炎が判明しても延期に強硬に反対するエドワード7世に向かって、「もちろん陛下御自身でお決めになることですが、手術をしない場合には戴冠式は死体での御臨席となりますが、よろしいでしょうか?」と言い放ったFrederick Trevesのような侍はロシア大統領の回りにはいなかったのか?

2022/5/14追記:ウラジミール・プーチンはパーキンソン病なんかじゃない!!CTE(Chronic Traumatic Encephalopathy)か髄膜腫のどちらか→結局左前頭葉の髄膜腫しか残らないけど、だとしても手術しない理由が全くわからない→ご意見のある方はどうぞ→massie.ikedaあっとまーくgmail.com

現時点では錐体外路系疾患が強く疑われる(も・・・・)
ニューズウィークで引用された動画を見るとロシア大統領が何らかの錐体外路系疾患を患っていることは確実に見えます。問題はその原因です。

右手に強い静止時?振戦:ベラルーシのルカシェンコ大統領を迎える 動画での右手の振戦(左手では明らかではない)は、パーキンソン病の典型的なpill-rollingではありません。ショイグ国防相からプーチンが報告を受ける動画でもテーブルの端を右手で掴み続けているのも明らかに振戦を見せないためです。
歩行の異常:右足でより足の踏み出しが悪く(frozen gaitとまでは行かない軽度)、歩幅も小さい。右手の異常ばかりではなく、左手の振りも悪い。明らかに両側性/非対称性に障害されている
体幹の固縮?:ショイグ国防相との面談の最中、ずっと椅子の背もたれによりかかったまま。ショイグ国防相は背中がずっと背もたれから離れているのと対照的。

ただし、上記の動画の情報のみでは私には自信を持って病名を特定することはできません。ここまでで可能性の高いのは、パーキンソン症候を示す錐体外路疾 患、すなわちパーキンソン病/多系統萎縮症(旧称 線条体黒質変性症というタイプ)/レビ−小体型認知症の類いですが、以下に述べる発症時期の問題を考え ると、いずれも否定的になってしまうのです。

では発症はいつか?:2015年に出版された上記BMJの論文で はパーキンソン病は完全に否定され、左腕に比べ右腕の振りが小さい理由もきちんと説明されています。また同論文にあるVideo 1のSegment4(2015年)での、右利きであるプーチンの署名の際の敏捷な動きも、右手にわずかな症状(固縮/寡動/振戦)があった可能性を全面 的に否定しています。一方、2022年の動画は前述のように明らかに錐体外路系の症状を示しています。神経変性疾患ならば現在のような明確な症状に至るま でには数年以上かかるはずです。上記のパーキンソン症候を示す錐体外路疾患の場合、現在のような明確な症状を示すようになるまでは、一番進行が早い多系統 萎縮症でも3年以上(*)、パーキンソン病/レビ−小体型認知症では5年以上かかりますから、2017年から2019年の発症と普通は考えます。
*我が国での230人の患者を対象とした研究結果では、それぞれ中央値として発症後平均約5年で車椅子使用、約8年で臥床状態となり、罹病期間は9年程度と報告されている(多系統萎縮症(1)線条体黒質変性症指定難病17)。

たったの10ヶ月で:しかしそれだけで話は終わりません。2の独占インタビューを確認してください。冒頭のほんの2分だけでいいのです。それからこのインタビューが行われた日付を確認してください(NBC News' exclusive interview with Russian President Putin)。そうです、たったの10ヶ月です。正に千両役者。ウラジミール・プーチンその人です。 この矍鑠とした姿のどこがパーキンソンだっつーの?!そしてそれから、たったの10ヶ月で国 防相との面談の間中、椅子から今にもずり落ちそうな姿勢で右手でしっかりテーブルにしがみつく、なんともまあ、おいたわしい爺様に変貌したロシア大統領。 いや、どんなにレボドパが効いていたとしても、10ヶ月前のあの独占インタビューをこんなに元気はつらつで切り抜けることなど絶対にできません。そもそも ジストニアが全然出てないじゃないですか。

結論:ロシア大統領が現在パーキンソン症候を呈していることは確実と思われますが、数ヶ月で急速に進行する経過は一次性の神経変性疾患では説明困難です。鑑別診断は1)Chronic Traumatic Encephalopathy(CTE)2)左前頭葉の髄膜腫の二つに絞られますが、CTEの経過が10年以上にわたることから、左前頭葉の髄膜腫の可能性の方が高いかと。それにしても手術をやらないというのは解せません。何か特別の理由があるのか?(下記)。以下主に若手神経内科医/専門医以外の医師向けの鑑別診断例の議論です。

薬剤性

−あれだけ症状が明らかなのですから、薬剤性であればとっくの昔に薬剤中止になっているはず。MI6あるいはCIAがMPTPを盛ったなんて空想物語が好きな人はどうぞ御勝手に。

外傷性
Chronic Traumatic Encephalopathy:(ボクサーはパーキンソン病になり易いの?
プーチンがフルコンタクトのスポーツ(レスリング、柔道)を好むことを考慮すれば、この診断が第一に上がってきます。ただ、CTEだとして問題なのは;
10ヶ月であれほど早く進行するのか?→否定的というより、まずあり得ない。
Stern RA et al. Clinical presentation of chronic traumatic encephalopathy. Neurology. 2013 Sep 24; 81(13): 1122–1129.
病理学的に診断が確定した33例のCTEについて、病名を伏せて近親者に病歴を聴取した結果を示した論文。33例を行動・感情の異常を主徴とする若年群(平均年齢51歳)22例と高次機能障害を主徴とする高齢群(平均年齢69歳)11例に分けて臨床症状・経過を調査した。平均病悩期間は全33例で15年、若年群で17年、高齢群で11年だから、10ヶ月であのように病像がほぼ完成することはありえない。

●あれほど左右差が明らかになるのか?→この点を議論できる材料は今のところ持ち合わせていない。なお、上記のSternらの論文によれば、運動系の障害を示したのは33例中10例(その中にパーキンソン症候を示したのが何例かは不明)だったとしている。時間のある人は下記の総説を読んで私に教えてください。
Maroon JC, Winkelman R, Bost J, Amos A, Mathyssek C, Miele V. Chronic traumatic encephalopathy in contact sports: a systematic review of all reported pathological cases. PLoS One. 2015;10(2):e0117338. doi:10.1371/journal.pone.0117338
McKee AC, Cantu RC, Nowinski CJ, et al. Chronic traumatic encephalopathy in athletes: progressive tauopathy after repetitive head injury. J Neuropathol Exp Neurol. 2009;68(7):709-735. doi:10.1097/NEN.0b013e3181a9d503

脳血管障害

−左前頭葉の慢性硬膜下血腫であれば症状発現後は緊急手術になっていますから、やはり否定的。
−血管性パーキンソニスム:神経内科医であれば即却下です。血管性パーキンソニスムという言葉自体がmilsleadingだし、この疾患概念自体が実際の診療に何の役にも立たないので、この言葉は忘れてください。

脳腫瘍=髄膜腫
”中年女性 ならともかく、また無症候ならいざ知らず、69歳の爺さんに症候性の髄膜腫かよー、それもパーキンソンだって?!”、とおっしゃる方もいらっしゃるかもし れませんが、てっきりパーキンソン病だと思っていたのが、画像を撮ってみたらあっと驚く meningioma。そんな小咄は、ある程度神経内科医をやっていれば、たとえ自験例ではなくても見聞するものです(上記参照)。問診と観察を大切にして初めてこういう学びができます。いつでもどこでも誰でもがMRIをオーダーしてしまう環境では、決してこういう学びは生まれません。

ただし髄膜腫としても疑問は残ります。髄膜腫で手術をしたらパーキンソン症状もすぐ治るのは誰でも知っていることです。あれだけ症 状がはっきりしているのに、今日まで手術をしないというのが不思議。これなら10ヶ月という進行の早さを説明できるか?たとえば、周囲の浮腫が急激に拡大したとか?

−あれだけパーキンソン症候が明白にもかかわらず、高次機能障害は明確ではないし、経過が緩徐過ぎるので、悪性リンパ腫/膠芽腫は否定的で原因として脳腫瘍を疑うのならばやっぱり髄膜腫しかありません
     ―髄膜腫だとして左側にも症状がある理由は?:確かにルカシェンコ大統領の所に歩いて行くまでの動画では明らかに左側にも症状がありますから
        1)左側のfronal convexにできた髄膜腫が巨大になりmass effects→midline shiftが生じて右前頭葉にも影響が及んでいる(下記 Adhiyamanらの論文)。
        2)大脳鎌にできた髄膜腫が左側優位のダンベル型になって右側にも進展した(大脳鎌髄膜腫 50歳 女性例)。
    ―髄膜腫にもかかわらず、現在でもこれほど症状がはっきりしている=まだ手術していない理由は?:これまで何らかの事情で手術を延ばしてきた結果こうなってしまったのか、あるいは手術はしたけれども、これも何らかの理由で後遺症が残ってしまったのか、いずれかと考えますが、。

Saleh C, Akhalbedashvili N, Hund-Georgiadis M. Brain Tumor Presenting with Parkinsonism. Case Rep Neurol. 2021 Sep 13;13(3):595-597. doi: 10.1159/000518198. PMID: 34703448; PMCID: PMC8460956.(前頭葉)
Adhiyaman V, Meara J. Meningioma presenting as bilateral parkinsonism. Age Ageing. 2003;32(4):456-458. doi:10.1093/ageing/32.4.456(片側の髄膜腫だがmass effect, midline shiftを伴っているため両側に症状が出ている PDFあり
Kim JI, Choi JK, Lee JW, Hong JY. Intracranial Meningioma-induced Parkinsonism. J Lifestyle Med. 2014;4(2):101-103. doi:10.15280/jlm.2014.4.2.101(sphenoidal ridgeの髄膜腫が中脳脚を直接圧迫している。珍しいタイプ)
Fong M et al. Large intracranial meningioma masquerading as Parkinson's disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2016 Nov;87(11):1251. doi: 10.1136/jnnp-2015-311531. PMID: 26243338.

脳神経外科 澤村豊先生のこと
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