東京大学医学部附属病院 臨床研究棟4階
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
「肺癌および炎症性肺疾患におけるバイオマーカーの探索」について
1.本研究(検討)の目的
採血検査や胸水穿刺(胸腔に溜まった液体を採取すること)は、細い針を刺すことで検体を簡便に入手することができ、内視鏡検査や手術に比べて格段に負担の少ない検査です。血液や胸水を分析することによって、肺癌や炎症性の病気を区別でき、さらに病気の進行度を判定することができれば、病気の診断や治療方針の策定に、非常に有用です。今回の研究では、血液や胸水を分析して、診断や治療に有用な成分を探索します。採血検査や胸水穿刺(胸腔に溜まった液体を採取すること)は、細い針を刺すことで検体を簡便に入手することができ、内視鏡検査や手術に比べて格段に負担の少ない検査です。血液や胸水を分析することによって、肺癌や炎症性の病気を区別でき、さらに病気の進行度を判定することができれば、病気の診断や治療方針の策定に、非常に有用です。今回の研究では、血液や胸水を分析して、診断や治療に有用な成分を探索します。
2.対象
対象となる症例は、東京大学医学部附属病院呼吸器内科に入院された患者さん、もしくは同病院入院中に呼吸器内科コンサルトを受けた患者さんのうち、受持ち医もしくは研究担当者より本研究に関する説明を受け、同意を頂いた方です。
3.方法、研究が行われる機関、実施場所
研究参加者は通常の診療にあたって必要な採血検査または胸水穿刺を受けます。採血検査の場合、一回の採血検査で10mlの余分な血液が採取されて、研究に活用されます。胸水穿刺では、採取された胸水のうち、検査・診断のために必要な量を除いた残りの部分のうち、10mlを研究に活用します。いずれの場合も、研究に参加することによって、注射針での穿刺の回数が増えることはありません。
研究担当者は、東京大学医学部附属病院内において、血液や胸水の液体成分に含まれる蛋白質や核酸の一部を測定します。また、一部の検体は東京大学医科学研究所や愛知県がんセンター研究所へ送付され、蛋白質や核酸の一部の解析を行います。病気やその進行度などに応じて、これらの物質が増加したり減少したりしていないか、解析を行います。
患者カルテ・診療情報・検査結果を閲覧しながら、個人情報を除いた診療内容を調査票に記入します。この時点で患者の匿名化は完了しており、患者識別情報が含まれないデータのみが用いられます。研究者は、東京大学医学部附属病院内において、データの統計解析を実施します。
4.研究協力の任意性と撤回の自由
この研究にご協力いただくかどうかは、研究参加者の方々の自由意思に委ねられています。もし同意を撤回される場合は、同意撤回書に署名し、東京大学医学部附属病院・呼吸器内科にご提出ください。なお、研究にご協力いただけない場合にも、皆様の不利益につながることはありません。研究期間中にご本人の申し出があれば、解析前に関しては可能な限り採取した資料(試料)等及び調べた結果を廃棄します。
5.研究における倫理的配慮について
本研究は、直接患者さんに介入する研究ではなく、患者さんの生命・健康に直接影響を及ぼしません。また、患者さんを特定するデータも存在しません。東京大学医学部の倫理審査委員会において、この研究に参加された方の不利益にならないことや医学の発展に役立つ情報が得られることが確認され、承認を受けています。
東京大学医学部附属病院 呼吸器内科
田中 剛(研究担当者)
三谷明久(連絡担当者)
2015年 1月15日以前に研究に参加された方々へ
2015年1月15日より、研究方法に一部変更がありました。採取させていただいた血液もしくは胸水の検体の一部が、東京大学医科学研究所へ送付され、蛋白質の解析に用いられます。 同意の撤回を希望される場合や、ご質問がある場合は、お気軽に連絡担当者へご連絡ください。
2016年 8月 4日より研究対象者が拡大されました
2016年 8月 4日より、東京大学医学部附属病院・呼吸器内科に入院中の患者さんに加え、同病院入院中に呼吸器内科コンサルトを受けた患者さん(のうち同意をいただいた方)も、研究対象者となりました。
ご質問などある場合は、お気軽に連絡担当者へご連絡ください。
2020年 9月20日より、愛知県がんセンター研究所との共同研究がはじまりました。
2020年9月20日より、愛知県がんセンター研究所との共同研究を開始しました。採取させていただいた血液の検体の一部が、愛知県がんセンター研究所へ送付され、蛋白質や核酸の一部の解析に用いられます。愛知県がんセンター研究所における研究課題名は、「免疫チェックポイント阻害剤の効果・副作用予測に有用な血液バイオマーカーの網羅的探索」です。
同意の撤回を希望される場合や、ご質問がある場合は、お気軽に連絡担当者へご連絡ください。
「呼吸機能の包括的解析方法の確立」
1. 研究の目的
この研究では、呼吸機能をさまざまな方法で包括的に解析する方法を確立することを目的としています。
@ 呼気NOの臨床的意義の解析:呼気NO値は、気道炎症の指標とされ、主として気管支喘息の病態把握に有用な検査です。しかし、健常者でも例えばアレルギー性鼻炎などにて上昇することが知られています。この研究では、呼気NOを測定し、本人の生活習慣などの問診と併せて、その臨床的な意義を解析します。また、呼気NOが高値であった方に対しては、経過をフォローすることで、将来的な呼吸器疾患の発症リスクの可能性などを検証します。
A モーションキャプチャーによる呼吸機能解析方法の確立:モーションキャプチャーによる胸郭運動の解析は、新たな呼吸機能の指標となる可能性があります。この研究では、精度の高い非接触式のモーションキャプチャーを用いて、呼吸機能検査結果や胸部レントゲン写真所見などと比較を行い、その有用性を検証します。
2.研究方法
問診票に回答していただいたのち、SpO2測定、呼気NO測定、スパイロメトリー、モーションキャプチャーを行います。いずれも侵襲のきわめて少ない検査ですが、スパイロメトリーやモーションキャプチャーでの検査の際には、深呼吸をお願いすることとなり、ごくまれに既存の呼吸器疾患の増悪(例えば、気胸と呼ばれる肺の空気漏れ)を起こすことがあります。その場合には適切な対処をします。また、胸郭の動きの解析のために、ご同意を得られれば、上半身の着衣の一部もしくはすべてを脱いで頂く可能性があります。
同日に採血検査を施行している方に関しては、残りの検体で追加項目の測定を行います。ご希望があれば、後日結果をご説明できます。また、これまでの、健康診断や保健センターでの診察時に取得したデータの一部を利用させていただきます。
検査値の異常値が認められた方や希望する方に関しては、年の単位での定期的なフォローをお勧めすることがあり、その際にも当日と同様の検査を行います。
3.研究協力の任意性と撤回の自由
この研究にご協力いただくかどうかは、自由意思に委ねられています。一旦ご同意いただいた後で、もし同意を撤回される場合は、同意撤回書に署名し下記の連絡先までにご提出ください。なお、研究にご協力いただけないことで、あなたの不利益に繋がることは一切ありません。
同意を撤回された場合には、提供いただいた試料・情報は破棄され、以後研究に用いられることはありません。ただし、以下の場合には同意を撤回しても試料・情報を破棄することができませんのでご理解ください。
・提供された試料・情報から個人が特定できない場合
・すでにデータ解析が行われ、試料・情報を分離して破棄することができない場合
4.試料・情報の取扱方針
いただいた試料・情報は匿名化した上、研究や分析等に用います。また、東京大学本郷保健センター健康管理室において、この研究成果の発表後少なくとも10年間保存いたします。
提供していただいた貴重な試料・情報は同意が得られた場合に限り、新たな研究のために、当機関で用いたり国内外の機関に提供したりする場合があります。現時点では、将来の研究目的を知ることができませんが、提供する場合には、個人情報が特定されないようにして提供します。また、改めて東京大学倫理審査専門委員会の承認を受けた上で利用や提供を行います。
保健・健康推進本部内科 助教 三谷明久
「ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を用いた呼吸器疾患の研究」
1.本研究(検討)の目的
単核細胞(マクロファージ、樹状細胞)は、様々な呼吸器疾患の病態に深く関与していることが知られています。この研究では、末梢血から単核細胞を分離し、呼吸器疾患の病態の解明や、薬剤の効果判定を行うことを目的とします。
2.対象
対象となる症例は、東京大学医学部附属病院呼吸器内科に入院された患者さん、もしくは外来通院中の患者さんのうち、受持ち医もしくは研究担当者より本研究に関する説明を受け、同意を頂いた方です。
3.方法、研究が行われる機関、実施場所
研究参加者は、採血検査を受けます。一回の採血検査で約30mlの血液が採取されて、研究に活用されます。
研究担当者は、東京大学医学部附属病院内において、血液中の単球細部を分離・培養し、細胞内や培養液に含まれる蛋白質や核酸の一部を測定します。病気やその進行度などに応じて、これらの物質が増加したり減少したりしていないか、解析を行います。
患者カルテ・診療情報・検査結果を閲覧しながら、個人情報を除いた診療内容を調査票に記入します。この時点で患者の匿名化は完了しており、患者識別情報が含まれないデータのみが用いられます。研究者は、東京大学医学部附属病院内において、データの統計解析を実施します。
4.研究協力の任意性と撤回の自由
この研究にご協力いただくかどうかは、研究参加者の方々の自由意思に委ねられています。もし同意を撤回される場合は、同意撤回書に署名し、東京大学医学部附属病院・呼吸器内科にご提出ください。なお、研究にご協力いただけない場合にも、皆様の不利益につながることはありません。研究期間中にご本人の申し出があれば、解析前に関しては可能な限り採取した資料(試料)等及び調べた結果を廃棄します。
5.研究における倫理的配慮について
本研究は、直接患者さんに介入する研究ではなく、患者さんの生命・健康に直接影響を及ぼしません。また、患者さんを特定するデータも存在しません。東京大学医学部の倫理審査委員会において、この研究に参加された方の不利益にならないことや医学の発展に役立つ情報が得られることが確認され、承認を受けています。
東京大学医学部附属病院 呼吸器内科
田中 剛(研究責任者)
三谷 明久(連絡担当者)
その他の臨床研究に関しては、東大病院呼吸器内科のホームページをご参照ください。
「本学における自然気胸の定期健診発見症例のまとめ」
自然気胸は、肺に穴が開き、空気が胸腔内に漏れる病気で、若年のやせ型の男性に多いとされています。胸痛・呼吸困難・咳などの症状が出現することが殆どですが、まれに自覚症状がなく、胸部レントゲン検査のみにて発見されることがあります。本学における学生健診にても、胸部レントゲン検査での自然気胸の発見例が散見されることから、そうした症例について後ろ向き研究を行い、その特徴を明らかにし、発見後のフォロー体制の整備などに役立てたいと考えています。
この度、2011年4月1日から2016年3月31日までに、学生健診にて胸部レントゲン検査を施行した方を対象として、胸部レントゲン所見とその他の健診データ(身長や体重、採血結果など)のまとめを行います。自然気胸を指摘された方に関しては、胸部レントゲン写真を再度読影し、肺の虚脱率などを測定するとともに、カルテを参照し、その臨床経過を確認します。
データの集計や解析は匿名化を行いますので、名前など個人を特定できるような情報は含みません。集計データから得られた結果は、呼吸器内科学会などで発表させていただく予定です。この研究により、直接的・間接的に、学生の皆様の健康増進にもつながると考えており、学生やご家族の皆様のご理解とご協力をいただけますよう、お願い申し上げます。
この研究に関しまして、質問がある場合、同意しがたい事項がある場合などは、その旨を保健・健康推進本部内科までお申し出ください。お申し出のない場合は、同意していただいたものとして取り扱わせていただきます。 以上、ご理解・ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
保健・健康推進本部内科 助教 三谷明久